時折強い風が吹いてアラレが降って・・・
そんな時の母は暖かな布団の中に居たり、炬燵で座っていたり。
 
カーテンを半分閉めている所為か、心持部屋は暗く思う。
 
そんな時の母は少し落ち込んで
炬燵の周囲は
DMの封筒やら新聞の折り込み広告の裏などに走り書きしたメモが一杯散らばっている。
そしてそのメモの殆どが年金の事であり、兄の悪口ばかり。
 
見て、辛くなることもある。
だけど生きていて今更夢を語ることも無く、日々同じことの繰り返し・・・・
 
時々
「生きているのが嫌になった」
なんて云うけれど
『ばあちゃん、そんなこと言われたらどう返事をすれば良い・・』
なんて問い返したくなる。
 
何時も自分だったらどうする、どうして欲しい・・・そんな事を考えるけれど
冬の寒い日、風の強い日に母を外へ誘うことも出来ない。
 
出来ることは僅か1センチ程積もった雪を道路際から玄関先まで除雪して、
母の傍で座ってみたり、寝転んでみたり・・・・
偶には近所の饂飩屋さんから出前を取って二人で食べてみたり・・・・
 
寒い日、温かな麺類は心まで暖かくしてくれるのかなと思う。
だからそんな時の母は嬉しそうな顔をして先ほどまでの顔とは違う。
そんな時はヘルパーさんの作ってくれたお昼は少しだけハシを付けて・・・
でも良いヘルパーさんに出会えたと思う。
先日、ヘルパーさんが自分の子供を連れて来てくれたと母は喜んでいた。
小さな子供の姿を見ると心も和むのかもしれない。
 
 
そして、そんな時母は云う
 
「お前が小さい頃、充分食べさせることが出来なくて・・・
お前は起きてきたら手を開いたり握ったりして
『ちんちゃん、にぎにぎ・・・』
お腹が減ったろう、
そんな姿を思い出すと辛くなってね・・・
覚えていないか・・・・」
 
『ばあちゃん、そんな時は誰でもあるよ、
決してばあちゃんが悪かった訳でもないし・・・・』
 
「ばあちゃん、だから何時もウドンの蒲鉾とか呉れるんか!」
なんて憎まれ口を叩いている。
 
だけどそんな私を母は絶対怒らない。
何時も笑って聞いて、見ている。
 
私には幸せな時間・・・・
 
だから介護なんて思ってはいない。
こんな歳になって未だ甘えている。