「入院しますか?させますか!!」
 
「入院しない・・・嫌」と妻。
 
「明らかに躁です、御主人入院させましょう、家でも前の病院どちらでも良いです」
 
「落ち着いて、安定している時ならいくらでも引き受けますが・・・
こんな状態でしたら以前の病院へ入院した方が様子も分かっていて、良いと思います」
 
退院してひと月余り・・・・
以前の病院へ途中診察へ行って薬も貰って、紹介状も貰って・・・・
初診が伸びて・・・
又、処方箋を貰って薬を取りに・・・・何だかんだと一カ月。
その間薬も飲んでいるのかどうなのか。
 
少しは期待して新しい病院の診察日の事。
かなりテンションは高くなっているなぁとは思いつつの診察日。
開口一番その女性の担当医はそう云った。
『やっぱりなぁ』との思い・・・・・『やっぱり今の状態を押さえるには入院だろうなあ』
先日から訳もなく暴れまくっている。
 
そして
 「御主人、何時もこんな喋り方なんですか?」
 
「・・・・そうなんです。多分、入れ歯が合って無いんだと思います。」
 
「この酔っぱらったような呂律の廻らない喋り方は入れ歯のせいではないと思います」
 
「・・・そうですか・・・」
 
「薬はしっかりと飲んでいますか?」
 
「はっきりは分かりませんが昨晩は立てつづけに二回分飲んでいました」
 
「この、薬はね、御主人。
普通の方ですと三日間程記憶が無くなるほど強い薬なんですよ。
それでこんな喋り方になるのですね・・
入院させた方が好いと思います。うちの病院でもいいですよ」
 
何か妻は呂律の廻らない口で喋っている・・・
 
「先生、すぐ入院ですか?」
 
『以前の病院へ相談に行かなくては・・・・入院を許可して呉れるだろうか・・・』
『確か、何かあったら戻って来て下さい』と云ってたよなぁ 
 
「先生、一週間待って頂けますか?少し考えてみます・・・・」
 
「そうですか!取り敢えず同じ薬を処方して出しますが
入院かどうかは出来るだけ早く知らせて下さい」
 
『こんな状態でも前の病院では入院させたくても・・・・・入院させましょうとは云わなかったけれどなぁ。
こんな状態で入院させる訳にはいきませんなんて言われたけれど・・・・』
 医師の判断でこんなにも違ってくるのだろうか。
でも入院ならかってしったる前の病院だろうし・・・
 
そして処方箋を薬局に出して薬の出る間少し車に乗って買い物・・・・。
此の侭以前の病院へ連れて行って入院を頼もうか・・・・
迷いながらの車の中。
 
入院なんて言ったら又暴れるだろうなぁ。
でも入院させた方が良いかも・・・・無理やり連れて行こうか・・・どうしようか。
こんな時の亭主は迷ってばかり・・・・何時の間にか妻の買い物の為にデパート。
一緒に行ったらもっと揉めるだろうし・・・
「儂、ここで待ってるから・・・」
ほんの暫く、つまらないモノを買って妻は戻ってきた。
 
入院?どうしょう・・・未だ迷っている。
思いきってハンドルが切れない・・・・・
何時の間にか妻は少しずつ落ち着いて来て、薬を貰い、
何時ものS・Cへ寄って買い物をして。。。其の儘外食。
 
そんな日から一週間、
多分薬はしっかりと飲んでいるのだろうと思う。
そして再診の日。
 
今日はすぐ入院を・・・とは云われなかった。
薬が効いているのだろうか。
 
妻の両極性障害と云う病気。
いったいどうなっているのだろうと思う。
そんな強い薬を毎日飲んでいるなんて・・・・
病気の為とは云え、妻が哀れに見える・・・・
 
でも薬を飲まない時の妻は怖い・・・・