山里を歩くと栗の実がはじけて落ちています。
丹波栗だったりシバ栗だったり・・・・丹波栗は大粒、シバ栗は山栗だけあって小粒。
初夏にはそんなイガグリとは似つかない真っ白な花を咲かせていて、
幼果の頃からトゲトゲの痛いイガを一杯付けて、中の栗を守っていいるけれど、
大きくなったらはじけて栗の実が飛び出てしまう・・・・
うわべだけ仲の良いような、そんな栗は嫌いです。
 
子供の頃は肩を組んで家の中に閉じこもっているけれど
大きくなったら押し合いへしあいして、仲間割れして外へ押し出してしまう
 
最後に残っているのは未熟で爪の様な半端な栗の実・・・・可哀そう・・・・
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だけど栗ご飯とか、甘栗は好き・・・・
 
 
 
昔、小学校の一年生か二年生。
そんな我が家のまだ間借りして六畳一間に六人家族で暮らしている時
 
九州、宮崎の山奥の田舎から父方の祖父が訪ねてきました。
山のお爺ちゃんですからお土産は『栗』を焼いて、
そんな栗の実を木綿の糸で数珠みたいに繋いで、
 
結構首にかけられる長さでした。
 
そんな初めて見る祖父の傍で寝て、朝早く目が覚めたら・・・・
頭の上に白いキャラメル・・・が並んでいました。
「甘くておいしそう・・・」
そっと他の兄弟に判らぬように手を伸ばしたら・・・・
 
祖父の入れ歯でした。
 
「ギャッ」と云ったか、放り投げたか記憶ははっきりしませんが
とにかく初めて見て触った入れ歯でしたから気持ちの悪いこと・・・・・
 
そしてその日は運動会
運動会には祖父のお土産の焼栗を首から下げて、祖父と一緒に出かけました。
かけっこでは当然のごとく一等賞、
祖父は喜んで「tsuneどんは、早かばい・・・」
と上機嫌で頭をなでてくれたこと・・・
 
幾晩泊っていったか記憶には有りません。
 
でも昔々ですから鈍行列車を乗り継いできたのでしょうから
結構長い間を泊っていたと思います。
 
 
そして、それ以来「入れ歯」を見ると
頭をなでて喜んでくれた祖父を思い出しますが「入れ歯」は気持ち悪い・・・
 
そして栗の季節には・・・首から下げた栗の実が懐かしく思い出します。
でも栗は仲が悪いから嫌いです。
 
好きなのは栗ご飯・・・
 
そして栗を見るとずっと忘れて顔も分からない祖父を思い出します。
 
フライパンで炒ったのか焼いたのか判らぬ栗は
固くて左程美味しくなかった様な気がします・・・
 
 
考えようでは栗の実も一人前になったら家を出て
独りの生活を目指すのかもしれません。