妻の御機嫌は上がったり下がったり・・・・・
ブチブチ文句を云われたり・・・叱られたり・・・・
亭主としては御機嫌を損なわないように・・・・
持ちあげて又、上げて・・・
逆らわないように・・・
時々はイラッとくるけれど顔と声だけは出来るだけ優しく
「うん、どうしたの・・・」
疲れるけれど、今暫くの我慢・・・・
耐えると云うこと随分慣れてしいました。
妻の独り言も聞いているだけで疲れてしまって
耳に栓などしようかとも思うけれど・・・
たった二人だけの生活・・・頑張っていかねばなりません。
そんな妻が近所の食品スーパーへ行って帰りに時々寄っているカラオケ喫茶。
其処のママさんが気楽とかで
自分はマイクなんか握りもしないのにココアとコーラを飲んで
時間つぶしをしてくるようです。
どうしたことか、夕方
「おとうさん、カラオケ喫茶行かん?」
なんて誘いがありました。
「エッ、カラオケ!!歌なんか歌えんぞ!」
「歌わんでも好いし・・・私、ココア飲む・・・・」
私もそんな妻に それこそ
『何で・・・どうしたん?』
なんて不思議な顔をしながら・・・
そんなことで三百メートルほど離れたそのカラオケ喫茶店へ尾いて出かけました。
当然夜にはスナックタイム・・・・
「私、ココア、おとうさんは珈琲・・・ブラックで・・・・」
カウンターの隅っこに座って何か変な具合・・・・
不思議な顔をして付いて来たけれど余計不思議な顔・・・
「おとうさん、歌をどうぞ・・・」
やっぱりカラオケ喫茶のママさんです。
「私、歌、歌えないんです・・・・よ」
「おとうさん、歌うまいがいね、
ほら○子と△子の結婚式の前に良く歌っていた歌・・・」
「おかあさん、儂に歌わせるのに連れて来たんやろ」
「うん、歌わんか」
まさか珈琲を飲んでカラオケなんて・・・・・
それも何年ぶりなんて・・・・
「ママ、今日は喉の笛、忘れて来たんです・・・・」
「おとうさん、早く歌わんか・・・・」
と云いつつ云われつつ・・・・マイクを持ってのド演歌・・・・
それも余り人の歌わない村田英夫の『男の一生』
そう云えば○子の結婚前に嫁ぎ先の親たちとスナックで飲みながら歌ったっけ。
脂汗と冷や汗を出しながら一曲終わったら
「おとうさん、上手いがいね、もう1曲」
そんな妻の煽てにのって山本譲二の『夜叉のように』
久し振りにカラオケなんかの店に行くと歌が分かりません・・・・・
本当はどうせ歌わされるのだったら
『アマン』とか『TAXI』なんて歌ってみたかったのですが・・・
新しい曲は分からないし・・・知らないし・・・・
このお店で一回妻もだけ誰もいない時マイクを握ったようです。