連休の初日の午後
 
「おかあさん、メダカ一匹になったし買いに行くか?」
「うん、でもなんで死んだんや」
「多分、水温が上がって熱過ぎたんでない?」
 
八月の半ば過ぎ妻の欲しがるメダカをせっかく沢山買って来たのに、
吹きつける熱風で小さな鉢の水温も高くなったのでしょう。
 
結局は妻の退院を迎えて呉れたのは
メダカが一匹だけという結果になってしまいました。
 
 
 
で、前に買った郊外のお店に・・・
数人の常連さんが遊んでいました。
 
「やっぱり、メダカ死んでしもうたし又買いに来た」
 
妻は彼方此方のメダカや水草を見て可愛いの連発。
今度は倍以上もある鉢と三十匹程のメダカを買って・・・
妻も満足そう・・・・
 
 
「帰りにおかあさん、あっち行ってみようか」
なんて言っていた山里の方へ廻ってみることにしました。
 
「アッ、ススキや、おとうさんススキ欲しい・・・」
 
「鶏頭の花、綺麗やね、欲しいねぇ
 
欲しいと云うことは取って来て欲しいと云うこと。
車に積んである剪定ばさみの場所まで知っている彼女は
もうそんな鋏まで引っ張り出しました。
道端のススキを数本・・・・
他所の畑の隅にある鶏頭を又数本・・・・
これは取ると云うより盗るって感じですが。
そんなものを積んで満足そうな彼女。
 
 
「おとうさん、大きな虹がかかってるよ」・・・・・
 
車の前方の野原から山の天辺まで大きな虹が掛かっていました。
思わず「妻の病気が治りますように・・・・」そんな事を頼んでしまいました。
「大きいねぇ、綺麗やねぇ、久し振りに虹なんか見たわ・・・」
そんな虹とも別れて、
道端にある生鮮スーパーで白菜を買うつもりがあれもこれも・・・
 
秋刀魚やアマダイ、イカやらカレイ、ハタハタ、
冬瓜まで買ってしまいました。
ま、退院間もない妻の気分転換ならこれも仕方ないかなと云う気持ち・・・・・
車中で
 
おかあさん、楽しかったか?」
 
「うん、綺麗な虹も見れたし。良かった」
 
彼女のそんな一言で助かりました。
 
こんな一言、そんな一言が妻を計るバロメーター・・・・
おっかなびっくりでの慣らし運転・・・・
穏やかな気持ちでいられるように・・・・
ストレスを試させないように・・・・
少し疲れるけれど・・・やっぱり夫婦。
こんな御縁を繋げていかねばなりません。
 
 
メダカも大きな鉢に入って水草の廻りを気持ちよさそうに泳いでいます。
白いのやら赤いのやら・・・青いのも・・・
白いのは「ダルマ」
赤いのは「楊貴妃」までなら分かりますが・・・
後は分かりません。
 
妻は注文する人、私は買って育てる人
これは昔から変わりません。
多分ずっと変わらず、そのまんま・・・・・
 
ま、夫婦やし・・・仕方ありません。