朝早く母からの電話が入る。
「昨日来なかったから寂しかった・・・・」
「考えても分からない・・・・事ばかり・・・」
「頭の中がぐちゃぐちゃになって分からんのになった・・・・」
毎日のように顔を出して、母と遊んでいてもそれはそれ。
誰だってこんな暑い日が続くと頭の中がどうなっているのか、
心の中なんてアイスクリームみたいに溶けかかって
ぐちゃぐちゃになってしまっている。
だから母だけでは無いのだけれど
母はそれが気になるのか
単に話し相手に息子の処に電話して
そんな息子からの言葉が欲しいだけかなとも思う。
母の直球だけの言葉に対して
息子はそのボールを受け取めるのに精一杯。
偶に投げ返すボールは変化球ばかり・・・
それも時々は母の処へ届く前に横にそれたり・・・届かなかったり・・・
時折涼しげな風が吹き抜けるようになって、
少しは母の具合も良くなるかと思っていたけれど
母の頭は休んでみたり動いてみたり・・・・・
母の傍にいても特別の話題もないけれど
ただ母の傍にいて母の話に相槌をうって、
母の愚痴を聞いて・・・・
そして時々話題を変えるのに冗談を云って笑ってみたり・・・・
ヘルパーさんを交えて三人で話していると母もすこぶるご機嫌でもある。
父が亡くなって十数年殆ど他人との交流もなく、
当然のように会話も無かったのだから今、こんな状態になって
毎日ヘルパーさんが一日三回も来てくれて、
その時々の時間に息子が来て話相手になって呉れて、
そんな皆なは母のことを怒鳴りもせず、叱りもせず、文句も言わないのだから。。。
そんな時間が母にとっては至福の時間だと思う。
何とか転びもせずに家の中を歩き
躓きもしないでいてくれることに喜ばねばならないのだろう。
だから母の愚痴話やそんなことは右の耳から左へ聞き流し
母の笑顔を見ることが出来ることを喜んでいる。
こんな時間何を考えて寝ているのか、
未だ寝つけないでいるのかそれは分からない。
また明日の朝
元気に
「おはよう・・・あのね、tsuneちゃん・・・」
そんな電話が掛かるのを期待している息子がいる。