「おやっ、tsuneさん、頬っぺたと口の辺に何か付いてるぜ」
知り合いの言葉・・・・・・拭いてみたけれど取れない
「ひっかき傷みたい・・・・」
ドキッ・・・
新盆の少し前から多少具合が揺れていた妻。
14日の日、両家の墓参りをして、夕方まで少しドライブして外食・・・・
15日の夕方突然
「おとうさん、喧しいからワタシ家を出るわ、もう帰って来ないし・・・」
何かバッグに荷物を詰めてタクシーを呼んで・・・
何も云わないのに突然、それも10分位の出来事・・・
今まで数回の彼女の家出はバッグを四つも五つも持って、
近くのビジネスホテルへ行っていました。
『又かぁ・・・』
処がお盆の所為かホテルが満員らしくて直ぐに帰ってきて・・・・
押し入れからビニールひもを引っ張り出して
「ワタシ死のう・・・納屋で首・・・・」
「何考えとるん・・・」
暫く揉めて、やっぱり交番へ電話。
妻も女とは云え暴れ出すと中々押さえきれません。
彼女が如何に興奮していようと殴ったり、蹴飛ばしたりは出来ないのですから。
そしたら電話をかけている間に傍へ来てシャツを引っ張って破くわ、
耳を引っ張るわ顔をひっかくで大変。
電話をしたのが気に喰わないのでしょう・・・・・
『去年のこともあるし、誰も電話なんてしたくないのに・・・・』
警官が4人程来て話し合い・・・
「行かない!!」
「入院なんてしない!!」
「おとうさんが行って入院していればいい」
なだめすかして、そして病院へ・・・・・
当直の医師の診断を受けて其の儘入院となりました。
救いは昨年程、酷くは無くて、昨年のの様な『閉鎖病棟』でないこと。
閉鎖病棟での彼女は見るも哀れ・・・
病気とは云えこれが私の妻かと思うほどでした。
毎日の見舞いも行っては自分の方が辛くなって苦しくなって
私もその看護の仕方に腹が立って・・・・
「人間らしく対応して呉れ」と何度彼女らに怒鳴ったことやら
本当にこんな病気は見ていて辛いんです。
今夏は未だ少し昨年よりマシかなぁ・・・・
病院では昨年の時みたいに暴れることもなく
当直の医師の質問にも答えていました。
「身長も計りますね」
「ワタシ1メートル51センチ・・・」
身長計に乗ったら・・・1メートル42センチ・・・・
見ていても背丈が縮んだなぁと思っていたのですが
何時の間にか10センチ程も縮んでしまって・・・・
余計妻が哀れに思えて来て・・・・
宿直の医師曰く
「生殖機能が無くなって生きているのは人間だけですよ。他の動物も植物も生殖機能が無くなったら死んでしまうだけ。。。。
それを生きるとは何かと考えているのは人間だけなんです。
背丈が縮んでしまう位ですんでるのですから・・・・」
説得力があるような無いような話に妙に納得したものでした。
2、3日で落ち着いたら退院と思っていたけれど
『躁状態』とかで1、2ヶ月の入院みたい・・・・・
でも妻は毎日みたいに「ワタシ退院するから・・・・」と何回も電話が掛かります。
そして電話で云われるものを持って病院へ・・・・
何してるのかなぁと思う私。
今、其処まで思考能力がない妻。
でも夫婦。
「私等夫婦なんやし。。。。。」
そんな妻の言葉が重たくのしかかります。
若しも妻のこんな病気が治るのなら・・・
何でもしたい・・・心の底から思います。