30℃を超える日の午後
暫く畳の上で横になっていた母が起き上がり・・・・・
玄関から庭先へ廻った。
 
取り立てて気にするほどの事もなく見ていたら
何処から引っ張り出したのか
帽子を頭に載せてのババ・シャツ一枚。
 
庭隅にある座布団を引っ張り出して、
鎌を手にの草刈り・・・。
『あ~又か~』
 
「ばあちゃん、草取するんか?」
 
「うん、草の根っこが強くて・・・・・」
 
そして古いボールの中へ刈った草を少しずつ入れて・・・
『こんな暑い日にしなくても・・・・・』
 
「ばあちゃん、今、水持って行くぞ」
冷蔵庫から慌ててスポーツドリンクを持って
一緒に庭で草取りを始める。
汗が落ちて庭の土にしみ込んでいく
 
 
「ばあちゃん、いい加減において氷水でも食べに行かんか?」
「暑いねぇ、そうしょうか」
冷たい氷を入れた水でしぼったタオルで
 
顔から、首、手から皆な拭いて
「あ~気持ちいい・・・・」
「ばあちゃん、儂、向こうむいてるからシャツ着替えんか」
 
縁側の戸は全開。クーラーはフル回転・・・・
それでも何かブラウスを着て、バックを持って
 
「わたし、何処行くんやった?」
「さぁ、何処やったやろ」
「病院なら行かんよ」
「病院?そんな筈ないやろ・・・冷たいもの食べに行くんやろ」
 
 
納得した様な顔で車に乗って来る。
 
夕方のヘルパーさんには
母のシャワーか何かをお願いしなければなんて思う。
 
 
食堂で食べれば『氷水』
喫茶店で食べればもっと名前も違ってくる(笑)
 
「頭の中まで冷たくなって来るねぇ」
 
先ほど『病院は嫌だ』と云っていたけれど
 
ビョウインでなくてビヨウイン
美容院へ行って髪のセットは頼んで来なくてはいけないだろうな。