人も通らない、車も走ってない林道。
 
そんな林道を春の陽光を浴びながらチンタラチンタラ走っていたら
谷底の付近、
山間から一杯の陽が射している処・・・・
んな処に車が一台停まっていました。
 
その脇を通りぬけると
ガードレールの外側の斜面にお爺ちゃんが座り込み、
道路脇にはお婆ちゃんがナイロン袋を下げて立っていました。
そしてガードレールには杖が立懸けられて・・・・・・
 
そう、
こんな時はまず笑いながら・・・・
 
「どうかされましたか~」
 
「いいえフキノトウをとっているんですよ」
 
「採れましたか~」
 
「うーん、こんなのばかり・・・」
 
それはもうトウがたっているような15センチはあるようなフキノトウのお化けでした。足が悪いのか斜面に滑り落ちそうな格好で
座り込んでいるお爺ちゃんが
2本ばかりそんなフキノトウを見せてくれました。
 
「こんなススキの陰に生えているのは柔らかいんだ」
なんて言ってましたが・・・
 
「へぇ~、そうなのですか~」
 
「儂はもう80になるんやがもう60年も70年も昔のことが懐かしくてな、
こうして採りに来ているんじゃ」
 
「昔はな、こんなものしか食べるものが無くて
親に連れられて、採りに来たもんじゃ」
 
 
「これ、油と味噌で炒めると美味しいですよね」
 
「そうなんじゃが、儂は味噌に味醂を
混ぜてそれに漬けておくんや」
 
傍にナイロン袋を下げて立っていたお婆ちゃんは
お爺ちゃんの話し相手が出来て嬉しそうに笑っていました。
 
やがてお爺ちゃんは立ち上がり・・・
長靴を履いたままひょいとガードレールをまたいで道端へ・・・・
『なんだ、元気じゃない・・・・』
 
道端に立ったお爺ちゃんとお婆ちゃんは
それからいろんな山菜の事を話しだしました。
遠い昔、親と一緒に山菜摘みに出かけてきたこと、
そして食べ方・・・
 
「野ゼリがが良く分からなくてな、
ほらこの前食べて死んだのがいたやろ。。。」
 
「こんな日当たりの良い所にはセリは出ませんよ、
もう少し日陰の綺麗な水が流れて来る処・・・」
 
 
「もう少し私の来た方向へ行くと桜が綺麗ですよ」
 
「婆さん、帰りはそちらへ行くか・・・・」
そんな会話で別れた老夫婦。
仲がよさそうで
少しは話がちぐはぐなお爺ちゃんでしたが
お婆ちゃんがしっかりとサポートしていたようです。
 
僅かの時間の立ち話、
でも話かける事が出来て良かった、
話を聞くことができて良かったなんて思っています。
 
 
子供らと別れ、何時かは夫婦だけになっての山遊び、
 
多分今日のご夫婦はお爺ちゃんの我儘で来たのだとは思いますが
それに同行してきたお婆ちゃんも立派です。
して懐かしそうに昔のことを話し出したお爺ちゃんも立派。
 
 
 
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そんな2人と別れてすぐの竹林、
ウグイスの声も聞けて
竹林の向こうに見える春の光も眩しく感じてしまいました。
 
 
そんな光る竹林の竹を切ったら・・・
 
中からかぐや姫?
 
そんな事はあり得ませんけれど・・・・
 
 
でも・・・ひょっと・・・ひょっとしたら
あの老夫婦は「竹取物語」のお爺さんとお婆さんだったかも