母と馬鹿話をしていたら
 
フッと
「おまえ、臍の下の火傷、どうなっているか見せてみんか?」
と云いだした。
???
 
「ダラ~、そんなもの見せれる訳ないやろ~」
(ダラ、当地では馬鹿と一緒です)
 
臍下の小指の爪程の火傷の痕。
それは・・・
小学6年生位だったころ寝小便をして、
叱られて・・・・
マッチの炎を消したマッチの棒で
熱いお仕置きを受けた痕です。
 
 
やっぱり母もそんな事を覚えているのですね。
母も気にしているのかもしれません。
「○が生えているかどうか気になって・・・」
自分で見た事ないし知らんわ~」
 
パンツ下げて見せれるか?ばあちゃん
変な会話をしている親子。
 
けれどなんでって思うけれど寝小便をしたのは事実だし・・・・
そんな事云われなかったら思いだしもしなかった・・・・
 
 
よく叱られたものです。
高校時代鏡台の前で化粧している母の傍でぐずっていたら
パシッとヘヤーブラシで頬を叩かれました。
それも裏側でなくてブラシの方・・・・
鏡を見るとブラシの痕が点点点・・・
 
そして其処から血がにじみ出て
『お岩さん』みたいに。
それでも学校へは行きました。
 
 
それでそんな事は母は忘れていて
その火傷の痕だけ・・・・やっぱり後悔しているのかも・・・・
 
 
 
孫の上チビが先日云いました。
 
「○○ちゃんはまだ夜にオシッコ漏らすんだよ~」
下チビが何とも照れくさい情けない顔をして傍に居ました。
「○○ちゃん、おじいちゃんなんて6年生までオシッコ漏らしていたから
恥ずかしまないよ、今に出なくなるよ。
寝る前にしっかりしておけば大丈夫だからね」
 
下チビの安心したような顔
 
 
母の傍で黙っていても仕方が無いから
馬鹿話ばかり・・・
兄弟や人の噂話をしてみても仕方ないし
 
馬鹿話ばかりして・・・笑って・・・・
それも介護。
 
 
今更、母と2人で折り紙細工でも塗り絵をしても仕方ないし・・・・
そして炬燵の上の新聞に織り込まれた広告の裏に書かれた
『兄が年金を持っていっている』
とか
『社会保険事務所へ行くこと』
なんてメモを母の目の届かぬようにゴミ袋へ棄てているのも介護。
 
 
遠くから心配しているのも介護かもしれないけれど、
掛け声ばかりの絆と同じみたいに空しく思う。
 
一緒に笑って泣いてそれで良いのかと思う。
 
ただ傍に居て痒いところを掻いて
熱いお茶を飲んで煙草を吸っているのも
介護かもしれない。