日曜日の夕方と云うより夜
ショートスティの帰りもう外は暗くなっている。
私も夕食を終え、
護施設で母も夕食を終えているから
まっすぐ家に帰らなくても良い訳である。
 
 
 
                            寒い朝、通学路の標識も凍ってしまって
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少し廻り道だけれど
街中を通って母の知っていそうな道を選んで走ってみる。
 
少しでも母の記憶力、理解力を
確かめておきたい気持ちもある。
 
「ばあちゃん、この道は知っている?」
 
「ここは○○町・・・」
「ここは××町・・・」
 
「おやっ、このお店はまだやっている・・・・」
何処となく楽しそうである。
 
 
 
 
きっと何十年か前に
あの重そうな保健の書類の入ったカバンをぶら下げて
暑い日も雨の日も
バスを乗り継ぎ歩いた街角。
そんな記憶の街並みが甦っているのかもしれない。
 
でも未だにあの当時が辛かったと云う
口説きも、愚痴も聞いた事が無いのが不思議である。
 
 
 
それでも狭い街中、
遠回りしたつもりでも30分も走ればもう母の家である。
 
最後の角を曲がると
 
「あ~家が見えてきた。ほんとに長いこと入院していた。
もう・・・
入院なんかしないぞぉ。
やっぱり家が1番好いわ・・・・・」
 
「ん、????・・・・」
 
ショートスティなんて言葉をも知らぬ
母の頭の中では当然のごとく入院だろうけれど
たった一晩のお泊りがそんな具合になっている。
愕然とするようで何となく納得している私。
 
 
 
玄関の明かりも外灯もつけてある。
家の中が寒いと大変だから、
昼過ぎにはエアコンを入れ
炬燵もアンカも入れてあるからぽかぽかとしている。
 
そんな部屋の中で幸せそうな顔をして
お茶を飲んで暫くの雑談をして・・・・・
 
 
「ばあちゃん、帰るよ・・・・」
 
そんな日曜日の夜。
さて今度の土曜日には・・・・・
嫌がるのか、徐々に慣れて来るのか
母にも私にも分からない。
 
手探りで進む在宅介護。
 
 
ヘルパーさんにもケア・マネさんにも相談もせずに
希望も云わずに
もっとも何が何だか分かりもせず
何が対象になるのか知ろうともせず
ただ云われた通り母の傍にいる。
 
 
戸惑う事ばかり歩いているのか躓いてばかりなのか
多分他人から見れば
危なくて見るに堪えないのかも・・・・
 
それでも好いじゃない・・・ね、ばあちゃん。