今朝の新聞の山間部での屋根雪下ろしなどを見ていて
街中では屋根の雪下ろしを見なくなったことに気づきました。
 
今年は大雪だと云ってますが
一昔前は冬の風物詩だったのかもしれません。
 
昔、子供が小学生の頃、妻の実家は加賀の山中温泉に有って
街中で小さな温泉旅館をしていました。
前面は県道で冬には月に数回除雪車が入ります。
義父から屋根雪がスコップの柄が隠れるようになると
婿殿達に応援要請がかかります。
 
小さいとは言え、木造三階建て、平面で三百坪、屋根の面積はやがて五百坪。
切妻作りですから屋根の雪は隣に落とす訳にはいかず
前の県道まで屋根の上を運ばねばなりません。
 
前夜に着いて中庭に下屋根までタル木を何本か立てかけます。
そしてそのタル木にヌキ板を細かく縄で縛りつけます。
その準備に三時間。
他の婿殿達は次の朝からの出動ですから
その晩は長女の婿さんと義父との二人での作業です。
疲れるも何もない妻殿の実家ですからもう働き通しです。
 
さて次の日は二階の洗濯干し場から脚立をたてて
三階の屋根への登り口の雪を下ろして足場を確保します。
一人一人屋根に上がってスコップ、ママさんダンプを手にして・・・・・・
建物の奥の方の雪の半分は昨晩補強した中庭へ落とし
後は前面道路までママさんダンプを滑らせながら運んでいきます。
 
屋根の雪は瓦から三十センチ程残さないと
足が滑って下まで落ちてしまいますから細かい注意も要ります。
そして何時の間にか屋根の上には
ママさんダンプの通る道が何本かついてしまいます。
 
実家のかつてのお嬢様がた四人、
婿殿四人の総勢八人が蟻の行列みたいにひたすら
長さ五十メートル程の長さの屋根をへっぴり腰で雪運びをします。
そのうち身体も温まり、下着一枚になってしまいます。
作業が終わるまで四時間余り、
熱いいなりうどんを食べて次は近所の二番目の婿さん宅、
これは小さいですから一時間ほど、
車で移動して四番目の婿さん宅、
此処も一時間、
疲れた疲れたと嫁さん宅で温泉に使ってビールを飲んで一眠り。
 
そして向かいのお店屋さんも お隣さんの屋根雪も
全部前面道路に落ちて車も通れなくなった夜、道路に除雪車が入ってきます。
 
毎年の恒例行事でした。
今ではその敷地に銀行さんが建っています。
 
あの頃は婿さんも嫁さんも皆若かったですが・・・・
 
 
 
五箇山相倉集落での茅葺屋根の上での雪下ろし風景。
小父さんの姿からすると積雪は二メートル位でしょうか?
屋根の雪は高い処から削らないと自分が屋根の雪と落ちてしまいます。
屋根の高さは八メートル位でしょうか。
イメージ 1
 
 
もっと若い頃、そう、学生時代。
我が家の屋根に雪下ろしに独りで登りました。
スコップ一本で足元を固めながら・・・・半分程終わった頃でしょうか。
急に足元の雪が滑りだしました。
屋根雪と一緒に下までドスン!。
 
若かった所為か反射神経も今ほど鈍っていないですから
スコップは先に他所の方へ投げ出し、
着雪と同時両手は横へ伸ばして・・・・雪に埋まるのは胸までです。
手を伸ばさなかったら…たぶん頭まで雪の中だったでしょうね。
それでも廻りは雪で身体は動きませんから
「オーイ、落ちたぞー」
 
何れにしても屋根の雪下ろしは若いうち、
そして滑りだしたら何処へ落ちるかを考えて屋根へ登れと云われます。
 
杭の上に落ちたら・・・・串刺しになってしまいます。
 
屋根の雪下ろしで落ちて『串刺し』になったと洒落にもなりませんね。
落ちた処がブロック塀の上で骨折と云うことも有ります。
この季節道を歩いていて、屋根雪が下に落ちて来ることも有ります。出来れば道の真ん中を歩いて軒先を歩くことは避けましょう。