次の日の朝事務所の鍵を開けたかどうかの時である。喧しく鳴っている電話に出ると突然
「この寒いのに私一人ほっておいていいんかいね」
思わずクッときてなんだかんだ言ったけれど思わず漏らした禁句。
「俺だけに言ってないで他の連中に言えば・・・・」
「そんなに怒らんといてね、あんたに怒られると私・・・生きていけなくなるがいね」
「あのねばあちゃん、今から仕事だから、後でまた行くから」
思わず大きなため息をついてしまう。
ブラインドを開け、エアコンのスイッチを入れて、コーヒーを入れる。事務所のホームページの開設まで後十日あまり又慌ただしくなるなと思っていたら又電話。
「あのね、私のお金をね、長男が持って行って使っているみたいよ」
またばあちゃんか。
「分かったよ、後で銀行で調べてくるから」
「後でまた来てくれる?」
「う、うん、後でまた行くからね」
「社長、電話です、お母さんから」と事務の女性。
「あのね、ハンコがないの。又長男が持って言ったらしいの」
「ハンコなら俺が持っているよ。後で行った時又見せてあげるからね」
「いつ頃来れる?」
「もうしばらくしたら行くから、少し待ってて」