自分の感覚では、ICUに入るほど重体とは思っていなかったので、そんなに悪いの?というのが最初の感想だった。
右腕に、動脈圧測定のためのルートと、点滴用の静脈ルート。
左腕に、輸血用のルート。
胸には心電図の電極が貼り付けられ、指にはパルスオキシメーター。
酸素マスクと尿道カテーテルに、まだ生理の出血があったので、紙おむつ。
そして言い渡された、絶対安静。
寝返りはもちろん、膝を立てるのも禁止だった。
本当に重病人。
入院した時の療養計画書を見ると、8月の時には症状が、「呼吸苦」だったのに、この時は「呼吸困難」に格上げされていた。
入院時の動脈血の血液ガスの検査で、pO2が42.3、pCO2が27.8、Hb7.4で低酸素血症になっていた。
先生に、意識がハッキリしていて、ICUはきついと思うんだけど、しばらくはここで・・・と言われた。
何がきついかって、ICUって、まず、夜になっても基本的に自分の上の電気しか消えないので、カーテンは閉めてあっても、かなり明るい。
いろいろなモニターが付いているので、常に何かしらの機械音がしている。
不整脈が出ると、ブザーが鳴るんだけど、それが自分で脈が飛んだのを感じた一瞬後に鳴る。
最初のうち、頻繁に不整脈が出ていたから、しょっちゅうブザーが鳴っていた。
そのうえ、自分の所だけでなく、他の人のブザーも聞こえるから、ほんとにうるさい。
それに、常に看護師さんが近くにいる。
監視が必要だからICUなんだけど、常に人が傍にいるのは、なんか落ち着かない。
ずっと付きっきりと言う訳ではなかったけど、昼間は、30分以上誰も来ないなんてことはなっかた。
カーテンは付いているけど、基本、夜以外は開けてあるので、人の動きがよく分かる。
携帯は使えないし、点滴のせいで時計も出来ず、時間が分からなかったんだけど、看護師さんが、ラジオをつけてくれた。
時報が頻繁に入るので、とてもありがたかった。
それも、イヤホン仕様ではなく、普通に音を出してだ。
逆に考えれば、他の人はラジオがかかっていても、気にならない状態ということ。
それはそれで、何とも言えないものを感じた。