3 医療・福祉の充実に向けた取組について
(3)「こども誰でも通園制度」を踏まえた保育士の確保対策について
(筆頭副団長)
「国が示す「こどもまんなか」社会の実現に向けた「保育政策の新たな方向性」や、月の一定時間まで就労要件を問わずに保育所等を利用できる「こども誰でも通園制度」が令和8年度から全市町村で本格実施されることを踏まえると、県としても、さらに保育士の確保を図る必要があると考える。
そこで、この神奈川県で保育士として就労していただく人を増やすために、県として、どのように保育士の確保対策に取り組んでいくのか、見解を伺う。」
(黒岩祐治知事)
「次に、「こども誰でも通園制度」を踏まえた保育士の確保対策についてです。
県ではこれまで、国家戦略特別区域法に基づく地域限定保育士試験による新規保育士の確保や、「かながわ保育士・保育所支援センター」による潜在保育士の復職支援を進めてきました。
また、今年度からは県独自の家賃補助制度の創設や、保育補助者の活用を促進するためのキッズサポーター制度の導入を通して、現役保育士の就業継続の支援にも取り組んでいます。
県内で就業する保育士は、令和5年度には平成30年度と比べ、1万人ほど増加し、約4万人となりました。しかし、依然として、現場からは保育士不足の声が上がっています。
また、令和8年度からは、新たに「こども誰でも通園制度」が全市町村で実施されることから、保育人材の確保を、より一層進めていく必要があります。
そこで、県では、保育所による採用活動を後押しするため、「かながわ保育士・保育所支援センター」の支援機能の充実を図っていきます。
また、保育士以外でも「こども誰でも通園制度」に従事できる子育て支援員の養成研修を実施し、保育人材の確保に、しっかりと取り組んでまいります。」
(筆頭副団長)
「県は保育士確保に向けて様々な取組を行うとのことだが、地域限定保育士試験については、法改正により、来年度から新たな制度となると聞いている。
どのような課題があり、それに対してどのように具体的に取り組んでいくのか、伺う。」
(黒岩祐治知事)
「新たな制度となる地域限定保育士試験の課題及びその対応についてお尋ねがありました。
今般の制度改正により、全国で地域限定保育士試験が実施可能となったことから、本県が実施する試験の受験者数が減少する懸念があります。
また、これまで実施していた本県試験の合格者のうち、実際に県内で保育士として就業する人の割合が、約4割に留まっていることも課題です。
そこで、県では本県試験の受験者数の確保に向けた試験の実施方法等の工夫や、合格者の県内就職につながる効果的な仕組みを検討し、保育士確保に、しっかりと取り組んでまいります。
(筆頭副団長)
「保育士は、責任の割には、給料が低いと言われている。国も、保育士の処遇改善のための支援などを行っているが十分とは言えない状況である。
県内各市町村では、保育士として就職してもらうため、国の処遇改善費に上乗せする形で、保育士への支援を行っているが、財政規模により差が出ている。
県では独自の処遇改善は国全体で取組むべきであるとして実施せず、処遇改善以外の保育士確保対策を実施しているが、依然として保育士不足は解消されていない。
財政的な課題があることは承知しているが、保育士の県内就職につながるよう、県内一律の処遇改善の取組を実施していただくよう重ねてお願いする。」