邪馬台国の風景
山田君が目を覚ますと、そこは小高い丘の頂上でした。
ちょうど朝日が昇って来る時間ですので、朝である事はわかります。
隣で天真さんがまだ寝ているので、体をゆすって起こします。
「フニャフニャ、まだ眠いよ。」天真さんも目を覚まします。
「山田さん、ここは何処?」
「思い出して、ここへ来る前に説明を受けた訳の分からない内容
あれは本当だったのだろうか?」
「本当なら私たち冴子先生の頭の中にいるって事でしょう。」
「それも深層心理の部分で、卑弥呼が生きていた時代、つまり弥生時代の
どこかの風景ってことだね。」
そして、ちゃんといつもの服装も来ています。
何故か手元にはスマホもあります。
丘の下の方に建物があって煙が出ています。人が住んでいるようです。
「山田さん、弥生時代って、邪馬台国の卑弥呼ってどんな人?
私歴史が苦手で良く知らないんだけど」
「遠く離れた中国の歴史書「三国志」の一部に「魏志倭人伝」と云う章があって
2世紀位の日本について紹介してあるんだ。
その中に、邪馬台国があって、卑弥呼が倭国、つまり当時の日本の女王に選ばれた。
237年、卑弥呼は、当時の中国 魏 へ貢物を贈って
そのお礼に「親魏倭王」の金印や沢山の鏡など貰っているんだ。
だけど、248年に突然、亡くなってしまったと書かれているんだ。」
「ふ~ん、その卑弥呼さんのDNAが冴子先生と同じって事は双子みたいにそっくりという事ね。」
山田君が説明していると、誰かが下の茂みから二人の方へ歩いてきます。
そして、「貴方達は冴子さんの時代の方ですか?
今からヒミコ様の所へお連れしますので、私に着いてきてください。」
(ヒミコ様。、あの邪馬台国の女王でしょう。私たち本当に弥生時代にいるってことだよね。」
二人は後に続いて、茂みの中を歩いて降りていきます。
茂みをでると、見えていた村の裏口に出ます。
中へ入ると、大勢の人が集まっています。それも女性ばかり。
「しばらくあの建物の陰に隠れていてください、儀式が始まります・・」
二人は指示された場所に隠れていると、高い建物の下に人々が集まります。
一人の女性が高台に出てきて鏡を取り出し、朝日の光を人々の方へ反射させます。
何の意味があるのか理解できない言葉で人々に何か指示しているようです。
・・・
一通りの朝の儀式が終わると人々はそれぞれの建物へ戻っていきます。
一人の男性が建物から出てきて、正面の大きな門から出ていきました。
「山田さんも天真さんも出てきてください。」声をかけます。
二人が姿を見せると速足で、集落の中央にある大きな建物へ進んでいきます。
集落の中では、煙を出している建物があります。
鉄か青銅の鋳造も行っている様です。
他にも畑があり、猪のような家畜がいます。
一段と高い建物が、女王の館です。
その奥では、機織の女性たちが働いています。
他の建物ははしごですが、女王の建物の中には階段があり
2階、3階と上へ上がれます。
「女王の部屋は最上階です。ここから先は二人で上がってください」
「ありがとうございました。ところで貴方のお名前は?」
「難升米(なしめ)申しまます。」
「難しい名前ね。また何かあったらお願いします。」
二人は階段を上がっていきます。
「なあ、お前、難升米さん知らなかったのか?
卑弥呼の貢物を皇帝に渡して、例の金印などを持ってきた人だよ。
難升米さんは、銀印と大陸で高い位ももらったんだよ。」
「え~、そんなすごい方だったの、だったら早く教えておいてよ。」

