「ミクソーマ(兎粘液腫)という、ウサギがかかるウイルスだ。
この一帯のウサギが集団感染したんだな。
苦しくて穴の中から出て来たのがそこら辺にたくさん死んでるよ。
ほら、あそこにも、あそこにも。
猛禽(もうきん)類も、この死骸を食べようとしない。
病気の匂いを嗅ぎつけるんだ。」
LINEに夢中で気づかなかった。
お陽様ポカポカ、のどかな風景だと思いきや、
このクローバー畑はウサギの死体だらけだったのでした。
みんな目が潰れて、周りが赤くただれています。
それは無残で異様な光景でした。
ウィキペディアで調べてみると、
「症状は発熱、結膜眼瞼炎、鼻、耳、肛門、生殖器周辺の粘膜と皮膚の境界部皮下に
ゼラチン様腫瘤を形成する。死亡率はほぼ100%であり、発症後2週間前後で死亡する。
治療法はない。」とある。
むごい・・・。
コロナで騒いでる時に、これってなんか・・・。
さよならの時の静かな胸
ゼロになるからだが耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街もみんな同じ
(「いつも何度でも」より)
やるせない展開になり、なんだか「千と千尋の神隠し」の歌が頭に浮かんできて、
繰り返し口づさんでいました。
まるで弔いの歌のようです。
すると今度は、父からLINEが入りました。
「頼まれた化粧品を、昨日やっとお母さんが郵便局で手続きして来ました。
今コロナの影響等で相当混んでいたり、中身の件でうるさくなっているらしいです。
送るものの内容を英語で書いて下さいってことで、大変でした。」
うわ〜申し訳ない。
欲しかったスキンケア・セットが日本国内のみの販売で、
良く考えもせずに実家に届くようネット注文、
「届いたらこちらに送って」と事後報告、親をパシる。
郵便事情も、以前と違ってネットで調べてくださいという風潮らしく、
せっかく梱包してくれたのに、
アルコールが2%以上入っていないか確認しなきゃいけないわ、
内容物もひとつひとつ英語表記しなきゃいけないわ、でまた開封するハメになったり、
郵便局と家を行ったり来たりして、すっかり肩が凝ってしまったとのこと。
「”ぐーぐるでけんさく”したら分かると言われたよ。」という母だけど、
喜寿を迎えた母には何のことか分かるはずもなく。
お年寄りは混乱するだろうな〜。
だんだんそういう世の中になってきたか〜、
私もそのうちついていけなくなるかも・・・と不安がよぎる。
とにかく、私の頭の中は実家を出た時と変わらず甘えっぱなしの娘のまま。
何も考えずに、何か欲しいものがあったら手に入れようとしているけど、
これからはもう少し考えよう、
色んな人にお世話になりながら生きているんだなあ、と改めて思いました。
両親が健在でいてくれることのありがたさ。
思いつきで頼みごとが出来た日々を切なく、懐かしく思い出す日はそう遠くない。
姪っ子に送ったネックレスは、3週間かかってやっと着いたらしい。
コロナ前は5日もかからなかったのに。
ネットのお陰で日本が近くなったもんだと思ってたけど、
日本〜イギリス間のフライトも減り、郵便物がこうも遅いと、
イザという時にすぐに帰れないんじゃないか、
やはり地理的にはかなり遠いんだなあ、と実感したりして。
気持ち良く始まった朝から、ちょっぴりメランコリックな午後になりました。
目に見えている現実には、見えない層があって、
明と暗、光と闇が共存している気がします。
暗や闇にも学びや恩恵が隠れているとはいえ、
どちらに同調するかといえば、
やはりなるべく明と光にフォーカス、
ボルテックスに入ることを意図的に選べるようになりたい、
と思った1日でした。