四半世紀前の常識、今では… | 北海道地区学生会@法政通信のブログ

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オミクロン株の感染状況が全国的に広がっています。

単位修得試験が近くにありますので、試験前、試験当日の感染対策は徹底しておきましょう。



さて、ネットニュースなどで

「大手企業の●●では、50歳代の新規退職者を数百人募集」

といった内容を目にします。


この年代の人は、概ねバブル経済のときに入社した人たちで、定年前に自分がリストラの目に遭うとまったく思わずに入社したはずです。

この頃は、財務諸表だけでなく、新卒一括採用における採用人数も企業のステータスとされ、「人手不足倒産」まで起きたほどでした。


90年代に日本のバブル経済(土地神話)が終わり、その後はアジア経済が崩壊し私たちの世代が大学卒業を迎える90年代終わりから「就職超氷河期」という言葉が出てきます。

一方で、アメリカはバブル経済に入り、日本企業の労働者はもちろん就職活動を迎えた学生たちは、英語を学ぼうとします。

「英語とパソコンは必須能力」と言われ、TOEICの受験(TOEICのスコア600達成を目標に)ブームになり、英会話教室やパソコン教室へ通う労働者が多くなります。アフター5の「駅前留学」が流行りました。


文系私大も外国語や情報(ビジネス系)関連の学部の進学が人気になり、とくに私立大学の情報系学部学科が増えたのもこの時期で、2003年度には高校の教科「情報」が始まります。

アメリカのバブルから10年ちょっとでリーマン・ショックが起きて、世界経済が深刻なダメージを受けます。

数年後、日本で東日本大震災が発生してしまい、日本の労働者を取り巻く経済環境はさらにひどい状況に陥ってしまいます。


そうした経済情勢の中、中国の経済が成長を果たし、日本経済も中国をはじめとした外国からの観光客をたくさん迎え、「インバウンド」「爆買い」という言葉が出る程、流通業や外食を中心に日本経済は刺激を受けて活性化します。

新型コロナウイルスの問題が日本で発生する2年前の今時期は、札幌の中心市街地は日本人より外国人の団体観光客のほうが多いくらいで、こうした業界では労働者の求人をよく見かけました。


新型コロナウイルスの緊急事態宣言により、外出自粛による休業やリモートワークが増えてしまい、これが労働・雇用問題へ繋がってしまいます。


先ほど、大手企業の新規退職の募集の話をしましたが、こういった業界や業界で務めている人の大半は、経済環境や社会環境をはじめとした変化か進化に対応できない、しきれない業界や労働者です。

昨年秋、プロ野球のオリックスが四半世紀ぶりに優勝しましたが、この頃と言えば、自室にパソコン(ウインドウズ95、または3.1が主流でした)や初期の携帯電話がない学生が過半で、大学・短大へ入学した1~2年生対象の情報処理の授業は、「Word」と「Excel」の初心者向きの課題の作成・提出のレベルでした。

今では大学1~2年生対象の情報処理の名前の付いた授業で、このレベルの事はやらないはずです。


英語も、90年代の大卒者の新人ビジネスマン、ビジネスウーマンの一般的な英語力の平均レベルが「英検準2級合格程度」と言われていましたが、今は凖2級ではなく、2級です。


野球の投手でも、半世紀前は高校生が150キロを投げる投手が出てくると騒がれて、ドラフト1位指名が確実視されていましたが、今は急速を測定するスピードガンの性能も良くなった事もあり、「甲子園で150キロを投げる高校生」の出現と聞いても、驚かなくなったでしょう。


先の「駅前留学」や「爆買い」「インバウンド」という言葉が最近聞かなくなった様に、労働・雇用環境も、四半世紀前の常識、10年前、数年前の常識が通用しなくなっていきますので、数年後、10年後、四半世紀後にまで起きる変化や予測(もちろん外れる事もあり得ますが)をしながら動いていかないと、今は通用しても、10年後、数年後には陳腐化して使えなくなって大騒ぎする目に遭うかも知れません。


2009年頃に新型インフルエンザ問題が出てきましたが、今は新型と言えず、2年前に新型コロナウイルスが世界的に蔓延しても、やがて新型でなくなる反面、数年後には世界を混乱させる規模の新たなウイルスが出て来る事も考えられます。


ウサギとカメの話の話ではありませんが、胡座をかいてジーっとしていては、遅れを取ってしまうと思います。
定年前に突然リストラに遭わないため、たとえリストラに遭ったとしても次の手段を備えて置かないと、時代の変化に対応できていると言えない気がします。