北海熊の独り言

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【WRC】トヨタWRCの2026年カラーは鮮烈レッドに

WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは1月6日、公式SNSにて2026シーズンで走らせるトヨタGRヤリス・ラリー1のカラーリバリーを公開。2025シーズンは黒を基調とするカラーリングが採用されていたが、今回公開されたカラーリングでは赤の部分が多くを占める鮮烈なデザインとなることが明らかになった。

 2025シーズンは14戦中12勝を飾り、ドライバーズ、コドライバーズ、マニュファクチャラーズの全3タイトルを総なめにする大勝を収めたTGR-WRT。1月末に迎えるモナコ・モンテカルロの開幕戦からは、新たな装いのGRヤリス・ラリー1とともにシーズンに臨むようだ。

 今回公開されたカラーリングは、フロントマスクが朱色に包まれ、サイドからリヤにかけてはホワイトとブラックが加わって引き締まったデザイン。カッレ・ロバンペラが抜けた代わりにオリバー・ソルベルグが加わり心機一転のラインアップとなるTGR-WRTは、紅白のGRヤリス・ラリー1とともに2026年の戦いに臨む。

 日本版のTOYOTA GAZOO Racing公式Xの投稿によると、この鮮烈なレッドリバリーのGRヤリス・ラリー1は、1月9~11日に千葉の幕張メッセで開催される東京オートサロン2026で一般公開されるとのことで、世界中の公道で頂点を競うTGR-WRTに声援を送りたいラリーファンはぜひ足を運んでみてほしい。

 

 

 

 

【ダカール】STAGE 3 : フォードのミッチ・ガスリーがステージウインとともに総合首位浮上

中東サウジアラビアで開催されているW2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2026』は1月6日、421kmの計測区間を含むステージ3が実施され、フォード・レーシングのミッチ・ガスリー(フォード・ラプター)がトップタイムをマークし、4輪部門の総合順位でも首位に立った。

フォード勢がペースアップし上位独占

 3日のプロローグを皮切りに今年も開幕したダカールラリー。今大会は、試走ともいえるプロローグでフォード勢が好走を見せ、開幕以降はミニ、ダチア、トヨタと異なるブランドがステージウインや総合リードを手にする展開となっていた。しかし迎えたステージ3では、これまで中団で鳴りを潜めていたフォード・ラプターが躍動。ステージ中盤では5台のラプターが上位を独占する活躍を見せた。

 そのなかでもトップタイムを争ったのはマティアス・エクストローム、ナニ・ロマ、ガスリーというワークスチームの3人。そこに僚友カルロス・サインツとプライベーターのオーレン・ジポカー・チームで走るマーティン・プロコップが加わり、5台のラプターが揃って好走を披露してみせた。

 序盤から中盤ではエクストロームとロマが先頭を競い、後半からはガスリーがさらなる好ペースを見せる展開となり、2分27秒リードのトップタイムを刻んだ。そして2番手につけたのはプライベーターのプロコップとなり、一方でロマ(6番手タイム)やサインツ(7番手タイム)、エクストローム(9番手タイム)は出走順の管理のためかトップ10圏内でのフィニッシュに落ち着いた。

 2台のフォードに続くステージタイムを刻んだのは、TOYOTA GAZOO Racing SAのガイ・ボッテリル(トヨタ・ハイラックスGR)で、以下4、5番手にはザ・ダチア・サンドライダーズのルーカス・モラエスとクリスティーナ・グティエレス(ともにダチア・サンドライダー)が続いた。

 ステージ3で突如スパートをかけたフォード陣営は、ステージタイムこそワン・ツーのリザルトに落ち着いていたが、総合順位を一挙に塗り替える結果を手にし、ステージトップのガスリーが首位、2番手にプロコップ、3番手にエクストローム、4番手にサインツ、5番手にロマとトップ5を独占した。ガスリーとしてはステージ2終了時点の14番手から一気に首位へとジャンプアップ、ラプターとしては全台が5分以内の差に収まる安定感で上位に並ぶなど、ポテンシャルの高さを見せつけた。

 フォードブランドに続く総合順位につけているのは、ダチアのモラエスとグティエレス。さらに興味深いのは総合8番手につけてみせたセンチュリー・レーシング・ファクトリーチームのマシュー・セラドリ(センチュリーCR7)だ。ステージ3でセラドリは8番手タイムを刻み、センチュリーにとって今大会初のトップ10フィニッシュを収めた形だ。

 ステージ3で3番手タイムとなったボッテリルは、これまでのタイヤトラブルによるタイムロスが影響して総合17番手に位置している。トヨタ勢のなかでステージ3終了時点でもっとも高い順位にいるのは、南アフリカチームのサオード・ヴァリアワ(トヨタ・ハイラックスIMTエボ)。ここまで上位タイムを刻むスピードこそ見せていないが、安定したタイムを刻みながら少しずつポジションを上げてきている。

 前日のステージ2後に総合首位に立っていたナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)は、大きなトラブルこそなかったものの、出走順の影響からかタイムはステージ19番手に沈んだ。さらに総合2番手から走り出したTOYOTA GAZOO Racing W2RCのセス・キンテロ(トヨタ・ハイラックスGR)は275kmを過ぎたところでトラブルからか数分間ストップ、総合3番手につけていたX-RAIDミニJCWチームのギヨーム・ド・メビウス(ミニJCWラリー3.0I)は246km地点でメカニカルトラブルに見舞われ、こちらもタイムロスを喫していた。

 結果、アル-アティヤは約11分遅れの総合10番手へのダウン、さらにキンテロは約1時間遅れの総合27番手、ド・メビウスは2時間15分遅れの総合60番手までポジションを下げる形となってしまった。

 しかし、上位争いとしてはトップ20までが30分以内の混戦。各ブランドが交互にスパートをかけはじめたことで、ステージ3本目にして早くもタイムバトルの激しさが増してきた様相だ。

 一方の2輪部門については、モンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナとリッキー・ブラベック(ホンダCRF450)がワン・ツー・フィニッシュ。3番手には昨日のステージウイナーである、レッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)が入るタイム結果となった。総合順位ではサンダースが依然として首位をキープ、1分7秒差にブラベック、1分13秒差でシャレイナが続いている。また、KTMで走る注目の若手エドガー・カネットは、ここにきてハイペースのキープが途切れ、ステージタイムは7番手、総合では4番手までダウンしている。

 

【ステージ3でトップタイムを刻むとともに総合首位に立ったフォード・レーシングのミッチ・ガスリー(フォード・ラプター)】

【ステージ3後に総合2番手に立った、オーレン・ジポカー・チームのマーティン・プロコップ(フォード・ラプター)】

【ステージ3で3番手タイムを刻んだトヨタ・ガズー・レーシングSAのガイ・ボッテリル(トヨタ・ハイラックスIMTエボ)】

【ステージ3でトップタイムを刻んだモンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450)】

【ステージ3を終えて2輪部門総合首位に立っているレッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)】

 

 

 

 

 

 

海外メディアが大胆予想「ラッセルが新王者」「ピアストリがエースに」 「ハミルトン&アロンソ引退」

 2026年のF1は、レギュレーションの大幅な変更が加えられる。昨季来の10チームにキャデラックという新参者を加え、全てのチームが一からの歩みを始める興味深いシーズンだ。

 そんな転換点を前に各国メディアが様々な展望を行なっている。そのなかでスポーツ専門局『FOX SPORTS』オーストラリア版の視点は非常に多岐にわたっており、それぞれの話題について明確に「予想」「予言」している。

 まずドライバーズチャンピオン争いでは、同国出身のオスカー・ピアストリが「マクラーレンのエースドライバーになる」と明言する。これまでの対決を数値で振り返りながら「その成長曲線を見る限り、そう遠くない将来にチームメイトで新王者のランド・ノリスを上回る運命にある」と綴った。

 

 

 ノリスについては苦しみながらようやく頂点に立ったことで「“殺し屋”の本能を身につけた」と進化を高評価。「現王者として、ピアストリや他の全ドライバーにとって、より手強い基準点となるだろう」と予想した。いずれにせよ、この2人の対決は熾烈を極め、ゆえにこれまで再三物議を醸した「パパイヤ・ルール」(チームメイト同士がフェアに戦うための内部規則)にも注目が集まると見ている。


  他チームでは、新レギュレーション下での優勢が伝えられるメルセデスのエースであるジョージ・ラッセルのさらなる躍進に期待を寄せる。ラッセルとマクラーレン勢、そして25年に異次元の走りを再三見せて5連覇にあと一歩まで迫ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を合わせた4ドライバーによって、最終戦アブダビGPでの「王者決定戦」が争われるといい、ラッセルが戴冠すると説いた。

 

 

 キャリアで初の表彰台なしという屈辱の1年を送った7度の世界王者、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)の名前をタイトル争いの面々に挙げなかった同局。「キャリアの幸せな最終章を求める旅は限定的な成功に留まるだろう」と厳しい見通しを立てる。ただ、苦手としていた「グラウンドエフェクト」時代に一区切りがつき、新レギュレーションが「電撃的な走りを再び可能にし、そのうちの一度でハミルトンを再び頂点に導く」と返り咲きが限定的になると予想した。

 とはいえ、それがフェラーリをタイトルコンテンダーに導くものとはならず、パワーユニットの開発の問題、チーム内の亀裂が26年も“跳ね馬”を苦しめるという。そしてチームの象徴的な存在であるシャルル・ルクレールを失うという「二重の悪夢」に繋がる可能性も示唆した。

 ちなみに同メディアは、ハミルトン、そしてフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)という2人合計でF1参戦853戦、137勝、9回の世界王座を誇る「偉人」が「少なくともこのうちのひとりはF1を去る。ふたりとも去っても、驚かない」と指摘した。

 レッドブル王朝が終焉を迎え、世代交代の予感も漂わせている現在のF1。1年後、どのような姿となっているのだろうか。

 

 

パット・シモンズ、失った競争心を復活させたキャデラックの“野心的&ファン中心”のF1参入計画語る

 数年にわたり組織の内部からF1の形作りに携わってきたパット・シモンズが、競争の最前線に復帰した。これは、現在キャデラックF1のエグゼクティブエンジニアリングコンサルタントを務めるシモンズが、キャデラックの新しいF1プログラムにおいて、野心と現実主義、そして長期的な考えが稀に見る形で融合していると説明する魅力に惹かれての決断だ。

 シモンズは、ゼネラルモーターズ(GM)の支援するキャデラックのプロジェクトがなぜ彼を再びパドックに復帰させたのかについて、『Autocar』に対し次のように語った。

「パドックに入った時、私は、誰がレースに勝とうがまったく気にならないという本当に奇妙な感覚を覚えた。あれは本当に変だった。そして時がたつにつれて、その競争心が恋しくなっていった」

 その感覚は、F1のチーフテクニカルオフィサー(CTO)の最後の任期中に大きくなった。彼はCTOを務める間、規則の策定に貢献したものの、その重要性からは次第に距離を感じるようになった。規則に関する作業の多くを誇りに思う一方で、シモンズは、2026年の骨組みの一部が自身の哲学とは一致しないことを認めた。特にパワーユニット(PU)の方向性については、「私が望んでいたものとは異なる」という。

 

 

野心的なプロジェクトと、ファン中心の方向性

 そうしたシモンズの背景とは反対に、キャデラックのF1参入案がまさに望ましいタイミングで現れ、すぐに印象を残した。

「提案書を見たとき、私は『うわっ』と思った。実のところ本当に印象的で、非常に野心的だ。十分な資金もあって、非常に理にかなっている」

 シモンズにとって、魅力はブランド主導の派手な演出でも短期的なマーケティング活動でもなく、信頼性と忍耐力を基盤としたプロジェクトだった。キャデラックは永続性を見据えた計画を進めているとシモンズは主張した。

「単なる試み以上のものになる。現実となるだろう」

 チームの構造はその考え方を反映している。チーム運営の中心はイギリスのシルバーストンに置かれ、F1の伝統的なエコシステムのなかでシャシー開発とレース運営を支える。それと同時に、2028年以降に向けたPU開発はすでにアメリカのノースカロライナ州で進行中だ。また、主要な製造と運営の拠点の建設もインディアナポリス近郊で計画されている。

 

 

 シモンズは、アメリカの施設の規模は直接目にするまで実感できないと考えている。重要なのは、キャデラックがそれらの施設をフェンスや秘密保持契約(NDA)の裏に隠すのではなく、開放的で歓迎される場所にしたいと考えている点だと彼は語る。

「我々はファン中心でありたい。F1は非常に隠したがって、特にエンジニアは自分たちが重大な秘密を守っていると思い込みがちだ」

「これまで話してきたこの担保は、ファンによって支えられている。ファンがいなければレースはできないし、スポンサーも大企業の関与も存在しない。すべてはファンの肩にかかっている」

 こうした動きは、F1が排他性から脱却し、開かれた方向へと進化していることを反映しているとシモンズは考えており、この変化はF1の将来の健全性にとって不可欠であると見ている。

エゴよりも経験重視のドライバーラインアップ

 キャデラックのドライバーへのアプローチも、同じ実用主義で定義される。誇大宣伝を追いかけるのではなく、チームは選択肢を通して入念に検討した。

「我々は出場可能な全ドライバーの大規模な土台を作成した。そして次第にチェコ(セルジオ・ペレスの愛称)とバルテリ(・ボッタス)がトップに浮上した」

 その論理は単純明快で、実績ある勝者が、即座に信頼性をもたらすのだ。

「もちろん勝者だ。ふたり合わせて16勝を挙げている。グリッド上において、16勝を挙げるドライバーをふたり擁するチームは多くない」

 

 

 シモンズの持つボッタスへの信頼は、ウイリアムズ時代における個人的な経験に基づいている。

「私は彼をよく知っていて、バルテリが本当に好きだ。1周のペースは信じられないほど速いし、予選も本当にうまい」

 一方ペレスは、レッドブルでの厳しい最終年を経て、より深い評価を求められた。シモンズによれば、同じマシンで他のドライバーが苦戦する姿を見て、見方が変わったという。

「彼が交代した時、みなさんも見ただろう。それがチェコの再評価に繋がった。彼の努力、細部への配慮、そして積極的に関わる意欲は本当に素晴らしい」

 

 

 またシモンズは、キャデラックはその形成期において不必要なドラマを望んでいないと明かした。

「最も避けたいのは、自分が次のルイス・ハミルトンであることを証明しようとして、壁にぶつかるようなドライバーだ。そういった人は必要ない」


■2026年はエネルギーの使い方がカギに

 キャデラックを超えて、シモンズはF1の方向性に深く関与し続けており、予算上限の重要性について明確な立場を示した。

「チームは定期的に経営破綻していた。持続可能ではなかったのだ」

 彼はまた、自身が主導したプログラムである持続可能な燃料への移行を擁護し、グリーンウォッシングの主張を退けた。シモンズは「ほぼすべての分子が持続可能と認証されなければならない」と述べ、この燃料がレース以外の分野でも活用されるよう設計されている点を指摘した。

 2026年についてシモンズは、視覚的なドラマは減るが、駆け引きが増えると予想している。DRSに代わるアクティブエアロダイナミクスの登場により、エネルギーの管理がオーバーテイクを左右することになるだろう。

「現在のオーバーテイク支援はプッシュ・トゥ・パスだ。レースはより戦術的になる。防御にエネルギーを使うか、追い抜きに使うか。どう使うかだ」

 キャデラックにとって、この未来は経験と規律、そして明瞭さに報いるものだ。そしてシモンズにとっては、誰が勝つのかをもう一度気にかける理由となるような、より強い魅力を持った何かをもたらすだろう。

 

 

 

ルイス・ハミルトンの父アンソニーが新たなレーシングシリーズを創設。V10エンジン音の復活を目指す

 モータースポーツファンはまもなく、歴史に埋もれたと思っていたものを耳にするかもしれない。7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンの父アンソニー・ハミルトンは、『Hybrid V10』という新たなシングルシーターのシリーズを立ち上げたことを発表した。このプロジェクトは『グローバル・モータースポーツ・フェスティバル』と銘打たれ、V10エンジンの象徴的で耳をつんざくような音を復活させることを目的とするものである。

 多くのファンにとって、2000年代半ばにF1のV10エンジンが消えたことは、レースが視覚的体験であるだけでなく、聴覚的体験でもあった時代の終焉を意味した。現行のV6ハイブリッドエンジンは熱効率の点で驚異的なものではあるが、前世代のエンジンが持つ“魂”を欠いていると長年批判されてきた。

 アンソニー・ハミルトンのビジョンはこのギャップを埋めることを目標にしており、Hybrid V10は、伝統的なV10エンジンの甲高いハーモニック周波数を明確にシミュレートするハイブリッドパワーユニットを使用することを目指している。

 シリーズ創設の理念は明確で、「レースは本物であり、競争的で、何よりも感情に訴えるものであるべきだ」というものだ。

 Hybrid V10はInstagramの公式アカウントにおいて、次のように述べた。

「Hybrid V10は、ライブ観戦が可能で、シングルシーターの競争力の高いレースを中核とする独立したグローバルモータースポーツフェスティバル、そしてレースシリーズだ。現代的でオープンかつアクセスしやすい方法で、このスポーツに情熱、イノベーション、そして機会を取り戻すことを目的としている」

ただの懐古ではなく、考え方の根本的な変化

 Hybrid V10は、観客にどのようにモータースポーツを届けるかという点において、革新的な存在という立場で売り出している。主催者はシリーズの雰囲気について大きな野心を抱いており、次のように述べた。

「Hybrid V10は、世界中の目的地型フェスティバルイベントを通じて、大きなインパクトのあるレースに、テクノロジー、文化、ファンの参加を融合させる」

 Hybrid V10は単なる懐古ではなく、考え方の根本的な転換を意味している。“統制の取れたコスト管理”と“透明性のある構造”に焦点を当てることで、アンソニー・ハミルトンは、トップレベルのシングルシーターレースを閉ざされたものにする“不必要な複雑さ”を取り除くことを目指している。

「創設理念は『レーシングは本物であり、競争的で、誰もが参加できるものであるべきだ』というものだ。Hybrid V10はシンプルな理念に基づいて創設された。つまり明確で、透明性のある構造で、不必要な複雑さから解放されることで、本物の音、真の競争、開かれた機会、そして統制の取れたコスト管理と共に、本物のレースへと回帰することだ」

 2026年のF1は、新たな技術規則の導入により、パワーユニット(PU)の内燃機関(ICE)と電気モーターの出力の比率が50対50になる方向に進んでいく。そのような状況下で、F1パドックは間違いなくアンソニー・ハミルトンの実験に注目するだろう。もし彼がV10時代の懐かしさを取り込みながら、カーボンニュートラルを維持するシリーズを成功させることができれば、現代のモータースポーツの聖杯を見つけたことになるかもしれない。

 

F1、2026年の22台体制に対応して予選フォーマットを微調整

2026年F1シーズンは、キャデラックの正式参戦によりグリッドが22台へと拡大する。これを受け、FIA(国際自動車連盟)は、F1の予選フォーマットに小規模ながら重要な調整を加えることを明らかにした。

基本となる3セッション制のノックアウト方式は維持される。Q1は18分、その後7分のインターバルを挟んでQ2が15分、さらに7分の休憩を経てQ3が12分間行われる構成は従来通りだ。ポールポジションを争うQ3の10台シュートアウトも変更はない。

◼️Q1・Q2の敗退台数が22台仕様に


変更点は、最初の2セッションでの敗退台数にある。FIAの2026年スポーティングレギュレーションでは、従来の予選手順が「20台の参戦を前提」として定義されている一方、グリッド拡大に対応するスケーリング条項が設けられている。

レギュレーションには、「22台が予選に参加する場合、Q1およびQ2終了時にそれぞれ6台が敗退する」と明記された。これにより、22台体制でもQ1で6台、Q2で6台が脱落し、最終的に上位10台がQ3へ進出する流れとなる。

 

◼️スプリント予選も同様の考え方


スプリント予選も同じ原則が適用される。セッション時間は短縮され、SQ1が12分、SQ2が10分、SQ3が8分に設定されているが、台数増加によっても最終的に10台がSQ3で争う構図は変わらない。

 

22台体制への拡張にもかかわらず、予選の本質は維持されている。ドライバーは引き続きトップ10入りを目指して激しく争い、Q3の緊張感と重要性はこれまでと同様に保たれる。

◼️拡張と伝統の両立


今回の調整は、グリッド拡大という変化に対応しつつ、ファンやチームが慣れ親しんだ予選のリズムを崩さないことを重視したものだ。22台による新たなF1シーズンでも、戦略性と緊張感に満ちた予選バトルが続くことになる。

フランツ・トストが語るベッテルとフェルスタッペン…二人の王者に備わっていた”王となるための資質”

 レッドブルがミナルディを買収し、ドライバー育成のためのチーム”トロロッソ”をスタートさせて以来、同チームの代表を務めたフランツ・トストは、数多くの才能が成長していく様を見守ってきた。

 その中でも突出しているのは、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンである。いずれもトロロッソを卒業した後はレッドブルに昇格し、4度ずつF1チャンピオンに輝いている。

 トスト元代表曰く、ふたりが素晴らしい成績を残した理由は、才能だけが全てではない。いずれも、4つの際立った資質を備えていたという。

「チャンピオンには、いつも同じことが言える」

 そうトストは語った。

「セバスチャンとマックスは、その点で非常によく似ている。よく『あのふたりのチャンピオンと他のドライバーの違いは何か?』と尋ねられる。私からすれば、いくつかの共通点があるんだ」

「まずマックスは、私がこれまで一緒に仕事をした中でも、最も才能のあるドライバーのひとりだ。セバスチャンも同様だ」

「次に、彼らは自分の仕事に100%集中している。この要素は過小評価されがちだが、非常に重要なんだ。彼らはF1のために生きている。あらゆることに情熱を注ぎ、毎年それを発揮している。この、真の意味でこのスポーツのために生きることができるという点が、非常に重要なんだ」

 しかしトストは、ただ速く走るだけがチャンピオンの才能だと言っているわけではない。たとえ速かったとしても限界を超えて走ってしまえば、それがミスに繋がり、結果には繋がらない。そういう意味で安定して走れることも、チャンピオンとして必要な資質だと考えているのだ。

「3つ目の要素は、規律だと考えている。規律の重要性も、過小評価されている。これはあらゆる仕事に当てはまるが、特にF1においては重要だ」

 そうトストは言う。

 

「ここで言う規律とは、単に約束した時間を守ることや、実務的なことに遅れないということだけではない。車内での規律も意味する。例えばドライバーとしては、予選の決定的なラップで、ブレーキをいつもより遅らせるということはあってはいけない。でも、これは簡単なことじゃないんだ」

「予選中には常にプレッシャーがかかり、誰もがいつもよりブレーキを遅らせたいと考えるものだ。しかしどうしてしまうと、事態は悪化する。才能あるドライバーにとって、これは重要な学習の機会なのだ。この点においても、規律を保たなければいけない。そしてレースでも、『今はリスクを負う必要はない。チャンスは後で来る』と認識しなければいけないんだ」

 

 

 そして周りのことはもちろん、自分のこともしっかりと分析し、強みと弱みをしっかりと把握するということも重要だとトストは説く。

「4つ目のポイントは、彼らが並外れた好奇心と学習意欲を持っていることだ」

 そうトストは続けた。

「彼らはライバルやチームメイトを、常に非常に細かく研究しているということだ。そして自分の長所と短所を正確に把握している……自分自身のことを細かく研究しているということも、さらに重要なんだ。取材や他人と話している時にそれを表に出さなくても、彼らは常に自分のことを批判的に見ている。何かミスを犯せば、『今日の自分の行動は間違っていた。二度と同じことを起こしてはいけない』と明確に理解するんだ。そして実際に、二度と同じミスをしない」

「これらの点こそが、チャンピオンにとって最も重要な資質だと、私は考えている」

 トスト曰く、これらの才能は実際にF1を走ってからしか評価できず、しかも経験を積むことでその熟練度が深まっていくという。しかしフェルスタッペンには、F3で走っていた頃から、その片鱗を見せていたという。

「雨が降っていた。というか、変わりやすいコンディションだった」

 トストはフェルスタッペンがノリスリンクでのF3のレースに出場した時のことを思い起こしながら語った。

「ノリスリンクをF3で1周するには、57〜58秒ほどかかる。マックスはそういう短いサーキットでも、他よりも1周あたり1.5〜2秒も速かった。あの瞬間、『マックスがチャンピオンだ。他のドライバーはライセンスを返上しなければいけないかもしれない』と思った」

 F1では、F3と違ってマシンの戦闘力がチームによって大きく異なる。しかしトスト代表は、たとえマシンの面で遅れを取っていたとしても、そのドライバーの実力を見抜くことができる”瞬間”があるモノだと語った。

 

「私の哲学はシンプルだ。真に優れたドライバーは、常に自分のマシンのパフォーマンスを最大限に引き出す手段を見つけ出すモノだ」

 そうトストは言う。

「(2007年)富士スピードウェイでのセバスチャンを思い出して欲しい。彼はマーク・ウェーバーとぶつかるまで、トップ5を走っていた。(ウェーバーはレッドブルのマシンに乗っていたのに)トロロッソのマシンでそれを成し遂げたんだ」

「マックスも同様だ。彼らはマシンの性能を、最大限に引き出すことができる。私はチーム代表として、我々のマシンのポテンシャルではこれ以上はありえないということを理解しているのにだ。セバスチャンとマックスは、その点で同じだった。私は、彼らほどのレベルにいるドライバーを、これまで見たことがない」

 

 

ヘルムート・マルコが比較「ベッテルは分析型、フェルスタッペンは本能型」

20年以上にわたりレッドブルの若手育成を率いてきたヘルムート・マルコは、数多くの才能をF1へと導いてきた。その中でも、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンは、彼自身が送り出した「最も特別な存在」だという。

82歳のオーストリア人であるマルコは、かつてフォーミュラ3000に自らのチームを運営していた経験も持ち、若手ドライバーの才能を見抜く目には定評がある。レッドブルのジュニアプログラム出身者すべてが頂点に立ったわけではないが、ベッテルとフェルスタッペンという2人は、近年のF1を代表する存在となった。

◼️「ベッテルはより分析的だった」


両者ともに長年F1の世界を支配してきたが、そのアプローチは明確に異なっていたとマルコは語る。

「ベッテルはすべてを非常に分析的に進めていた。マシンから最大限を引き出すため、エンジニアと何時間も議論を重ねていた」と、マルコは独紙ミュンヒナー・メルクア/tzに明かしている。

一方で、フェルスタッペンについては次のように続けた。

「当初のマックスは、より本能に頼るタイプだった。しかし今では、自分が何を求めているのかを正確に理解し、チームを導くこともできるドライバーへと成長した」

マルコは、フェルスタッペンを「特別な存在」と評し、「超高速で、超人的な才能を持ち、極めて集中力が高い」と強調している。

 

 

◼️極めて希少なフェルスタッペンの人格


マルコはフェルスタッペンをわずか17歳でF1にデビューさせた人物でもある。同様に、ベッテルのF1昇格とレッドブル加入にも決定的な役割を果たし、ベッテルは同チームで合計4度のワールドチャンピオンに輝いた。

フェルスタッペンもまた、レッドブルで4度のワールドタイトルを獲得し、通算71勝を記録している。一方のベッテルはキャリア通算53勝。両者は現在、F1史上でも最多勝利数ランキングのトップ4に名を連ねる存在であり、その背景にはマルコの存在があった。

マルコは多くの才能を、時にはカート時代から見守ってきたが、フェルスタッペンとの関係は特別だという。

「これほど密接な関係を築いたドライバーは他にいない。彼は、強い価値観を持っている。それは本当に人格の優れた人間にしか備わらないものだ。この組み合わせは極めて稀だ」

ランス・ストロール、 2026年F1レギュレーションの方向性は「少し悲しい」

ランス・ストロール(アストンマーティンF1チーム)は、2026年F1レギュレーションで示されている現在の方向性について、「少し悲しい」と率直な思いを口にした。

2026年からF1は大規模なレギュレーション刷新を迎える。空力面では新しいコンセプトが導入され、パワーユニットも完全に新設計となる。物議を醸してきたMGU-Hは廃止され、電動出力は内燃機関と同等の50/50まで引き上げられる見通しだ。

しかし、この変化は一部ドライバーの間で懸念を呼んでいる。新世代マシンは、これまでとは大きく異なるドライビング特性になると考えられているからだ。

◼️「全ドライバーが同じ懸念を共有している」


「レギュレーションの考え方そのものについては、みんな同意していると思う」とストロールはRacingNews365などのメディアに語った。

 

「ストレートでは時速400km近くまで加速して、コーナーではスピードが半分になる方向に進んでいるのは、少し悲しい」

 

「レーシングドライバーとしては、それは望むものではない。エネルギーやバッテリーを管理する走りよりも、たくさんのダウンフォースを使ってフラットアウトで攻める方が刺激的だ」

「それは全ドライバーに共通した意見だと思う」

 

 

競◼️争力があれば評価は変わる


アストンマーティンは2026年からホンダをパワーユニットサプライヤーとする新たなテクニカルパートナーシップをスタートさせる。また、技術面の中心人物であるエイドリアン・ニューウェイがチーム代表の役割を担い、アンディ・コーウェルに代わって体制を率いることになる。

ストロール自身は新型マシンを心待ちにしている様子ではないものの、結果がすべてであることも強調した。

「もしメルボルンでここに座っていて、僕たちがものすごく速くて、ミラーの中に誰もいなければ、それはとても運転しやすいクルマになるだろう」

「結局は相対的なものなんだ」

2026年F1は、ドライバーの価値観と競争力の現実が、これまで以上に鋭く交差するシーズンになりそうだ。

エンリコ・カルディレが語るフェラーリとアストンマーティンF1の決定的な違い

エンリコ・カルディレは、フェラーリで培われた長い歴史と完成されたプロセスを離れ、アストンマーティンF1で“ゼロから築く組織”に挑んでいる。

勝利を目指す情熱は同じでも、文化、意思決定、そしてチームの成長段階は大きく異なる。確立された基準をなぞるのではなく、自らが新たな基準になる──カルディレはその思想とともに、2026年F1レギュレーションを見据えたアストンマーティンF1の現在地と長期的な改革の方向性を語った。

フェラーリ一筋からの転身──エンリコ・カルディレが語るアストンマーティンF1の現在地
2005年にフェラーリへ入社し、ピサ大学で航空宇宙工学の学位を取得したのち、GTプログラムの空力を統括。2016年にF1チームのエアロ開発責任者、2017年には車両プロジェクトマネージャーへ昇格した エンリコ・カルディレ は、2024年7月に アストンマーティンF1 の最高技術責任者(CTO)に就任した。

当初は2025年初頭の着任予定だったが、慣例的な調整期間を経て実際のスタートは7月中旬。チーム公式サイトのインタビューで、フェラーリと新天地の文化的違いを率直に語っている。

「違いはある」とカルディレは言う。

「目標は同じだ。誰もが勝利に集中している。ただ、フェラーリのF1チームは非常に長く安定した歴史を持ち、プロセスやツールが確立されている。一方で、ここではそれらをまだ構築している最中だ」

新設のコアウィーブ風洞や新シミュレーターの活用、そして“無駄を避けるリーンな組織”の構築が、当面の課題だという。

「最初にチームへ伝えたメッセージのひとつが、アイデンティティを見つけ、我々のビジョンで組織を形作る必要があるということだ。他所から着想を得るのは構わないが、単にコピーするのは違う」

 

「我々は既存の基準のクローンではなく、基準そのものになりたい。誰かの成功例をそのまま真似るのは、追随者になるということだ。それは成功への道ではない」

◼️“混沌”を恐れない創造性


カルディレは、 アンディ・コーウェル や エイドリアン・ニューウェイ、そして ローレンス・ストロール と合意した明確なビジョンと計画があると語る。

 

コーウェルが掲げる「創造的で、混沌としたイノベーション・マシン」という表現について、カルディレはこう説明する。

「他チームと違うことをするためには、革新的でなければならない。そして、その過程には多少の混沌が伴う。それを管理する必要はあるが、極端に構造化され硬直した組織では、マシンに大きな価値は生まれない」

 

「一度うまくいっても、次に何をするかを探し続ける。人を前向きにプッシュし、野心的な目標を設定する。困難は個人の問題ではなく、組織全体で解決すべき課題だ。我々は結果を出すための“大きな家族”でなければならない」

◼️スター集団のマネジメントと意思決定


ニューウェイやコーウェルなど“スター”が集まることでの摩擦について問われると、カルディレは否定的だ。

「問題はない。むしろ、どう協力し、努力を融合させるかを探っている。情報共有と統合が鍵で、サイロ化を避けなければならない」

会議での自身の役割については明快だ。

「ビジョンを示し、明確さをもたらし、決断すること。正しいタイミングで正しい質問をするのが私の仕事だ」

判断に必要な情報量についても現実的な姿勢を見せる。

「100%の情報がなくても決断する必要がある場合がある。後から追加情報で誤りが分かれば、方向転換すればいい。重要なのは勝つことだ。非難の文化ではない」

 

 

◼️2026年への賭けと長期プロジェクト


2026年はレギュレーション刷新と新パワーユニット導入が同時に訪れる大転換期だ。

「空力コンセプトは完全に変わる。最低重量の引き下げは巨大な挑戦だ。新PU、新燃料……不確定要素が多く、誰がどこに行き着くか予測は難しい」

短期的な速さと長期的な組織改革を並行して進める考えを示す。

「このプロジェクトは、マシンが発表されたら終わりではない。ツール、プロセス、人の働き方、つまりチーム文化そのものを改善している」

◼️“失敗は許されない”


新時代への心境を問われると、カルディレは即答する。

「興奮だ。自分たちだけでなく、他の10台を見るのが楽しみだ。今は何をしても十分だとは言えない。すべてが未知数だからだ」

「我々は来年、正しいところに辿り着く。ただ、それが開幕戦なのか、第2戦なのか、第7戦なのかは分からない。あるのは、コミットメント、集中、そして最終的には正しくなるという自信だ」

「我々には、素晴らしい仕事をするためのすべてがある。失敗は選択肢にない」

 

 

 

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