野村総合研究所の調査によれば、純金融資産1億円以上を持つ富裕者層・超富裕者層は165万世帯、資産総額は469兆円だそうです。
この中に「いつの間にか富裕者層」と言われる40~50代の会社員層があり、これは株式や確定拠出年金の運用益で「気づけば資産1億円を超えている」層だそうです。
この新たな富裕者層は、これまでとは違う消費スタイルがあり、様々な戦略を企業は講じているそうです。具体的には次のように分析されています。
1. 「いつの間にか富裕層」とは?
これまでの富裕層(オーナー社長や地主)とは異なり、「普通の生活を送りながら、気づけば1億円を超えていた」 40〜50代の会社員・共働き世帯を指します。
■形成の背景: 長年の「従業員持株会」「確定拠出年金(iDeCo)」「NISA」などの積立運用が、近年の株高や円安によって爆発的に膨らんだケースが多いです。
■属性: 都市部の大企業に勤める共働き世帯(いわゆるスーパーパワーファミリー)が多く、世帯年収が2,000万〜3,000万円を超え、さらに運用益が加わって資産が積み上がっています。
2. 新たな富裕層の「独特な」消費スタイル
彼らは「成金」のような派手な消費を好まないのが最大の特徴です。
■「隠れ富裕層」的な生活: 見た目は普通の会社員で、普段はスーパーの特売を利用したり、ユニクロを着たりと堅実です。
■「モノ」より「体験・時間」: ブランドロゴが目立つ高級品よりも、家族との特別な旅行、パーソナルジムでの健康管理、子供への教育投資など、「自分たちのQOL(生活の質)を高める体験」にお金を惜しみません。
■合理的な選択: ステータス(見栄)のためではなく、機能性や資産価値(リセールバリュー)が納得できるものには数百万〜数千万円をポンと出す、極めて合理的な金銭感覚を持っています。
3. 企業の最新戦略
企業はこの「見えにくい富裕層」を捕まえるために、これまでの百貨店外商のようなスタイルとは違うアプローチを始めています。
■金融機関の「伴走型」サポート: 「いつの間にか富裕層」は、資産はあるものの金融知識に自信がない、あるいは忙しくて管理が追いつかない層です。銀行や証券会社は、単なる商品の販売ではなく、「ライフプラン全体のコンシェルジュ」としてのサービス(遺言信託や節税相談)を強化しています。
■ステルス・マーケティング: 派手な広告を嫌う彼らに対し、高級マンション内での限定イベントや、特定のカード会員向けのみに届く「招待制」の案内など、クローズドな空間での特別な体験を提案しています。
■健康とウェルビーイングへの投資: 「長く健康で働き続けたい、人生を楽しみたい」というニーズに応え、富裕層専用の人間ドックや、パーソナルトレーニングと食事がセットになった高級サブスクリプションなどが伸びています。
保険代理店として「いつの間にか富裕層」へアプローチする場合、従来の「万が一の備え」という守りの提案だけでは響きません。
彼らは「資産形成の成功者」であり、同時に「忙しい現役世代」であるという側面を突く必要があります。
具体的にどのような戦略が有効か、3つの切り口で整理しました。
1. 「リスクマネジメント」から「資産管理の最適化」へ
彼らはすでにNISAやiDeCo、特定口座で多額の運用を行っています。保険を「保障」として売るのではなく、「ポートフォリオの一部」として再定義するアプローチが有効です。
2. ターゲットとの「接点」をデジタルとクローズドで構築
彼らは多忙な会社員であるため、飛び込みや電話営業は最も嫌われます。「40代からの資産1億円達成後の出口戦略」といったピンポイントなテーマでブログやSNSを発信し、「専門家」としての認知を作ったり、 高級ジム、ゴルフスクール、私立小学校の親同士のコミュニティなど、彼らが「プライベートでリラックスしている場所」での接点を模索することが有効です。
3. 「時間」と「情報の整理」を売る
この層の最大の悩みは「資産は増えたが、管理する時間がない」ことです。従って、保険証券だけでなく、NISA口座や保有投資信託の状況をまるごと整理して視覚化してあげる「アセット・コンシェルジュ」の立ち位置を確立します。また銀行や証券会社の担当者は異動がありますが、地域密着や独立系の代理店は「一生のパートナー」になれることを強調します。
従来の保険営業ではやっていけない時代です。
今年は「火」の年ですので、思い切って過去のやり方を焼き捨てて新しい芽を育ててみませんか。
#いつの間にか富裕層