松田聖子 2021です。(新譜です。)
Amazonにて通常盤を購入です。(デカジャケ?付きでした。)

今年も、新作が発表されました。
毎年欠かさずリリースしてますから、これは前人未到の記録ですよね。
妊娠中でさえ、かの名曲「瑠璃色の地球」を含むアルバムをリリースしている位ですから、今後これに並ぶパフォーマーは出現しないでしょう・・・。

昨年は40周年と言う事で、セルフカバーとオリジナルが半分ずつと言う企画盤とも言えるようなアルバムがリリースされましたが、今年も同様企画でのリリースです。おそらくコロナ禍でツアーも出来なかった事から「仕切り直し」と言う事なのでしょう。

なお、前作は「キャンディボイス」時代の名曲が中心でしたが、今作はデビュー期の曲が”売り”のカバーとなっています。

1曲目の「青い珊瑚礁」から始まって「チェリーブラッサム」なんかも入っています。
ですが、アレンジは原曲を踏襲したもので、前作の「英語版・赤いスイートピー」のような意外性のあるカバーは有りません。
因みに、歌声は前作同様に調子が良いようで、引きずる歌い方も影を潜めています。

とは言うものの、やはり前作と同じパターンと言うのは驚きが少ないので、聴き通せるかどうかが不安だったのですが・・・。
なんと、最後の10曲目が大ホームランでした。

「私の愛」と言う曲ですが、作詞作曲は財津和夫さんです。昨年は曲のみの提供でしたが今回は作詞も担当で、この曲だけアレンジャーが通常とは異なっています。
もしかすると、昨年のアルバムの候補曲の中からの起用なのかも知れませんが、個人的には昨年盤と今年盤を通して聴いた中で最も好印象の曲だったような気がします。
やはり、聖子さんの曲を最も多く作っている(と記憶してます)財津さんだけあって、本当の聖子さんの魅力を理解しているんだな、と感じる作品です。

以前、Youtubeでデビュー当時の聖子さんの映像が取り上げられていました。
その映像はNHKの「レッツゴーヤング」のもので、「サンデーズ」として某曲を皆と一緒に歌っているシーンを取り上げたものでした。
その映像の解説では、聖子さん一人だけがリズムの取り方が「細かい」点を指摘していて、それが聖子さんの「人並外れたリズム感」の証明だ、と語られていました。

「私の愛」を聴いて、その事を思い出しました。

最近の聖子さんはバラード調を中心に歌われているようですが、この曲は珍しくドラムスが効いたロック色が強い曲です。
ですが、なんと驚く事に聖子さんのリズム感は健在でした。年齢と共に高音域が出なくなるのは仕方ない事としても、まさかリズム感はバリバリの現役だったとは・・・。

聖子さんの醸し出すポジティブさが、この曲調で一層際立ったように感じました。
 

今後は無理のない声域で構わないので、この曲のようなミドル・テンポのロックを中心にしたアルバムも作って欲しいと思ってしまいました。
「続・SQUALL」みたいなアルバム、聴いてみたいです。