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”HYDRA”

最近ブルーレイの技術を用いた高音質CDがリリースされていますが、
TOTOのCDも順次リリースが始まっています。

これは1979年の作品。
スタジオ・ミュージシャンの集合体から脱皮し個性を持ったバンドとして
まとまりをみせたセカンド・アルバムです。
ギリシャ神話を題材にとりプログレッシヴな音作りを目指しており、
グループの縦横無尽なテクニックが最高度に発揮され、
ロックの躍動感を併せ持った意欲作です。

前作「宇宙の騎士」が大ヒットしたため、前作のイメージを崩さないような
アルバムが出ると多くの人が予想し、それを望んでいたと思います。
ところが、多くのファンの予想を裏切り?、暗めでやや難解な、
前作よりある意味とっつきにくいアルバムを出したのは勇気が必要だったでしょう。

ライナーには「前作は忘れてくれ。これが真の意味でのデビューアルバムだ。」
と意気込みが書かれています。
シングル・ヒットは「99」が20位台まで上ったのみでしたが、
アルバムとしての内容は前作よりも劣っているとは思えません。
前作では意表をついたインストゥルメンタル曲から始まりましたが、
本作もいきなり7分半にも及ぶタイトル曲をもってきて、
あっという間に聴く者を引き込んでしまうのはさすがです。
メンバー全員で作曲したこの大作は、完成度も高く、
TOTOの全ディスコグラフィーの中でも最高の部類に入る曲だと思います。

また、スティーブ・ルカサーの歌う「99」も見事なバラードです。
他にも「ロレイン」や「シークレットラブ」、
ボビー・キンボール(←歴代TOTOボーカリストでは一番でしょう・・)のボーカルが見事な「ママ」、
駆け上がるようなギターリフがカッコイイ「ホワイト・シスター」など、
聴き応えのある名曲たちが収録されています。

個人的に一番好きなのは「St.ジョージ&ザ・ドラゴン」。
ギターソロが、前作の「愛する君に」で聴かせたような泣きのギターで、
リフからノンストップでソロに流れ込む部分は鳥肌ものです。
最後にしっとりとバラード「シークレット・ラヴ」で終わるあたりもセンスがいいですよね。

1st「宇宙の騎士」や4th「聖なる剣」だけ聴いて
本作はスルーなんてもったいないですよ!。
ジャンルを気にせず聴けますがギターが印象的な曲が多いので、
ハードロック・ファンの方には特におすすめかもしれません。

なお、このアルバム発売後の80年3月には初来日を果たしています。
我が国のファンの絶賛を浴びたステージでもレコード以上のプレイを披露。
TOTOはその人気を不動のものとし、全米ではゴールド・ディスクを獲得しました。

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