
最近ブルーレイの技術を用いた高音質CDがリリースされていますが、
ビリー・ジョエルのCDも順次リリースが始まっています。
ビリーと言って最初に頭に浮かぶのが「素顔のままで」のヒットを生み
セールスでも大成功した記念すべきこの出世作。
1977年に発表された本作は、ビリー・ジョエルという70~80年代の
アメリカを象徴するシンガー・ソングライターの魅力を端的に伝える代表作です。
ニューヨークを舞台にした現代人の孤独を
洗練されたメロディと映像的な詩で表現し尽くした傑作でしょう。
しかし、今聴いても古びてないですよね。
よく練られたアレンジとアコースティックな響きが心地よいです。
今後もスタンダードとして残っていくのでしょうね。
プロデューサーにはフィル・ラモーンを迎え、
ニューヨーク52番街にあるA&Rスタジオで録音されました。
大都会で働く若者を主人公にしたロック・ナンバー「ムーヴィン・アウト」(最高17位)、
78年度第21回グラミー賞で最優秀レコードと最優秀楽曲賞を獲得した「素顔のままで」(最高2位)、
ロックンロールの「若死にするのは善人だけ」(最高24位)、
美しいラヴ・バラード「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」(最高17位)、
とヒットを連発し、初のプラチナ・アルバムを獲得することになります。
「全曲捨て曲無し」の名曲で埋められたこの作品の大ヒットにより、
ビリーは一躍スーパースターの仲間入りを果たしました。
尚、意外な事に日本では大ヒットした「ストレンジャー」ですが、
タイトル曲にも関わらず米ではシングル・カットされていません。
この作品の成功は、プロデューサーであるフィル・ラモーンによるところが大きいでしょう。
それまでのビリーといえば、「ピアノ・マン」に代表されるように
詩的だけど「フォークっぽい」ソングライターというイメージが強いものでした。
本作では力強いバンド・サウンドを導入することで
音楽のスケールを大きく広げるとともに、表現における洗練度を飛躍的にアップさせています。
そして、多様な音楽的アイデアを提案することで、彼の才能を最大限に引き出したのが、
この作品以降も永年共同作業を続けることになるフィル・ラモーンだった、というわけです。
フォークやカントリーといったアメリカン・ミュージックのルーツに、
洗練されたアレンジを加えることで新しいポップスのフォームを生みだしたという点でも、
音楽的に見て極めて重要な作品でしょう。
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