オリジナルアルバムとしては、1984年の「Home by Down」から
何と24年ぶりとなるJ.D.の新譜が出た。
1990年代迄はバックミュージシャンやプロデューサーとして
たまにクレジットが見れたが、
2000年代に入ると、めっきり名前が見れなくなっていた。
てっきり、もう引退したのかと思っていた。
2007年のEaglesへの曲の提供、新曲入りベスト盤の発表と、
久々の活動を懐かしく思っていたが、まさか新譜を出すとは。
ファンとしては新譜を出してくれただけで感涙モノではある。
しかしながらEaglesへ提供した「How Long」的な路線を
漠然と予想していたのに、見事に予想を上回る展開を見せてくれた。
全編がほとんどジャズである。
代表曲の「You're Only Lonely」までは行かなくても、
西海岸サウンドを想像していたのだが・・。
クオリティは高い。が、従来のイメージで期待すると
肩透かしを食うので注意が必要だ。
くり返すが、本当にいい意味で期待を裏切られた。
歯切れのいいロックンロールナンバーで来るかと思ったら、
全編がひとつの物語でもあるかのようで、ジャージーな雰囲気。
これまでの彼の作品とは明らかに一線を画する仕上がりである。
これまでの延長線というのではなく、歳を重ね、
60歳を過ぎた今の自分の気持ちに合った曲を作る。
そして今の答えがこの作品なのだと思う。
ジャケットの彼はえらく歳を取った。
しかし、声は意外なくらいに若さ保っており、
むしろ歳を取った事で「深み」のようなものを得たように思える。
忘れ去られようとしていたその時に、
彼は素晴らしいアルバムを作ってくれた。
これからまた次回作のために長い歳月を待ちながら、
このアルバムを愛聴していくことになるだろう・・・。
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