〜2020年6月19日の投稿より〜
ちょっと思い出したことがありました。
少し悲しいお話しなので苦手な方は飛ばして下さい。
私が放課後児童クラブの職員をしていた時のこと。
ある小3の女の子の話です。
その女の子はとても明るい子で、
お友達のことを素直に「すごいね〜!」と褒められる子でした。
目をキラキラさせて「いいなぁ〜!」という子です。
その子のお母さんが迎えに来ると、
その子は「ママ〜!」と駆け寄ります。
しかしお母さんはたびたび
「先生〜もうこの子いらないです!全くだらしない!お菓子ばっかり食べてぶくぶく太って、片付けもしないで、、、」と大きな声で言うことがありました。
それからその子が言うことを聞かなかったこと、自分が悩んでいることを職員に長時間相談していました。
本人は無視されても、その言葉が聞こえていても
「えへへ〜」と言ってお母さんの話が終わるのを待ちます。
お母さんは「〇〇に触られるのもいや」と言って
それでも尚、腕を組んだりスキンシップをしたりしようとするその子に「触らないで!」というのです。
それでもその子は
「えへへ〜」と言っていました。
おうちではというと、
その子は部屋の隅にいるそうです。
息を潜めて。
黙って遊びに行くと
家の外に夜でも出されるのです。
お弁当のいる日はコンビニのお弁当を持ってきます。
珍しく親子で料理をしてみても包丁で手を切ってしまったことをお母さんに言い出せずにいました。
気をつけてと言われているのに切ってしまったからです。
さすがにその事はお母さんも
「あの子何も言わないんです。血が出ていても」と涙ながらに話していました。
お母さんも苦しいのだなと思いました。
お母さんもまた自分のお母さんにちっとも褒められず、離婚して、仕事も決まらず、たくさん悩んできたのです。
ある日その女の子が
「先生抱っこして」と言ってきました。
職員が子どもたちを抱っこすることは禁止でした。
理由は“職員が腰を痛めるから”です。
本当は他にも理由があるかもしれませんでしたが、私はそう聞かされていました。
けど、私はその理由を「なんじゃそりゃ」と思っていました。
抱っこを求める子はだいたいが家庭に問題のある子だったから、抱っこしてあげたかった。
ある1年生の男の子も
「抱っこして」ととても頻繁に言ってきていました。とても暴力的で全く集団行動のできない保育園の時から問題とされていた子でした。
出来る限り抱っこしましたが、
2年生になると問題行動に拍車がかかり、手のつけられない子になってしまいました。とても残念でした。同時にもう抱っこしても言わなくなってしまったことに寂しさを感じました。
女の子の話しに戻ります。
このエピソードがまさに今日思い出して、とても胸が痛んだことなので書かせて下さい。
いいよと言ってその子を抱っこしました。
2年生にしてはふくよかなその子は正直重かったのですが、出来る範囲で受け止めました。
すると 「あったかーい☺️」 と言ったんです。
あったかーい。
私はその言葉が忘れられません。
その時はそうでもなかったのに
今思い出して
どうしようもなく悲しく、泣けてくるのです。
あったかーい☺️ そしてまた「えへへ〜」と言ってその子は離れました。
「先生、ありがと〜」と言って。
その後お母さんは一喜一憂しながら仕事も決まり頑張りましたが、
女の子の方も3年生になって問題が出てきてしまいました。
机の上に寝そべったり職員の目をひく行動が目立ちました。
片付けしようと誘っても遊んだ物を全く片付けません。
お友達やお店の物をとってしまうようになりました。
明らかにその子も混乱しているように思いました。
お母さんは
その子に発達診断を受けさせました。
発達に問題があることで安心しようとしたのだと思います。
でも私はそうじゃないんじゃないかなぁと思ったのです。
先輩職員さんもおっしゃる、
“愛着障害”ではないかと。
私もそう思ったのです。
結局女の子は2週間児童相談所に保護されることになりました。
それがいいとか悪いとか
本当は発達障害かとか愛着障害かとか。
どちらがマシかというのではなく。
本当にその子に必要なものは何か?
それを真剣に考えることが大事でした。
もちろんお母さんにだけ考えるこを強いるのではなく、
学校の先生、私たち放課後児童クラブの職員、小児科の先生、みんなが協力して考える必要がありました。
そして実際そうしていきました。
年度が変わり、
うちの施設の館長が変わってしまっても
新しい館長も真摯にお母さんの話しを聞きました。
保護期間があったことでお母さんも距離が空き、少し落ち着いたように思いました。
その後、私は引っ越してしまったので
その親子がどうなったのか分かりません。
今日、女の子を思い出したことによって
その親子の幸せを願うきっかけをもらいました。
そしてこれは一例に過ぎず、
今そのような状態の家庭が少なくないということです。
これから私は保育士をとって
社会福祉士を生かして
このような親子を支えていきたいと思っています。
どうか応援して下さい📣
読んで頂きありがとうございました
☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚
私がどうしても保育士を取って
母子寮を開き
助けたかったのはこういう人たち。
着実に進んでると今は思いたい
彼女と彼女のお母さんが今幸せでありますように
お友達になってね
保育士試験対策塾リカルナ
清水香名子