ニュージーランドで保育者をしている直樹です。
最近よく質問をいただく項目に応えていくシリーズです!今日は日本でもどんどん実践している園が増えているラーニングストーリーについて
ラーニングストーリーとは、1996年以降、テ・ファーリキ(ニュージーランドの保育指針・教育要領のようなもので、ナショナルカリキュラムと呼びます)に合った新しいアセスメントが必要とされたことからニュージーランドで生まれ、今では日本を含む海外の幼児教育でも広く知られている「成長の記録」です。
今日は色々とラーニングストーリーに関する質問に答えていきたいと思いますが、実際に見ていただくのが一番分かりやすいです
実際、僕もニュージーランドに来てラーニングストーリーを書くようになり、他の先生の書いたものを見せてもらいながら「ラーニングストーリーって何?」「何を書けばいいの?」といったことを理解していくようになりました♪
↓こちらの本はテ・ファーリキの製作者の一人マーガレット・カーと、ラーニングストーリーの講演を日本でもよく行っているウェンディ-・リーが書いたラーニングストーリーの本です。
英語ですがラーニングストーリーの例が色々紹介されているので、ラーニングストーリーってどういうものか?が視覚的にも伝わると思います。2019年発売の最新刊で日本の園で書かれたラーニングストーリーも紹介されています
こちらは僕の本ですがニュージーランドの園で実際に書いたラーニングストーリーの翻訳版と現地の保育園での実践を載せています
こちらは日本でのラーニングストーリーの実践をお勧めする本で、ニュージーランドで行われているラーニングストーリーとは違いますが、園での子どもの姿を保護者に伝えることのメリットが感じられる実践的な本です
では、質問にこたえていきます!
Q.個人のラーニングストーリーを書く頻度は?
園によりますが、クラスの子ども全員に毎月1枚は書くようにするというのが一般的だと思います。追加で、何人かの子どもたちが一緒に遊んでいる時の様子を書く場合もあります。それはグループのラーニングストーリーと呼ばれ、複数人の子が共に活動をしている時の様子を書きます。
例えば、一緒にお店屋さんごっこ遊びをしているとか、同じ興味を持っている子がお互いの知識を共有し合っている様子、等です
Q.クラス全体の様子を書く頻度は?
クラス全体の様子を書く時は、ラーニングストーリーではなくウィークリースナップ(一週間の様子)とかデイリーレポート(一日の様子)と呼ばれます。または、行事を行った時にその時の様子をまとめたものを書くこともあります。
ただ、ラーニングストーリーはここからここまでをいう、という明確な決まりはないので、もしかするとこれらもラーニングストーリーと呼ぶ園もあるかも知れません。でも、うーん、なんか違う気がします
なぜかというと、ラーニングストーリーは子ども、またはグループで遊んでいる子どもたちの学びに深くフォーカスしたものというニュアンスが強く、クラスの様子を書いたものは、クラスでどんなことをしているかを紹介する、お知らせする、おたよりとしての役割がメインだからです。
つまりラーニングストーリーはポートフォリオ
クラスの様子はお便り、お知らせ
という感じでしょうか。
どちらも子どもたちの学びや園での様子を可視化し、僕たち保育者が園でどんな事をテーマとして保育をしているのか?
なにかのプロジェクトが進行中ならどのような内容で子どもたちは何に反応して楽しんでいるのか?
などを知ってもらうのにとても重要です。
クラスの様子は書かない園もありますが、保護者との仲が深まるのにな~。書いた方がいいのにな~と思っています。
Q.ラーニングストーリーと日本でいう連絡帳はどう違いますか?
連絡帳は子どもが風邪を引いたとか、園でどんな風に過ごしたか、気を付けてほしい事、持ち物の連絡がメインなのに対して、
ラーニングストーリーは子どもが園で遊びを通して何を学んだかに注目して書くアセスメントで、それを保護者にも共有しています。
それで保護者から何か反応がないといけないとか、フィードバックがないといけない、といったプレッシャーはお互いにありませんが、保護者からこんな嬉しい反応があったよ、保護者も園の一員としてポジティブに巻き込んでいきたいよね、という雰囲気はあります
日本で連絡帳に書くような内容は保護者が迎えに来た時に話したり、全体に持ち物の連絡やお知らせをしたいときはe-mailやストーリーパークと言うアプリ(ラーニングストーリーをアップする)で知らせるのがニュージーランドでは一般的かなと思います
こちらもどうぞ♪1枚のラーニングストーリーにかかる時間や作業時間の確保について。
参考になったでしょうか?!
以上、直樹でした
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