日本で初めての音楽の教科書『唱歌集』の続きです。
右ページ
〔師〕は先生、〔生〕は生徒ですね。
先生がドレミのメロディーで「♪123」と歌うと、子どもが「♪123」とマネしたのでしょう。
このように真似をして歌うことを「摸唱」と言います。
音符を数字にかえて、摸唱することから、音楽教育が始まったのですね。
突然ですが、問題です。
問1.一番下の段はどんなメロディーかわかりますか?
左ページ
そしてついに、五線と音符が出てきます。
ここで初めて五線を見た日本人も多かったと思います。
この1ページの中に、
・数字譜
・音程
・音符の長さ
・休符の長さ
・4分の4拍子の曲と4分の2拍子の曲
・符頭(音符の玉)の位置
・符幹(音符に付ける棒)の書き方と向き
・日本語音名
などなど、
たっくさんの情報が詰まっています。
もし私が、子どもたちに楽しく教えるとしたら、
このページだけで3時間くらい必要です
問2.左上、なぜポツンとト音記号が書かれているのでしょうか。
ヒントは書かれている場所です。少し上でも下でもダメなのです。
ちなみに、私が今準備している講座では、
左ページの内容について、
知っている曲を使って実践しながら、
約8ヶ月かけて少しずつ学び、しっかり理解できるように作っています!!
さて、『唱歌』のお話は次回で最後にしたいと思います
問1の答え:「5313531」→「ソミドミソミド」
問2の答え:ト音記号の書き始めの部分が「5、ト」であるということを表しています。ト音記号クルクルの中心が、「5、ト」の線の上になっていますね。
「5、ト」=「ソ」の音です。
一番下の楽譜を見ると、
五線の下から2本目の線が、ト音記号のクルクルの中心になっています。
ト音記号は、五線の下から2本目に乗る音符が「ソ」ですよ、という意味の記号です