かこさんは、間違いなく、わたしを育ててくださった方々の一人ですから。
たとえ直接お会いしたことはなくても。
こども時代のわたしのそばにずっといて、語りかけ続けてくださった方の一人ですから。
(絵本、という形で)
その方が、どのような道を歩んで来られたかは、当然大変興味のあることでした。
わたしにとって。
そう、この本は、こども論とか、教育についての話とか、そういう感じではなくて、かこさとしさんの自伝、という側面の強い本であるかと思います。
この本を読んで、わたしが思ったことは、すごーーーーーーくたくさんあるのですが、すべてに触れるとものすごーーーく長い作文になってしまいそうなので、とりあえず今は、ポイントをたったひとつだけに絞って、つらつらと。
本気で生きた人なのだな、と思いました。
(生きた、って、まだご存命なのだけど)
僕はセツルメントの活動を最優先にする、という宣言を、結婚前に奥様にされた、との話。
そして、会社員生活と、絵本作家生活を両立させるに当たって、サラリーマンとして、100%ではなく、120%の力でやろう、と決めていた、という話。
鬼気迫るお話でした。
日本の敗戦と共に、一度自分は死んだ。
そこからもう一度生きることにした。
生かされた。
だから本気でやるのだと。
そういう気迫を感じました。
わたしは、本気で生きられているだろうか。
いや、全然違うな。
ただ目先の楽さを選んで、ぬくぬくと……
でも、わたしはかこさんにはなれないし、なりたくない。
かこさんは、偉大な絵本作家で、こどものことをよく知る人ですが、母親じゃない。
あのかこさんが、ご自身のお子さまとはあまり遊ばなかった、というお話は、わたしにとっては結構ショックでした。
ガーン。
でもそりゃそうだよね。
本気でサラリーマンして。
セツルメントの活動に魂かけて。
それでマイホームパパでいられるほど、世の中甘くはないよね。
毎週末セツルメントの活動があったから、自分のこどもはほったらかしだった、と……
長い時間一緒にいるだけが愛じゃない、親じゃない、というのはあるでしょう。
そうやって、自分の生涯をかけるものを見付けて、本気で取り組むお父様の存在は、間違いなくお嬢様たちにとってもプラスだったと思います!
ていうか、だって、あのかこさとしが、自分の父親だなんて!
そんな素晴らしいことはなかろう、と思っちゃう。
でも、きっと、お嬢様たちには、かこさんの他に、ちゃんとそばにいてくれるお母様がいて、それで家庭は成り立っていたのではないかなー、と、想像……
わたしは、母親です。
わたしは、かこさんのように、毎週末ヤヤトシを置いてどこかに行ったりはしたくない。
例え大きな志のためでも。
でも。
でも。
恥ずかしいけど、思っていることを、言葉にすることの意味もあるかなと思って書いてみます。
わたしもいつか……
なにか……
かこさんのように。
こどもたち、のための、活動がしたい。
ための、というか、こども、とか、教育、に関わるようなこと?がしたい。
なんらかの形で。
かこさんも、サラリーマンをやりながら活動されていた、ということで、勇気をもらえました。
(いや、かこさんのようなすごい働きはとてもできない凡人ですけれど)
なんか、そういうの、仕事辞めなきゃできないものかなー、とどこかで思っていたから。
(そしてわたしにとっては会社を辞めるというのは、結構難しいことなので)
(実は、先日してた転職活動?も、こどもに関わる仕事にジョブチェンジしよう、というものでした。落ちたけど……)
そうか、別に、仕事、じゃなくてもいいんだ。
と。
パッと目の前が開けた感じというか。
そうかー。
そうだよねー。
ボランティアとか?わからないけど、会社を辞めないで余暇でする活動的な……そういう方向性もある!
と。
どんな形になるかはわかりませんが。
探してみたいと思います。
もちろん、まずは自分のこどもを全力で育てる!、というのが、わたしの場合はあるわけだけれども。
色々、模索だ。
勉強だ。
かこ先生、ありがとう。
わたしはもう30代も半ばですが、こうして、まだあなたの言葉に育ててもらってます。