石田流を主力戦法にしていますが、勝率が振るわないので改めてポイントを書き出してみます。
雑な序盤ですが、なんというかそれなりにやれているのが現状。
そこで石田流を指しこなすポイントを不定期でまとめていこうと思います。
第一回はスピード棒金です。
スピード棒金とは、居飛車側が玉の囲いを△4一金+△4二銀の最小限にし、飛車先の整備を最優先にしてきた構えですね。
出現頻度自体はそこまで高くないですが、知らないと簡単に潰されてしまいますし、捌きの感覚を養う上では覚えておくべき戦型ですね。
ちなみに私の石田流の知識は99%が戸辺誠七段の棋書によるものなので、戸辺本ベースでの考え方となります。
戸辺先生の考え方としては、
①最優先でコンパクトに囲う
②常に戦いを起こせるポージング
③堅さを担保に激しくても攻める
④多少駒損でも攻めが続けば踏み込む
以上の4つを前提としています。
石田流に関しても最優先は美濃囲いに囲ってから、居飛車の動きに合わせて駒組を進めていくことになります。
ちなみに掲載の図面は簡略化して作ったため、端の突き合いが入っていませんが、突き合った方が得だと思います。
各種指針
- △8三金のタイミングで▲7七桂+▲9七角の本組にまとめる
- △8三金のタイミングで本組にまとまらない場合は引き飛車で対抗
- △8三金型からの△7四歩の速攻には▲7四同歩△同金▲6五歩で振り飛車が捌け形
- △8四金型から△9五歩▲同歩△同金には▲6五歩で捌け形
解説
ポイント①:△8三金のタイミングで▲7七桂+▲9七角の本組にまとめる
△7二金のタイミングで▲7七桂ないし、▲9七角のどちらかが入っていることが前提ですね。
先手のこの飛車角桂のポジショニングが石田流本組と呼ばれ、振り飛車の理想形です。
ポイント②:△8三金のタイミングで本組にまとまらない場合は引き飛車で対抗
棒金自体が振り飛車の飛車を圧迫する狙いです。
一度浮いた飛車ですが、先に当たりを緩和するのが柔らかい指し方。
以降は6七へ金を繰り出し、タイミングで▲6五歩と突き出して角の活用を目指していきます。
ただし出現頻度がかなり低いため、今回の記事では割愛。
ポイント③:△8三金型からの△7四歩の速攻には▲7四同歩△同金▲6五歩で振り飛車が捌け形
すでにソフトでは先手が400点ほど有利になっています。
以下、
- △7五歩には▲同角△同金▲同飛で歩切れの後手は飛車成が受けづらい
- △6五同歩には▲6四歩が激痛で、△同金は▲7一飛成、△同銀は▲7四飛と金がタダで取れます。
ポイント④:△8四金型から△9五歩▲同歩△同金には▲6五歩で捌け形
ここもソフトではすでに400点ほど先手がリードしています。
考えうる居飛車の指し手は①△9六歩、②△8六歩、③△6五同歩の3つですが、
- △9六歩は▲7四歩です。以下△同歩なら▲6四角△同銀▲同歩で次の歩成を目指し、△同銀なら▲6四角で次の▲7四飛が受けづらいです。
- △8六歩は▲同角△同金▲同飛で駒損ながら玉形の差で先手優勢
- △6五同歩は▲同桂が幸便。以下△6四歩なら、▲7三桂成△同桂▲7四歩、△9六歩は▲7四歩△同歩▲5三角成△同銀▲同桂成で捌けています。
というわけでスピード棒金は4つのポイントを押さえれば振り飛車がよくなりやすく、現在ではほとんど指されていない理由がわかったかと思います。