こんにちは、ちるますです!

「家族難民」という言葉、聞いたことがありますか?
難民というと、戦争や迫害から逃れてきた人のイメージがあるかもしれません。
でも実は、今まさに日本の中で「家族という居場所を持てない人たち」が急増しているんです。
結婚したいのにできない、誰かとつながりたいのに孤立してしまう、気づけば頼れる人が誰もいない、そんな状況に置かれた人たちが、社会のあちこちに存在しています。
少子化問題や孤独死のニュースを耳にするたびに、なんとなく不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「家族難民」という社会問題をわかりやすく解説しながら、私たちがこれから何を考えていくべきかをいっしょに見ていきます。


☑ 「家族難民」ってどういう意味?


「家族難民」という言葉は、社会学者の山田昌弘さんが2014年に出版した著書「家族難民」(朝日新聞出版)の中で初めて使いました。
家族を持ちたいと願っているにもかかわらず、さまざまな事情でそれが叶わず、不本意なまま独身生活を続けている人たちのことを指しています。
「難民」という言葉には「行き場所を失った人」という意味がありますよね。
つまり家族難民とは、家族という人生の「居場所」を持てないまま社会を漂っている人たちのことなのです。
これは特別な誰かの話ではなく、私たちのすぐ隣にいる問題でもあります。


☑ なぜ家族難民が増えているの?


家族難民が増えている最大の原因のひとつは、経済的な格差です。
正規雇用と非正規雇用の賃金差が広がり、収入が不安定な若者や中年層が「結婚・子育て」という人生の選択に踏み出せないケースが増えています。
さらに、都市への人口集中による地域コミュニティの崩壊や、長時間労働による出会いの機会の減少なども、家族難民を生み出す大きな背景になっています。
「いつかは家族をもちたい」と思いながらも、気づけば40代、50代になっていた、という人が今の日本にはたくさんいます。
50歳時点での未婚率(生涯未婚率)は、2020年時点で男性が約28%、女性が約18%にのぼっています。
これは2000年時点と比べると、男性で約3倍、女性で約3.6倍に急増した数字です。
経済的な理由だけでなく、家族の形に対する価値観の変化や、コミュニティの希薄化など、複合的な要因が絡み合っているのが現実です。


☑ このまま放置するとどうなる?


家族難民の問題が深刻なのは、将来的に「孤独死」の急増に直結するからです。
現在、日本では年間約3万人が孤独死していると言われています。
しかしこのまま家族難民が増え続けると、2040年頃には年間の孤独死が約20万人に達するという試算もあります。
それは5人に1人が孤独死する社会を意味しています。
国立社会保障・人口問題研究所の2024年の推計によると、2050年には65歳以上の未婚者が現在の3倍以上の約700万人に達する見通しです。
子どものいない高齢者も現在の1.9倍にあたる約1,049万人に増加すると見られており、「頼れる家族がいない老後」が当たり前の時代がすぐそこまで来ています。
介護が必要になっても施設に入れない「介護難民」の問題とも密接に絡み合っており、家族を持てない人の老後をどう社会全体で支えるかが、今まさに問われています。


☑ 社会や政府の動きはどうなっている?


2024年4月、国は「孤独・孤立対策推進法」を施行し、内閣府に孤独・孤立対策推進本部を設置しました。
孤独・孤立の問題を個人の責任ではなく、社会全体で解決すべき課題として正式に位置づけたのです。
これは日本社会が「家族難民」をはじめとする孤立問題の深刻さをようやく認めた、大きな一歩とも言えます。
ただ、法律ができたからといってすぐに現場が変わるわけではありません。
地域のつながりをどう再構築するか、非正規雇用の待遇をどう改善するか、介護や医療の仕組みをどう整えるか、解決すべき課題は山のようにあります。


☑ 私たちにできることは何だろう?


「家族難民」の問題は、決して遠い誰かの話ではありません。
結婚や家族形成はもちろん個人の選択ですが、「したくてもできない」という状況が経済的・社会的な構造によって生み出されているとしたら、それは社会全体の課題です。
まずは自分の周りにいる孤立しがちな人に、声をかけることから始めてみましょう。
地域のコミュニティや支援活動への参加も、社会のつながりを取り戻す大切な一歩になります。
そして、働き方や収入の安定を社会に求める声を上げていくことが、長期的には家族難民を減らすことにつながっていきます。
ひとりの力は小さくても、私たちの意識と行動が積み重なることで、社会は少しずつ変えていけます。
「家族難民」という言葉を知ったこの機会に、ぜひ自分ごととして考えてみてほしいです。

それではまた、ちるますでした!