某国某所。
その国は昔、「南洋材(ラワン材とか)」を輸出してしていました。
しかし日本の商社などが来て、山を丸坊主にしてしまいました。
なぜ丸坊主になるかというと、山の中で使える木はところどころに生えているだけなので
その木を切るのに邪魔な木を切り倒してしまうのですね。
そうすると、結果的に、山の木を全部切っちゃうわけです。
で、丸裸。

さらにその国の偉い人は考えました。
丸太を売るのは付加価値がないので儲け幅が小さい。
合板や集成材に加工してから売れば付加価値で儲け幅が大きくなる。
さらに加工工場ができれば、国民の雇用機会も増え、定職ができ、生活が向上する。
一石二鳥以上!
そこで法律を作りました。

丸太輸出禁止。国内で加工したのはいいよ。

日本商社も、自然破壊などの社会認識が高まってきましたので、仕方ないなあ、と丸く収
まり時が流れました。
すると、日本ではさらに環境保護意識が高まります。
加工していても、希少な「南洋材」を消費していいのか。

そこで、ロシアの雪原に生えまくっているタイガの「北洋材」を使ったりと工夫します。
南洋材は広葉樹というかマメ科ですから、ロシアの針葉樹は合板に加工しても違和感ありま
くりでしたが。
まあ、それはよしとして。

日本はさらに環境保護を考えます。
切るだけだからいかんのだ。植えよう。
さらに。
植えて切って植えて切ってと、畑の作物みたいに活用すれば自然に優しいんじゃない?
そこで目をつけたのが、数年で大木になるユーカリの木です。
これなら畑の野菜みたいに木を収穫できるからいいんじゃない?

それで始めました、ユーカリの畑による森林資源の保護。
うまくいきそうな気がしますよね。
地球に優しい。

ところが人間は優しくないのです。
このプロジェクトは「環境破壊」だと訴えられ、潰れてしまったのです。

訴えたのは、「南洋材」を加工している連中です。
お前らの方が地球に優しくない、と言いたいところですね。
でも彼らは、ユーカリの畑が伐採されているところだけをとりあげ「環境破壊」だと主張
しまくりました。
その結果、商売敵のユーカリを追い出し、自分たちの「南洋材」の利権を確保したのです。
今日も希少な「南洋材」を伐採し、環境を破壊しながら愉快に暮らしているでしょう。

日本も含めて世界中、政治も、企業活動も、環境問題も、利権によって決まるようです。
しかも、既得権。
一度見つけた美味しい蜜の出る壺は誰にも渡さない!
やれやれ。
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