国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)。長い名前。

二酸化炭素の増加と地球温暖化の関係を疑う学者もいますが、まずは

両者の関係をあるとして、温暖化防止のための会議と解釈して。


これから産業を興して豊かに儲けたいと考えている国は、その足枷となる

二酸化炭素排出削減なんて嫌に決まっています。

性善説と、性悪説。

個人的には、善と悪は両方とも生まれながらに持っていると思います。

しかしこういう利害が対立する会議では、性悪説で動かないと失敗します。

利己主義、我が儘、独善。

人間の嫌な面ですが、それも人間。我々なんですから。

嫌な面を認め、さらにそれを愛した上で、乗り越えようと努力するのが望ま

しいのですけれど、それが出来る人は聖人レベルでしょう。

その嫌な面を剥き出しにした中で、今回の会議は開かれたのです。

どろどろしたカオスの中で、最後に人間の良心が辿り着いた結論、それが。


・非公式首脳会合で決めた「コペンハーゲン合意」について議長が「合意に

 留意する」と提案し、承認された。


まあ、なんというか。決裂だけは何とか避けた、というレベルでしょうか。

しかも「正式な採択はあきらめて合意に自主参加する方式」という異例の形

だったようです。

現状、世界はバラバラ、ということですね。

ここから先をどう進めていけるのか、それが重要でしょう。

日本産業界の恐れていた京都議定書の延長の可能性も、まだ残っている

のが気がかりではありますが。


ところが鳩山さん、喜んでいましたね。

世界のリーダーシップをとるという話は空耳だったようですが、それにしても

この結果で、「よかった、よかった」はないでしょう。

首相の頭の中には、性善説の賢人政治が宿っているのですか?

一部の「賢人」が大衆を導く理想郷世界を作る。

でも「賢人」は、現実世界では「独裁者」に早代わりします。歴史的事実です。


さて、その前に、事実として。

ここからは個人的な思いです。

海面上昇で国土が水没しそうな国がある。

まず、この事実に対し、世界は何が出来るのでしょう。

何かをしてあげなくてはいけないと思います。

そして日本は、我々日本人は、何が出来るのでしょう。

日本人は器用で、さまざまな創意工夫が得意。そういう昔から言われている

評価を私は信じています。

その技術力と発想で、沈み行く島国を救って欲しい。

政府が2012年までに官民合わせ一兆7500億円を拠出するという話もあり

ましたが、その一部を研究費に回して、島国を救って欲しい。

世界がバラバラで結論が出ないでいる間にも、島は沈んでいく。

今こそ、具体的行動が日本のリーダーシップにつながると思うのです。

かお