70人いたが卒業する時には17人だった。
米国は、厳しい国だ。
ガッツのある者だけが勝ち残る。
そうでない者はスパっと切り捨てられる。
正直、授業について行くのに必死だった。
高校での授業は全部英語だったが
日本に帰国して7年が経っていたから
英語力がかなり落ちていた。
先に米国の総合大学で勉強していた妹。
彼女の励ましがなければこの厳しさを
乗り越えられなかっただろう。
寝る時間…それ何?
食事…最後に食べたの何時だっけ?
最初の2年は、学校と自宅の往復だけで
ほとんど外出はしなかった。
唯一の娯楽が週末に見るテレビと
旦那様からの国際電話。
でも、私は幸せだった。

毎日が楽しかった。
学ぶ喜び、それも自分のしたい勉強!
このようなチャンスは2度とない
吸収出来る事は全部!ぜぇ~んぶ
吸収して自分の物にしたい!
「私は、勝ち残りたい!成功したい!」
そんな気持ちでいっぱいだった。
3年半後、私は無事に卒業証書を頂けた。
本音を言うと日本の大学で頂いた
卒業証書より美大で頂いた卒業証書の方が
何万倍も何百万倍も嬉しかった。


だって、自分が勝ち残った証だったから。
インターンシップの経験を経て就職も出来た。
米国政府系の広告エージェンシーと
そこで働いていた上司に誘われてデザイン会社
でも経験を積んだ。
自分の大好きな事をしながら生活をする!
こんな幸せな事はない…私は自分の「天職」を
見つけたと心からそう思っていた。
今は…
この「天職」を続けるかどうか…わからない。