「戦争容認」という言葉がTwitterでトレンド入りした。
原因は日経の記事だ。
SNSで揺らぐ平和意識 戦争容認、簡単に「いいね」
まとめると、「最近の若者は安易に戦争を容認しがち」ということらしい。
「いくらユダヤ人を殺したと言われていても、ヒトラーにも人の心があった」
太平洋戦争を遂行した旧日本陸海軍の幹部に関しても(中略)「真面目でいい人」などと安易に投稿する
「国に戦争へ行くよう命令されたらどうするか」と尋ねると、「仕方ないから行く」との答えが増えてきた
というのがこの記事が「揺らぐ平和意識」の根拠らしい。
しかし、俺からすれば、「それは当然ではないか」という気がする。
さて、ここで断っておきたいが、この記事中には様々な「揺らぐ平和意識」が例示されているが、それぞれ異なる論点であり、それぞれに一応俺にも意見があるが、一つ一つ取り上げていてはキリがないので、この記事では「国に戦争へ行くよう命令されたらどうするか」と尋ねると、「仕方ないから行く」との答えが増えてきたという部分にのみ絞って話を進めていくことを断っておきたい。
「戦争経験者から怖さを聞いて育った世代は『戦争はやるな』が共通だったのに」
記事ではこうあるが、むしろその戦争の怖さを聞いて育ったからこそ「仕方ない」と答えるのだと思う。
俺が教わったいわゆる「戦争の怖さ」はいくつかある。そのうちの一つが、「同調圧力」だ。
戦争賛成が国民の圧倒的多数派であり、兵役を拒否しようものなら周囲の強い圧力にさらされる。
簡単に言えばいじめられる。
その中で「仕方ない」と答えるのは当然だ。
なぜなら、教育は、そのいじめに対抗する手段を教えていないじゃないか。
俺自身いわゆる「戦争教育」「平和教育」を受けてきたが、その中で、「周囲の同調圧力に負けない方法」なんて教わったことはない。
マンガ「はだしのゲン」は「反戦のバイブル」といった扱いだが、その中で、ゲンやその父親もやはり「戦争には行かない」ことをアピールした結果、教師に殴られたり家族ごと町内で冷遇されていた。
しかし、それを見てもそれらに対抗する手段はわからない。
強いて言うなら、ただただ「ゲンは根性があった」ぐらいだ。
ゲンはできたかもしれないが、多くの人間が、執拗に続くいじめに耐えられるわけではない。それは、いじめに耐えかねて自殺した多く人たちが教えてくれる。
「平和教育」を受ければ、戦争になれば多くの国民が戦争推進に傾き、反対するものは社会的制裁が待っているという認識になるのは当然だ。
そんな中で「戦争になったらどうするか」ときかれたときに「(いじめられたくないので)仕方ないから行く」と答えるのは人情だろう。
近年の学校のいじめへの対応を見ればなおさらその思いは強化される。
2017年1月20日、横浜市教育委員会の岡田優子委員長が、福島第一原発事故で横浜市に自主避難した児童が「賠償金あるだろ」と言われ、ゲームセンターなどで150万円ほどを支払わされた問題で、「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」と発言した。
これはまさに異常な例だが、教師がいじめを見て見ぬふりをしたり、相談してもまともに取り合ってもらえなかったりという話は枚挙にいとまがない。
そんな状況下で、「『戦争に行かない』と発言し、それがいじめにつながった時には誰にも助けてもらえない」という認識になるのは必然で、「だったら仕方ないから行く」という発想になるのもまた当然だ。
これを嘆く大人の考えの奥底にあるのは、「自分たちの教育は一切間違っていない」といううぬぼれと、「正しく育たない子供が悪い」という蔑視と責任転嫁だ。
だが現実には、「戦争は悲惨だ」としか訴えず、「戦争に行くな」とだけ叫び、「そのためにはどうすればいいか」「そうした結果起こったことにどう対処すればいいか」ということを一切教えなかったが故の、つまり教育の不備の結果だ。
実際、大人たちは同調圧力に対してどう対抗すればいいと思っているのか。気合か?根性か?勇気か?それでは、旧日本軍の「大和魂」と変わらない。
そんなに「戦争に行かない」と言ってほしいのなら、まずいじめに真剣に対応してはどうか?
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SNSで揺らぐ平和意識 戦争容認、簡単に「いいね」
まとめると、「最近の若者は安易に戦争を容認しがち」ということらしい。
「いくらユダヤ人を殺したと言われていても、ヒトラーにも人の心があった」
太平洋戦争を遂行した旧日本陸海軍の幹部に関しても(中略)「真面目でいい人」などと安易に投稿する
「国に戦争へ行くよう命令されたらどうするか」と尋ねると、「仕方ないから行く」との答えが増えてきた
というのがこの記事が「揺らぐ平和意識」の根拠らしい。
しかし、俺からすれば、「それは当然ではないか」という気がする。
さて、ここで断っておきたいが、この記事中には様々な「揺らぐ平和意識」が例示されているが、それぞれ異なる論点であり、それぞれに一応俺にも意見があるが、一つ一つ取り上げていてはキリがないので、この記事では「国に戦争へ行くよう命令されたらどうするか」と尋ねると、「仕方ないから行く」との答えが増えてきたという部分にのみ絞って話を進めていくことを断っておきたい。
「戦争経験者から怖さを聞いて育った世代は『戦争はやるな』が共通だったのに」
記事ではこうあるが、むしろその戦争の怖さを聞いて育ったからこそ「仕方ない」と答えるのだと思う。
俺が教わったいわゆる「戦争の怖さ」はいくつかある。そのうちの一つが、「同調圧力」だ。
戦争賛成が国民の圧倒的多数派であり、兵役を拒否しようものなら周囲の強い圧力にさらされる。
簡単に言えばいじめられる。
その中で「仕方ない」と答えるのは当然だ。
なぜなら、教育は、そのいじめに対抗する手段を教えていないじゃないか。
俺自身いわゆる「戦争教育」「平和教育」を受けてきたが、その中で、「周囲の同調圧力に負けない方法」なんて教わったことはない。
マンガ「はだしのゲン」は「反戦のバイブル」といった扱いだが、その中で、ゲンやその父親もやはり「戦争には行かない」ことをアピールした結果、教師に殴られたり家族ごと町内で冷遇されていた。
しかし、それを見てもそれらに対抗する手段はわからない。
強いて言うなら、ただただ「ゲンは根性があった」ぐらいだ。
ゲンはできたかもしれないが、多くの人間が、執拗に続くいじめに耐えられるわけではない。それは、いじめに耐えかねて自殺した多く人たちが教えてくれる。
「平和教育」を受ければ、戦争になれば多くの国民が戦争推進に傾き、反対するものは社会的制裁が待っているという認識になるのは当然だ。
そんな中で「戦争になったらどうするか」ときかれたときに「(いじめられたくないので)仕方ないから行く」と答えるのは人情だろう。
近年の学校のいじめへの対応を見ればなおさらその思いは強化される。
2017年1月20日、横浜市教育委員会の岡田優子委員長が、福島第一原発事故で横浜市に自主避難した児童が「賠償金あるだろ」と言われ、ゲームセンターなどで150万円ほどを支払わされた問題で、「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」と発言した。
これはまさに異常な例だが、教師がいじめを見て見ぬふりをしたり、相談してもまともに取り合ってもらえなかったりという話は枚挙にいとまがない。
そんな状況下で、「『戦争に行かない』と発言し、それがいじめにつながった時には誰にも助けてもらえない」という認識になるのは必然で、「だったら仕方ないから行く」という発想になるのもまた当然だ。
これを嘆く大人の考えの奥底にあるのは、「自分たちの教育は一切間違っていない」といううぬぼれと、「正しく育たない子供が悪い」という蔑視と責任転嫁だ。
だが現実には、「戦争は悲惨だ」としか訴えず、「戦争に行くな」とだけ叫び、「そのためにはどうすればいいか」「そうした結果起こったことにどう対処すればいいか」ということを一切教えなかったが故の、つまり教育の不備の結果だ。
実際、大人たちは同調圧力に対してどう対抗すればいいと思っているのか。気合か?根性か?勇気か?それでは、旧日本軍の「大和魂」と変わらない。
そんなに「戦争に行かない」と言ってほしいのなら、まずいじめに真剣に対応してはどうか?
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