1人でも「最強」、チームなら「無敵」!

これは映画「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」の日本でのキャッチコピーだ。

「いったい何が違うのか?どっちも『強い』って言ってるだけじゃん」

と思ったことはないだろうか?
たしかに結局は「強い」ということなのだが、実はその本質は全然違う。

「最強」という言葉の意味は読んで字のごとく、「最も強い」ということ。

そして、この「最も強い」が意味するものは、「2人以上の中でいちばん強い」という意味である。

つまり「相対的な強さ」=「誰かと比べたときの強さ」である。

ということは、当然「何と比べるか」によって全くその中身が違う。

「幼稚園児最強」と「日本最強」はまるで意味が違う。幼稚園児に勝てたところで日本人全てに勝てるわけではない。

「○○で最強!」と言っても自分より強いとは限らない。

「何を(どこを)基準にするか」によって結果はまるで変わるし、基準を変えることで結果を変えることも出来る。「甘口カレー」の時にした話と同じだ。

というわけで、何も言わずにただ「最強!」と言ったところで意味はない。

「どこで最強か?」「どの範囲で最強か?」という点が明らかでないなら、「最強!最強!」と叫んだところでその言葉に中身はない。

件のコピーもそうだし、我々がふだんの生活の中で―個人的にはゲームをやっている中でよくあるのだが―「最強!」と言ったりするとき、この「範囲」や「場所」は明らかでない。
だから、まるで無意味な発言といえるが、それは「しっかり考えた発言ばかりしていても疲れるから、そのガス抜き」という意味もあるのだろうし、「『無意味とわかりきっていることをあえて言う』というユーモア」ともいえるだろう。

ただ、本質的に厳密に議論をする必要がある時は最強と言った基準は何かを明確にする必要がある。

対して、「無敵」というのはどういう意味だろうか?

これも読んで字のごとく「敵が無い」、つまり「自分を負かす敵がいない」という意味だ。

これは「強い」とは全然違うものだ。

相対的なものではなく、絶対のものだ。

「誰が来ても勝つ」
「誰にも負けない」
「どういう状況だろうと勝つ」

相手、範囲、状況、環境、時間、そんなものまったく関係なく「絶対に勝つ!」それが「無敵」。

「一人でも最強!チームなら無敵!」の真の意味は、「メンバーが1人なら相対的に『強い』ということでしかないが、チームで力を合わせれば絶対の『強さ』となる」ということ。

なお、この「絶対の強さ」という言い方は、厳密にいえば不自然だ。

「最強」と「無敵」。似ているようで全く違うこの言葉、マンガやアニメ、やんちゃな男子は適当に使いがちだが意識してみてはどうだろうか?

面倒に感じるかもしれないが、それによってオシャレなキャッチコピーも生まれるのだから。

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