“スマホ認知症”20代の物忘れ外来患者もなるニュースを見かけた。ツイッターのトレンドにも入っていた。

この内容をよく読むと、「正しいものの考え方」を学ぶのに絶好の教材だと気づいた。

だから、その点について解説を入れていこう。

「ニュースというのはこう読み解く!」というハウツーである。良く参考にしてほしい。

まずはそのニュースの概要を見てみよう。

いま、働き盛り世代の人に「スマホ認知症」の症状を持った人が増えているという。
脳神経外科医・奥村歩医師「物忘れ外来を訪れる患者の若年化がどんどん進んでいる」
患者の30%が40代~50代、10%が20代~30代と認知症にならないような世代の受診がここ数年は増えているという。

脳が健康な状態を保つために必要なことは、情報を脳に入れることと、その情報を深く考えることをバランス良く行うことだという。

スマホの登場で現代人は“情報入手”だけが多い状態になっている。気がつけば、脳は情報で“オーバーフロー”となり過労状態になるという。そのため、物忘れや感情のコントロールができない、自分らしさを失うといった、うつ病や認知症と同じ症状が引き起こされるという。


一つ目の問題点は「患者の30%が40代~50代、10%が20代~30代と認知症にならないような世代の受診がここ数年は増えているという。」の部分。

「30%が40代~50代」「10%が20代~30代」というけれど、これだけ見せられても「増えている」ということはまるで分らない。そういうからには「ここ数年」のデータを示してほしい。

ふたつ目は、「脳が健康な状態を~うつ病や認知症と同じ症状が引き起こされるという」の部分はなんだかもっともらしいが、裏づけとなるデータがない。

つまりは、実験によって確かめたデータだ。

例えば「スマホを長時間使わせたグループと使わせなかったグループでテストを行ったら、使わせたグループの成績が悪かった」みたいな。

そういうものがなければそれはただの推測に過ぎない。

「20代から50代の認知症患者の外来が増えている」のがその証拠だというかもしれないが、さっきも言ったが「増えている」ことが示されていないし、仮に示されていたとしても、それは

相関関係であって因果関係ではない。

「相関関係と因果関係の混同」はトンデモ話検出キットに引っかかる。

因果関係を示すためには俺が言ったような実験を行う必要がある。

はっきり言って、このニュースには価値がない。示すべき情報が示されておらず、ただ雰囲気で「スマホが悪い」と言いたいだけのように思える。

新しいものが発明されたら、年寄りが「それは悪い影響があるんではないか」と疑問を呈すのは、古代に文字が発明されたときから繰り返されてきたことだ。

「歴史は繰り返す」ということだろう。

注:ただし、「このニュース内で示されていない」ということが「この世のどこにもそんなデータはない」ことを意味するわけではないことには十分注意しなければならない。

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