こんばんは
今夜は真面目な話題をひとつ。
楽しい話題ではないと思います。
でも、どうしても皆さんに一緒に考えてほしいことなので書きます。
以前、しっぽの森説明見学会に行ってきましたという記事を書きました。
まだご覧になっていない方は、この機会にぜひ目を通していただけたら嬉しいです。
上記ピンク文字のリンクは3月のしっぽの森オープンの頃の記事です。
その記事では、しっぽの森の説明会でボランティアへ
説明してくれた内容について皆様に共有させていただきました。
その中で紹介していたもののひとつ、
当初予定していた 生後7~8週での不妊手術の実施 ということが、
現在できなくなっていると聞きました。
その理由が「市民からの声」だそうです。
そんな小さい子に不妊手術をするなんてかわいそう
そんな小さい子に不妊手術するなんて危険
そんな小さい子に不妊手術なんて必要ない
というのが代表的なものらしいですが…
なんと言えばいいのかあまりよくわかりませんが、率直な私の意見を書きます。
私の個人活動が足掛け7年になろうとしています。
その期間で数えきれないほど耳にしてきた、本当にいやというほど耳にしてきた
殺処分なんてかわいそう
殺処分なんてありえない
香川は殺処分ワースト
本当に香川って最低
こんなだから香川は遅れている
という言葉を発している人たちは、
今年、香川に愛護センターしっぽの森ができたことをどう思っていますか?
愛護センターしっぽの森の役割は何だと思っていますか?
愛護センターしっぽの森はペットショップではありません。
愛護センターしっぽの森にたどり着いた犬や猫を
ただ新しい家族と引き合わせる場所でもありません。
責任をもってきちんと一生愛育してくださる家族を見つける場所であって、
そのために必要なことをしてくれる場所です。
その「必要なこと」に
生後7-8週(幼齢)での不妊手術の実施が含まれていることが
理解されていないんだなと痛感します。
どうして幼齢での不妊手術が必要だと思いますか?
その理由は何だと思いますか?
批判するよりも先に、理由をきちんと考えたことがありますか?
愛護センターしっぽの森ができたから殺処分が減るだろうと安易に考えていませんか?
愛護センターができたからすぐに殺処分が減るなんてことはありません。
そんなのは幻想です。
現実はもっともっと厳しいものです。
愛護センターができたからと安易に犬や猫を遺棄する人が増えることだってあります。
愛護センターからお迎えされたはずの子が迷子になって外に出ることだってあります。
愛護センターができたから殺処分が減る!と思いたいのかもしれませんが、
そんなことよりも何よりも、県民の意識が変わらないと殺処分は減るはずもありません。
現に県内各保健所や愛護センターしっぽの森は、たくさんの犬と猫で溢れています。
どうしてかわかりますか?
繁殖するからです。
外にいる子が外で繁殖していくからです。
それを防がないと殺処分は減りません。
外から入ってくる子たちを保護して新しい家族のもとへ送り出すと殺処分は減りますか?
それだけでは減ることがありません。
外にいる子の数の把握は誰にもできないからです。
外にいる子の数が減って、保健所へ入る子が減らないと殺処分される子は減りません。
また、保健所に入ったら殺処分されると思っている人が大多数ですが、
それは間違いです。
それでは我々ボランティアに存在意義がなくなります。
話がそれてきましたが、
幼齢期での不妊手術が必要なのは、殺処分ワーストから抜け出すためはもちろんですが、
万が一 しっぽの森からお迎えされた子が外に出てしまった際に
外で繁殖しないためです。
保健所に入る子が少なくなるように
皆さんが「かわいそう」だと言う命を増やさないために
そのために必要なことです。
それでも幼齢での不妊手術が必要であることは理解されないのでしょうか?
「かわいそう」はどの視点から発されている言葉なのでしょうか。
私からしたら、幼齢での不妊手術を実施してしっぽの森を卒業する子よりも
外で交通事故で死ぬ子や、
特段望んでもいないのに発情期が来るたびに何匹も子供を産む子や、
どこかの家の子であるはずなのに外に出されている子(外飼い)や、
ワクチンや健康診断やノミやマダニの予防もされずに「かわいい」とだけ言われている子のほうが
何倍も何十倍も何百倍もかわいそうです。
幼齢での不妊手術を実施してしっぽの森を卒業する子がいなくなった現状では、
本来なら不妊手術が終わって卒業していたはずの子たちが不妊手術をされずに卒業していくことになり、
それはゆくゆく万が一のことがあったらまた保健所やしっぽの森にやってくる子が増えるということです。
そんなことをだれが望んでいるのでしょうか。
少なくとも私はそんなことは望んでいません。
私は保護っ子たちの幸せのための無限のループは望みます。
(例えば保健所や愛護センターしっぽの森に寄付が増えたりとか)
でも、保護っ子たちの不幸の無限のループを生み出している現状が悔しいです。
しかもそれが「市民の声」というのが我慢できません。
不妊手術はそんなに「かわいそう」でしょうか?
幼齢での不妊手術だから「かわいそう」でしょうか?
本当にかわいそうでしょうか?
かわいそうだと言う人は、愛護センターしっぽの森で資料を見たことがありますか?
愛護センターにパネル展に出かけたことはありますか?
愛護センターしっぽの森での講座に出かけたことはありますか?
知ろうとせずに「かわいそう」だと無責任なことを言わないでください。
その「かわいそう」と発する言葉から出てくる数多の行動が、
無責任に外の子にフードを与え無責任に「かわいそう」な子を増やす原因にもなっています。
本当に「かわいそう」なのはどういうことなのか、
どういう状況なのか、今一度皆さんに考えてほしいと思います。
しっぽの森にくる子は「かわいそう」なのでしょうか?
しっぽの森にきて幼齢で不妊手術を実施して卒業できることは「かわいそう」ですか?
その「かわいそう」は動物愛護ですか?
「かわいそう」ですか…?