歩かずにいられない
私の父は歩くことが大好きでした。若い頃はもちろん、晩年も地図に書き込みをしながら、いろいろな場所を歩いていました。たくさんの旅の本が書棚にありました。
子どもの頃は、鎌倉によく連れていってもらったものです。
頼朝の墓、政子の墓などを訪ねながら、歴史の話をしてくれました。懐かしいです。
父が亡くなる数日前、父に誘われて、横浜の山手を散歩しました。ハイカラな洋館を見ながら、父は「この辺りの外国の人は、犬を連れて散歩していて、いいなぁと思うんだよねぇ」と言いました。
これまでも何度か聞いたことがある話なので、父は、犬を連れて散歩したかったんだなぁと思います。
次は森林公園に行こう、と言っていたのに、数日後、突然、旅立ってしまいました。
ホオジロを連れて、父と森林公園に行きたかったです。
毎日、朝夕合わせ2時間以上歩いているホオジロと私。
歩かずにいられない気持ち。歩くのをやめたら、沈んでしまう心・・・父の散策好きな思いが少しわかってきたこの頃です。
歩くよー、あさんぽ終わってから、ずっと待ってたんだよ。
せっせ、せっせ
わぁ~、シュウメイギク
ちょっと待って、ホオジロ。
また、花の写真かぁ。
早く行こうよ、お母さん。暗くなっちゃうよ。
ほぅらね。
今度、首に付けるピカピカ買っておくれよ。
父が憧れていた犬との暮らしを、やっと今、実現している私です