キャップ尺八「キャッパチくん」を吹こう! 邦J編集長・田中隆文 | 邦楽ジャーナル 編集部のときどき日記

キャップ尺八「キャッパチくん」を吹こう! 邦J編集長・田中隆文


邦楽ジャーナル 編集部のときどき日記-キャッパチくんを吹く図


キャップ尺八「キャッパチくん」のことは邦J09年4月号で紹介しました。
「…ペットボトルを見ていて気がついたんです。ボトルの方じゃなくてキャップも鳴るんじゃないか? 鳴りました! カッターナイフでキャップの端に小さなエッジをつけたらさらに良く鳴ります。本誌「鳴るほど・ザ・尺八」で勉強したことを思い出しました。〈音程は歌口の開口面積の大小で決まる〉それを意識してキャップを唇につけたり離したりして吹くと1オクターブはラクラク。尺八の吹奏原理に適ってるんです。気を良くしてこれを「キャッパチくん」と名付けました…」

自分でいうのもなんですが、これ、イケてます。
音色がきれい、音量が大きい、ユリやポルタメントが効く!
なにより、どこでもタダで手に入る。つまり世界中の人が楽しめる“楽器”なんです!
で、これを普及したいと思うのであります。
まずは、どんなものか、映像をみていただきたいと思い、
You Tubeにのっけましたんで、自慢出来る演奏じゃあありませんが、見てみやってください

http://www.youtube.com/watch?v=6_UWXrD-r8A


作るのはカンタンです。 ペットボトルのふたの端をちょっとカッターでけずってエッジをつくるだけです。 あとは唇に離したりつけたりして音程をつくりながら演奏します。 尺八とおんなじです。 開口面積の大小が音程をつくるんですねえ!

【キャッパチくんの作り方】

1、ペットボトルのキャップはどこのメーカーもほとんど同じですが、キャップの底に水漏れをとめるためのパーツが入っているものと、突起が出ているものの2種類があります。前者はパーツをこそぎ取る、後者は突起を削りとります(取らなくても音は出ます)。


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2、吹き口(歌口)をカッターで削り取ります。私の経験では幅10mm、深さ2mmくらいが良いようです。


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3、出来たキャッパチくんは自分で好きにデザインして、ストラップをつけ、ケイタイや胸に飾りましょう。側面に孔をあけた場合はそこを指でふさいで吹きます。


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【キャッパチくんの鳴らし方】

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1、写真のようにひしゃげて吹くと鳴らしやすい…ように思います。1オクターブと3度は出ます。それを目標にしましょう。おそらく、低音と高音が鳴らしにくいと思いますが、コツは、低音の場合、歌口の開口面積がほとんどないくらいに唇につけ、息は弱く、上唇を少し出すような感じで吹きます。高音の場合は、それとまったく逆をやれば出ます。下唇を出すような感じが重要です。

2、上手く聞かせるにはタンギングが必要です。

3、並んだふたつの音に音程差がある場合は、思い切って大きくポルタメント(なめらかにスラー)を掛けると、キャッパチくんが生きます。

4、半音違いの音は、キャッパチくんの唇の位置を動かさずに指でひしゃげるだけで、正確な音程が取れます。この、「楽器の形を変えて」音程を作るというのはキャップならではです!

 「仰げば尊し」はきゃっぱちくんに向いている曲です。 最後の「別れめ~」の部分はポルタメントを効かせてたっぷりのばしてください。
 さあ、いつでもどこでも、持ち運びに便利なキャッパチくんを!