こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

3連休となっている方が多いかもしれませんね。

暦の二十四節気をみますと「寒露(かんろ)」なっています。

 

寒露とは「晩秋から初冬のころに降りる冷たい露(つゆ)」の意味ですので、この時期からからは、そんな冷たい露(つゆ)が降りる頃となりますね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 



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今回は、最近多くの方が気にされている「動脈硬化」について、お話をしてみたいと思います。

 

「動脈硬化」については、過去にもブログ内で、ご紹介をしています。

 

「動脈硬化」は・・・以前は知らず知らずのうちに血管に過剰な「脂質」がたまってできていくものとされていました。

 

最近では・・・「メタボリックシンドローム」などによって、血管に慢性的な炎症が生じ、血管壁が厚くなったり硬くなったりするなど、いろいろな要因が絡み合って発症する病態であることが明らかになっていることは、以前にもお話をしたとおりです。

 

では・・・「動脈硬化の指標」となる検査には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

今回は、あまり知られていない「LOX- index(ロックス・インデックス」をご紹介してみたいと思います。

 

「動脈硬化」は、「血管内皮細胞」の機能障害が出発点だと言われています。

 

「血管内皮細胞」は、血管の最も内側に存在する細胞でしたよね。

そして・・・この「血管内皮細胞」は、血管緊張性の調節、血管内血栓形成の防止、動脈硬化の予防など驚くべき多くの機能をもっていましたよね。

 

 

 

(図はお借りしました)

 

さらに・・・この「血管内皮細胞」には、「変性LDL」のレセプターが存在していして、これを「LOX-1(ロックス・ワン)」と呼びます。

「変性LDL」とは、「LDL(低密度リポタンパク質)」が酸化などの修飾を受けたものでして、この「変性LDL」が動脈硬化進行の重要な要因であるとされているのですね。

 

変性LDLのレセプターである「LOX-1」「変性LDL」が結合すると血管内皮細胞に慢性的な炎症状態が生じ、これが動脈硬化の原因であることが分かっています。

 

 

「LOXーindex(ロックス・インデックス)」とは・・・

 

血液中の「LOXー1」の値と変性LDL(酸化された悪玉コレステロール」の測定値を掛け算(かけざん)した値となります。

 

血液中の「LOX−1」とは、sLOX-1(可溶性LOX-1)と言われるもので血中に放出された「LOX-1」ということになります。

 

 

 

 (図はお借りしました)

 

 

では、動脈硬化の指標となる「Lox-index」を改善するための具体的なアプローチには、どのようなものがあるのでしょうか?

 

1. 健康的な食事

 

抗酸化物質を豊富に含む食品(例:果物、野菜、全粒穀物、魚など)を摂取し、酸化を促進する食品(例:加工食品、高脂肪食、高糖質食など)の摂取を控える。

 

2. 適度な運動

 

適度な運動は活性酸素の生成を抑制し、抗酸化酵素の活性を高めることが知られています。

 

3. 禁煙

 

タバコは活性酸素を大量に生成し、酸化ストレスを引き起こします。

 

4. アルコールの適量

 

適量を超えるアルコール摂取は肝臓を傷つけ、活性酸素の生成を増加させます。

 

5. ストレス管理

 

ストレスは活性酸素の生成を増加させるため、リラクゼーションや十分な睡眠などでストレスを管理する。

 

これらの生活習慣の改善は、Lox-indexの改善だけでなく、全体的な心血管疾患のリスクを減らすことにも寄与します。

 

「LOXーindex(ロックス・インデックス)」が有用なところは、他の検査よりも早い段階で「動脈硬化」のリスクを評価できることにあるのですが・・・

 

続きは、後日に話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記  > 10月10日

 

今回は、「動脈硬化」の指標のひとつである「ロックス・インデックス(LOX-index)」のお話をさせていただきました。

 

JTKクリニックでも検査ができるようにしています。

 

「ロックス・インデックス(LOX-index)」は、単なる「動脈硬化」の指標というよりも、もう一歩 data的には進んでいて、「動脈硬化」による「脳梗塞」や「心筋梗塞」の発症リスクまでも示すとされているので、検査結果に異常があった場合には、より深刻に捉えるべきdataとなります。


通常の画像検査は、「動脈硬化」が進行しないと見つけられませんよね。

 

それに対して、「LOX-index」では動脈硬化が進行する前の段階で、「脳梗塞」や「心筋梗塞」が生じるリスクを調べることができます。

 

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(図はお借りしました)

 

上の図では、これまでに「動脈硬化」のリスクを調べる画像検査や採血検査での「動脈硬化」が判明する時期と比較をしているわけですが、他の画像検査と比較して、かなり早い段階で「動脈硬化」の生じるリスクを知ることができることが、お分かりいただけると思います。

 

そして、実際にしたの図のように「LOX-index」が高値である方の群と低値である群を比較しますと・・・将来、脳梗塞の発症率は3倍、

心筋梗塞の発症率は2倍高くなることが示されているのですね。

 

          

(図はお借りしました)

 

「動脈硬化」の画像的な所見がなく、「LOX-index」のみが上昇している時期において、「動脈硬化」の初期段階での積極的な治療は、

将来の「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの発症を防ぐ可能性もありますよね。

 

では、どのような方法により「動脈硬化」を予防、そして、改善できる可能性があるのかを示すヒントは、次の文章にもあります。

 

「Lox-1」は、「酸化LDL(低密度リポタンパク質)」の受容体として知られる分子です。

 

この「Lox-1」は、「酸化LDL」の細胞内への取り込みを助ける役割を果たすわけでしたね。

 

この「Lox-1」という受容体の発現は、炎症性のサイトカインその他の刺激物質によって誘導されることが知られています。

 

ここで、疑問に思う方もいらっしゃると思います。

 

(1) 「LDL」を酸化させる物質とは、なんでしょうか?

 

(2) その他の刺激物質とは・・・いったい、どのようなものなのでしょうか?

 

実は(1)の答えは「活性酸素」となります。

 

「活性酸素」が、「LDL(低密度リポタンパク質)」の酸化の主要な原因として知られています。

 

そして、この「活性酸素」は・・・細胞内のDNAの障害を受けた「ミトコンドリア」から多く産生されるわけですが・・・

 

ヒトの正常細胞が、外部からの刺激(例:紫外線、一部の化学物質、放射線など)によっても「活性酸素」は多く生じるのですね。

 

なので、これが(2)の答えとなります。

 

ちょっと目先(めさき)を変えて・・・

 

「活性酸素」が「LDL」の酸化を促進し、それが動脈硬化の進行に寄与するという概念は、心血管疾患の発症メカニズムを理解する上で非常に重要とされているのですね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 





 

 (筆者撮影)

 

   

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

  <JTKクリニック・アンチエイジング治療>

 

 

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