こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

雨の降る休日の午後となりました

もう、4月も最後の週になっていますね

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

            (筆者撮影)

 

新型コロナウイルスについては・・・次のような報道がありました

 

 

オミクロン株の亜種「BA.2」の割合は、3月15日から21日の1週間には「52.3%」になり、全体の過半数を占め、さらに、3月22日から28日には「67.8%」まで上昇したそうです。

 

すでに、東京には、BA.2による「第7波」が来ているのではないか?

・・・という意見もありますね

 

軽い喉(のど)の違和感と1日だけの発熱が見られる程度の方が多いようですので・・・鎮痛剤を服用すれば、日常の生活も遅れてしまうかもしれませんね

 

さて、前置きが長くなりましたが・・・今回は「ダイエット」のお話をしたいと思います

 

「肥満」については、以前にもお話をしたと思いますが、2つのタイプがありましたね

 

 

そうですね・・・「皮下脂肪型」と「内臓脂肪型」の2つのタイプに分類できるのですね

 

以前にブログ内でご紹介したのは、次のようなことでした

 

「皮下脂肪型」は、女性に多いタイプであり、脂肪がついてしまうと・・・なかなか、それを落とすのは難しい

 

「内臓脂肪型」は、男性に多いタイプであり、わりと蓄積されやすい脂肪ですが、落としやすい脂肪である

 

という性質がありますね

 

しかしながら、最近の傾向としては・・・男性に多いはずの「内臓脂肪型」が、女性の方にも多くなっているという報道が見られるようになりました

 

原因は、新型コロナウイルス感染の拡大があったことで、それまでの生活スタイルが変化し、過剰なカロリー摂取・運動不足が原因のひとつなのではないか・・・と推測されているようです


「内臓脂肪型」の肥満に合併症が起こりやすいというお話は、以前にもご紹介をさせていただきましたよね

 

実は・・・新型コロナウイルス感染症リスクについて考える際に、「肥満」があると・・・「重症化しやすい」のではないかと考えられているようなのです

 

そのように考えられているのは、何が原因なのでしょうか?

 

それは、「サイトカイン」というものが重要な要素となっているようなのですね

 

現在、次のように考えられることが多いようです

 

 

「内臓脂肪型」の肥満者では、内臓脂肪組織内に

慢性炎症が生じていている可能性がある

 

この慢性炎症が長期に持続することで「炎症性サイトカイン」が放出され、さらにそれらの「サイトカイン」が血管病変を引き起こす可能性が高くなるというのですね

 

これにより、「メタボリックシンドローム」を発症させると考えられているようなのですね

 

上記のような「内臓型脂肪の蓄積」により、慢性的にサイトカインが放出されている状態があるところに

新型コロナウイルス感染が生じると・・・

どうなるのでしょうか?

 

 

一般的にどのような「ウイルス」の感染症にも言えることですが

重症化する原因の一つとして「サイトカイン ストーム」が知られています


(図はお借りしました)

 

これは、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性変化によって、IL(Interleukin)-6、TNF(Tumor Necrosis Factor)-α、MCP(Monocyte Chemoattractant Protein)-1などのサイトカインが過剰に血中に放出されることを示すのですが・・・

 

「新型コロナウイルス」では、この傾向が強い可能性があるのですね

 

「新型コロナウイルス」の感染後に生じる「サイトカイン ストーム」によるさまざまな疾患については、まだわからないことも多いそうです

 

オミクロン株や、その亜種での感染で、デルタ株などと比較して、急速に呼吸不全が生じることがなくなる傾向がなくなったとはいえ、

その感染に伴う「サイトカイン」が高い状態が続くと考えると・・・

 

感染者の数のピークをすぎてからも・・・死亡する方が多くなるという欧米諸国で確認されている現象は、矛盾のないことのように思います

 

今できることは、予防策を充分に行うことと、併せて、

「内臓型脂肪の蓄積」を減らすことも重要である可能性がありますね

 

「with コロナ」の生活が、まだまだ続くのだとすれば・・・

肥満、とくに「内臓型肥満」はなくしておくことが、リスク管理の

意味でも大切になりそうですね

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

◯総合健診推進センター 所長 宮崎 滋 先生の総説を参考にさせていただきました

 

<ブログ後記>4月26日

 

「内臓脂肪」が免疫反応の対象になる可能性がある・・・ということに驚かれた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

「内臓脂肪型」の肥満がありますと・・・免疫細胞が、自分自身の脂肪細胞を攻撃するということですから、驚きますよね

 

この事実は、既に2009年の時点で、東京大学大学院医学系研究科の真鍋一郎特任准教授、循環器内科教授 永井良三教先生(当時)らの研究グループにより報告されています

 

動物実験で証明された内容は、以下のとおりです。

 

高脂肪食を与えて「肥満」の状態にしたマウスでは

「内臓脂肪」組織に「CD8陽性キラーT細胞」が出現し、その後に多くの「マクロファージ」が集まることが確認されたそうです。

 

 

「CD8陽性キラーT細胞」と呼ばれるは、いわゆる「細胞障害性T細胞(CTL)」でして、ウイルスや細菌などの細胞内病原体や癌細胞を破壊するなど、免疫システムのなかで、重要な役割を果たす細胞ですね。

 

 

一方で、「脂肪細胞」自体の機能を見てみますと・・・

 

「脂肪細胞」は・・・「脂肪の備蓄」だけでなく、さまざまな「サイトカイン」を分泌する「内分泌器官」としての性質を持つことが知られています。

 

これらのサイトカインは、「アディポサイトカイン」と呼ばれていまして、「善玉」のものと「悪玉」のものが存在していることが知られています。

 

「肥満状態がない」場合には、糖や脂質の代謝を円滑にする働きをスムーズにする「善玉」の「アディポサイトカイン」として機能します

 

その反対に「肥満状態がある」場合には、「悪玉」の「アディポサイトカイン」が分泌されることになります

 

「アディポサイトカイン」の性質が、「悪玉」となりますと・・・

 

インスリンの働きを阻害したり、血圧上昇を命令したりするようなが分泌されるようになり、高血糖・高血圧・脂質異常、ひいては動脈硬化を進めて脳心血管疾患を引き起こす可能性が指摘されているのですね。

 

一定以上に大きくなった脂肪細胞が分泌する「悪玉物質」には、どのようなものがあるのか?を下の図に示しています。

 

肥大・増殖した脂肪細胞は、体に悪い様々な生理活性物質を出すようになり、それが高血糖、高血圧、高中性脂肪などの原因となる。原画=(C)designua-123RF

 

例えば・・・「TNF-α(ティエヌエフアルファ)」は、インスリンが分泌され多としても、それが効きにくいようにしてしまう現象

つまり、「インスリン抵抗性」を引き起こします。その結果、血液中のブドウ糖が筋肉や肝臓に取り込まれにくくなり、血糖値の上昇につながります。

 

 また、「アンジオテンシノーゲン」という物質には、血圧を上げる作用がありますし、

「PAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)」は血液を固まりやすくし、血栓をできやすくします。

 

 

免疫細胞との関連に話を戻しますと・・・

 

「肥満症」がある場合には、「マクロファージ」という免疫細胞が「脂肪組織」に集積することが知られていますが・・・

 

「TNF-α 」と 「MCP-1 」は、「マクロファージ」からも分泌される代表的な炎症性サイトカインであることから、一定の免疫反応が常に生じていると考えられています。

 

こうした状況のなかで、「新型コロナウイルス」の感染により、「サイトカイン ストーム」が生じますと

ある種の炎症性サイトカインが、極端にに増加する可能性もありますので・・・このことが、例え、死亡率の低いと言われる「オミクロン株」感染でも、感染後の回復期になってからでも

重症化する原因かもしれませんね。

 

ここまで、お話をしてきますと・・・新型コロナウイルスの感染の有無にかかわらず、「肥満」の状態にならないように心がけた方がよいということをご理解いただけると思います。

 

とくに「内臓脂肪型」の肥満である場合には、できるだけ早い段階で

それを減少させていく必要があるのかもしれませんね。

 

それは、無理かも・・・と思う方もいらっしゃることと思います。

そんな方のためにJTKクリニックの「ダイエット漢方」で、

「内臓脂肪」の減量に成功した方の例を示しておきたいと思います。

 

 

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上記の図は、腹部CTの画像を4週間後に比較したものです。

赤く示されているのが「内臓脂肪」ですが、かなりの減少効果を示しているのがお分かり頂けると思います。

 

(上記の画像は、JTKクリニックの連携施設で施行することが可能です。)

 

この方が用いたのは、以前にご紹介した「榎屋」さんと共同開発した

漢方煎じ薬の「内臓脂肪型肥満」タイプのものになりますね

 

もちろん、「栄養指導」をさせて頂いていますが・・・

 

もちろん、100%の方が、パーフェクトの効果が出るとは限りませんので、今後は「栄養指導」をより専門的なものとしていきたいと思っています。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

             (筆者撮影)

 

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  元 順天堂大学 膠原病リウマチ科 准教授  

日本リウマチ学会 専門医

 

 

 

 

 

 

 

 

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