こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ
 
7月最後の日曜日の午後となっています
暑さが厳しい夏となっていることは、強調するまでもありませんよね
 
暦に目を移しますと、二十四節気では「大暑(たいしょ)」となっていますね
 
「大暑」は読んで字のごとく、一年で最も暑くなる時期のことを意味していますから、当然なことなのかもしれませんね
 
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
 

 

 
さて、東京オリンピックが開催されているわけですが、新型コロナウイルスの新規感染者の増加傾向が続いていますね
 
いわゆる「インド変異株(デルタ型)」の拡大が原因のひとつであろうかとは思いますが、人の移動などが明らかに多くなっているのも影響しているのではないかと思います
 
 
もちろん、高齢者などは新型コロナウイルスのワクチンを接種しているためか、重症化や死亡することは少なくなる傾向が認められています
 
では、現時点で、どのような年齢層が重症化しやすいのか?・・・と言いますと、40歳代、20〜40歳の年代で多くなっているのですね(6/25〜)
 
 
上記は、男性のデータを示していますけれども、女性でも同様の傾向となっています
 
 
もちろん、年齢が若いということは、ウイルスに対する免疫の力が強いですから
重症化する確率は低いと考えてよい・・・ということになるのでしょうか
 
 
 
ただ、少しだけ心配なこともあります
 
どのようなことが心配なのか?・・・と言いますと次のような点ですね
 
①新型コロナウイルス感染後の後遺症(Long-Covid)は、重症度に関係がなく、発症する可能性があること
 
②狭い地域であり、かつ、その範囲内多くの感染者数がいる状態が長期間にわたる・・・そのような条件が重なりますと・・・新たな「変異株」が出現する可能性が高くなること
 
などですね
上記の①は、科学的に証明されていることであり、②は「ウイルス学的な推測」ということになるでしょうか
 
さらにもうひとつの③は、世代間のなかでワクチンの効果にバラつきがあること
 
ですね
これは、どのようなことなのでしょうか?

それは、次のような状況が考えられます
 
例えば・・・
夏が終われば、冬の季節がくるわけです。当たり前のことですが、空気が乾燥してきますね
 
すると・・・ウイルスのエアロゾル感染の機会が増えることが予想されます

 地方に住む高齢者は、既にワクチンを早い時期に接種しているケースが多いですよね
 
諸説ありますが、6〜7ケ月後には「ワクチン」の効果が低下、つまり、ワクチンによって得られた抗体が少なくなる可能性があると言われています
 
現在のワクチン不足の状況下であっても、冬でには若い世代もワクチン接種を終えている可能性があると考えます

若者が「ワクチンを接種を終えた状況だから、やっと、故郷に帰れる」と考えるのは自然なことですね
 
そして、「ワクチン接種を終えたから、やっと、国内旅行もできるはず」と地方への旅行者が増えることが予想されます
 
しかし、この時点で、地方の高齢者の多い世代のワクチンで得られた新型コロナウイルスの抗体は、既に低下していることが予想される・・・つまり、高齢者の方が、新型コロナウイルス感染を防御できない可能性も考えられます
 

では、現時点の今年の夏では、どのような構図になると考えられるのか?・・・というと・・・とても、レアなケースとなると思いますが、以下のような状況になる可能性もあります
 

例えば、新型コロナウイルスに感染しておらず、かつ、ワクチンを接種していない若い世代が、地方の故郷(ふるさと)に帰ったとします


「親の世代の高齢者は、既にワクチンを接種を終えているから、自分が感染を持ち込むことはない」と若い世代の者が考えるのは、とても自然なことですよね
 
上記のような条件において・・・
ワクチンの効果により、感染していても無症状である高齢者から、若い世代に感染する・・・可能性もゼロではない・・・ということになりますね

もちろん、レアなケースだと思いますが
 
この背景には、③「ワクチンを接種したのだから、新型コロナウイルスに感染することはない」という幻想があるからですね
 

ワクチンは、ウイルスの感染自体を防ぐのではなく、極端な言い方をすると
ヒトに感染したウイルスの増殖を抑制するに過ぎないも言えるかもしれませんね
 
私は、東京オリンピックの開催をとても楽しみにしていました。
のちのちに懐かしく想う(おもう)かもしれませんが、東京オリンピックの終わった後の道程(みちのり)を思うと・・・若干、憂鬱(ゆううつ)になったりもします
 
 
東京オリンピックは、世界の国々がスポーツで競い、その技量の優劣を決めているわけですが・・・
それが終われば、次はどの国が最初に新型コロナウイルスの「パンデミック」な状態を抜け出せるのかを競いあう状況となるのかなぁ・・・なんて
 
 
試合前のオリンピック選手が、闘志あふれる姿をテレビで観ながら
 
そろそろ、新型コロナウイルスとの戦いに参戦しようか・・・などと考える、若き医療者や研究者もいる・・・のではないか・・・なんて考えたりします
 
いや、そうだったらいいなあ〜という、こちらは願望ですねてへぺろ

未来のある若者たちが、自分たちが暮らすであろう世界を穏やかなものとするために、新型コロナウイルスとの戦いに参戦する姿は、オリンピック選手以上に輝いて見えるかもしれません
 

 オリンピックと違って、世界的な国々との協力体制が取ることができますしね
 
科学的に緻密(ちみつ)な方法、そして、最新の知見の解釈は、世界の国々でも行っていることですので、情報を積極的に共有することは、とても重要なことであると思います
 
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ
 

<ブログ後記>7月27日

東京オリンピックの真っ最中ということになりますが、新型コロナウイルスの感染者の増加ペースを日々、確認すると・・・若干の不安を感じたりもします。

 

一方で、休日の街やお店などは人で溢れていますね。

 

感染拡大のセオリーどおりに・・・東京都の感染者の増加は、そのまま、周辺の各県の感染者をジワリと増加に転じさせています。

 


世界の国々を見ますと・・・各国で感染者の増加を認めているのは、ニュース等で報道されているとおりです。

 

いくつかの「変異株」が存在し、それらが猛威(もうい)をふるっていることが、主な理由ということになると思います。


それに加えて、新型コロナウイルスに対するワクチンに対する過大評価がされていることも感染拡大の原因のひとつであるような気がします。

 

例えば、ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンなどの理論的なメカニズムは・・・


RNAをヒトの細胞内に投与し、ヒトの筋肉などの細胞に新型コロナウイルスのスパイク蛋白を発現させるわけです。


これは、本来のヒトの蛋白ではありませんので、ヒトの免疫システムは「異物である」と判断しますね

その結果・スパイク蛋白に対する抗体が産生され、血液中に大量に放出されることになりますね。

 

この抗体は、万が一、新型コロナウイルスに感染したとしても・・・スパイク蛋白に結合することになります。

すると新型コロナウイルスを不活化させます


つまり、新型コロナウイルス自体の機能を消失させることができるわけです。

それなので、万が一、感染したとしても重症化はしないということになりますね。

 


しかしながら、逆に言えば、新型コロナウイルスの感染自体を防げるわけではない

・・・ということになります。これは、とても重要なことです。

 

極端な話をしますと・・・ワクチンを接種した後は、無症状のまま、軽微な感染が持続する可能性もあるわけです。


もちろん、本人も自覚症状がないまま、ウイルス感染が一定期間、持続することもあり、

この期間には、ウイルス量が多いとすると・・・新型コロナウイルスに免疫のない他人を感染させてしまうこともあるわけですね

 

だから、ワクチン接種を終えたから、マスクを外し(はずし)、一定の距離をとらずに多くの他人と一定時間を過ごせば・・・のちにクラスターを生じる可能性が高いのですね。


 

ちょうど、本日のニュース面を見ますと・・・ファイザー社などの見解では、ワクチンを打っても、その効果の持続は、7ケ月間程である可能性が高いというものがありました。

 

おそらく、世界で最も早いペースで、国民のワクチン接種の進んだイスラエルのデータを参考にしていると思われます。

この7ケ月という期間は、思っていたより短いと感じますね。

 

「ウイルスの予防のためのワクチンは、可能な限り短期間で接種する。しかも可能な限り多くの人数に・・・」という原則を、その通りにイスラエルは、実現したように見えたのですが、

約7ケ月後にワクチンで得られたら抗体の量が低下してしまった高齢者の感染が多くなってきている・・・ことは、まったかの予想外だったのではないでしょうか。

 


すべての規制を撤廃した英国についてもお話をしたかったのですが、後日の話題にしたいと思います。世界中の国々からは、リスクが高すぎると非難の声も多かったのです・・・・新たな「変異株」の出現を早める可能性があるとね

 


このニュースは、今後も要注目だと思いますね。

 


今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 
 

(夢の大橋からの花火:以前のphoto.より)

(筆者撮影)

 

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  元 順天堂大学 膠原病リウマチ科 准教授   

日本リウマチ学会 専門医

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