こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ
 
ときどき、雨がちらつく休日の午後となっています
暦の七十二侯(しちじゅうにこう)では、「竹笋生(たけのこしょうず)」となりますね

文字どおり、「たけのこ」が出てくる頃となります
たけのこは、もちろん、成長すると竹になるわけですが、とても成長が早いことで、知られているのです・・・その理由をご存知でしょうか?
 
 
たしか、以前に聞いた話では、普通はひとつである「成長点」が多く存在するからだとか
 
日々、成長を続ける「たけのこ」を見習いたいと思います
 
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
 
 
さて、新型コロナウイルスの感染者の多い日が続いていますね
変異株「N501Y」の拡大が国内でも蔓延し、従来型の株が置き換えられていることが理由であるようです
 
 
新型コロナウイルスのスパイク蛋白の一部分が、「ACE2」と結合することにより感染するということは、従来型の新型コロナウイルスと同じ機序のようです
 
 
それでは、「変異型」と「従来型」とは、どこが異なるのでしょうか?
 

「英国株」とされる「N501Y」では、従来株の501番目のアスパラギン(Asn)がチロシン(Tyr)に変異していらことが確認されています

 

 

ウイルス遺伝子は・・他の遺伝子と同様にA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)という4つの塩基で構成されていることは、以前にもお話をさせて頂きましたよね

 

 

このうちの3つの並び方で、作られる1つのアミノ酸が決まることは、以前にお伝えしたとおりですね

 

つまり、ウイルスのアミノ酸が変化したということは、塩基を複製する際にそれに何かしらのコピーの間違いが生じたわけです

 

 

そのためにアスパラギン(Asn)がチロシン(Tyr)に変化してしまったのですね

 

 

南アフリカ株とブラジル株では、さらに、484番目のグルタミン酸(Glu)がリシン(Lys)に変異(E484K)し、417番目のリシンもアスパラギンとトレオニン(Thr)に各々変異(K417N、K417T)しています

 

 

インド型と呼ばれる変異株は、「L452R」と「E484Q」の2つの変異が報告されていますが・・・

 

こちらについては、また、後日のお話とさせていただきますね

 

「こんなにもアクシデントが続き、変異株が出てきているので、これ以上の変異は起こわないのか?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います

答えは、次のようになりますね

 

 

新型コロナウイルスは、RNA+(プラス)の1本鎖で構成されています

 

2本鎖のDNAのように・・・複製する役割を果たす対(つい)の鎖を持っていないので、RNA同士を複製し、自らを増やし続けることになります

 

 

その過程で塩基配列(RNAの構成塩基の配列)のコピーミスが起これば、変異したRNAウイルスが出現することになりますよね

 

 

コピーミスで偶然に生じた「変異型ウイルス」が、「従来型ウイルス」よりも何かしらの有利な条件がある場合には、「変異型」の方が主流になっていくのはウイルス学的には矛盾のない考え方なのです

 

 

 

これらの変異に際限はないと考えられていて、理論上は4重、5重ウイルスが出現する可能性もある・・・と言えますね

 

 

「変異株」の特徴は・・・というと1人の感染者からのウイルスの排出する量が、とても多い印象があります

 

 

以前の「従来型」でも、ウイルスの排出量の多い「スーパー スプレッダー」という感染者がいることが知られていましたが、「変異株」においては「スーパー スプレッダー」のような存在が倍増していると考える研究者もいるほどです

 

 

 

オリンピックの開催の有無は別として、これまでとは「フェーズ」が違うのだということを再認識しておくことは、とても重要なことかもしれませんね

 

 

そして、今後は新型コロナウイルスの感染の有無をPCR検査をするだけでなく、どの「変異株」であるのか?・・・

 

を調べておくことは、周囲にどのように感染を広げている可能性があるのか?

今後、状態が急に悪化する可能性があるのか?を予想する意味で「変異株」の検査を併せて、施行する必要があるのかもしれません

 

もちろん、JTK クリニックでは「変異株」を可能な限り同定するようにしております

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

 

それでは、またバイバイ

 

<ブログ後記> 5月18日

窓を開けると雨がしとしとと降り続く夜となっていますね。

今回は、新型コロナウイルスの「変異株」についてのお話を中心にさせて頂きました。

 

最近のニュースでは「新型コロナウイルス」の感染様式として、「空気感染」もあるとWHOが発表した・・・というものがありました。正確には「エアロゾル感染」ということになりますね。

 

「今さらかい」というツッコミを入れたくなるのですが・・・感染対策をするにあたっては、とても重要な所見となります。

 

つまり、他の人と会食する際に口の前に扇(おうぎ)のようにあて、飛沫感染を防いでいれば、感染予防は充分に可能であるという考え方

は、少し古いのかもしれませんね。

 

 

新型コロナウイルスは、風邪のようなものだと主張する方はいるようですが、最新の知見(ちけん)では、過剰なサイトカインの産生がなぜ生じるのか?や抗ウイルス作用の中心を担う(になう)インターフェロン-γ(ガンマ)の産生が障害されている病態が生じている理由などが分子生物学的に解明されつつあるのですね

 

とても単なる風邪症状を引き起こす従来のコロナウイルスとは、違うのは明らかと思われるようなデータも散見(さんけん)されますので、また、後日にお話をしたいと思います。

 

ところで、東京オリンピックを中止すべきだという海外の報道もまた、よく目にするようになり、また、国内でもそのように考える方が80%にせまるという報道もあります。

 

もちろん、新型コロナウイルス感染でお亡くなりになった方が、阪神淡路大地震のそれを超えたとか、医療崩壊を起こしかねないほど、病床がひっ迫していると聞くと・・・まあ、オリンピック開催という雰囲気ではないかも・・と思ったりまするのですが、世界の主要国が強硬に開催に反対する報道には、少し、違和感を感じたりしておりました。

 

その説明になるかもしれない、いくつかの記事を見つけたので、少しだけ、ご紹介したいと思います。

 

bisiness insider Japanの記事より

新型コロナウイルスの影響に関する国際世論調査の結果なのですが、

調査対象となった6カ国の感染者数、死亡者数は以下の通り。 前提となる各国の状況 (5月17日段階のWHOダッシュボードデータを引用)

 

○日本 

人口:約1億3000万人、感染者:約67万人、死亡者:約1万1000人 

 

○アメリカ 

人口:約3億3000万人、感染者:約3257万人、死亡者:約58万人 

 

○イギリス 

人口:約6700万人、感染者:約445万人、死亡者:約13万人 

 

○フランス 

人口:約6700万人、感染者:約577万人、死亡者:約10万7000人 

 

○ドイツ 

人口:約8300万人、感染者:約359万人、死亡者:8万6000人 ・

 

○スウェーデン 

人口:約1000万人、感染者:約104万人、死亡者:約1万4000人

 

となります。一方、6カ国のワクチン接種率(Our World in data参照) 

 

○日本:1回接種 3.37%、2回接種 1.37% 

○アメリカ:1回接種 46.42%、2回接種 35.96% 

○イギリス:1回接種 53.50%、2回接種 29.02% 

○フランス:1回接種 29.24%、2回接種 13.12% 

○ドイツ:1回接種 36.32%、2回接種 10.81% 

○スウェーデン:1回接種 31.63%、2回接種 9.74%

 

ちなみに東京の接種率では、ワクチンの接種率は、2.31% となります。

 

これまでのPCRの検査数もOECD加盟国37カ国では36位となっている(最下位はメキシコ)とされているのですね。

 

もちろん、感染者の少なさもあるとすれば、検査の数だけで比較することができないかもしれません。とすると問題は、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種率の低さに問題があるのかもしれませんね。

 

ただし、ご存知のとおり、日本国内に新型コロナウイルスワクチンが実際に入ってきたのは、だいぶ遅い時期でしたから、他の国並みに

ワクチンの接種率を現時点で要求されるのは「ムリスジ」・・・な、つまり、実現不可能な要求ということになります。

 

日本国内では、東京、大阪の会場での大規模接種も始まるとすれば、日本のワクチン接種率は、早いペースで上がっていくことと思いますね。

 

私であれば、ちょっとズルく、オリンピックの時期までは、国内のワクチンをすべて、東京を中心に集め、各国が見ている数字を

「東京 60〜70%」となるようにしたりしてねウインク

 

ちょっと、ふざけてしまいましたが、なぜ、各国のメディアが

「オリンピックを中止した方がよい」と主張したのか?

 

ということは、結果がどうなったとしても自分自身の考え方を持っておくのは、若い世代の方には必要なことかもしれません。

感情的にではなく・・・

新型コロナが単なるKAZEでない理由もねニコニコ

 

今回も最後までお読み頂きまして

ありがとうございましたお願い

 

         (筆者撮影)

 

 

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  元 順天堂大学 膠原病リウマチ科 准教授

        

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