こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ
 
青空が広がり、陽に光が眩しい(まぶしい)休日とないましたね
初夏のような陽気の1日となりました
 
いつもながらですが、暦を見てみると
二十四節気(にじゅうしせっき)では「雨水(うすい)」となっていますね
 
そして、七十二候(しちじゅうにこう)では、明後日(あさって)の23日頃からは、「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」とあるようです
 
この季節からは、春霞(はるがすみ)が、たなびき始める頃だとか
冬から春になると、遠くの景色が見えにくくなることをいうようですが、散歩などをしていますと・・・
もう、遠くの風景が、霞んで(かすんで)いるような気もします
 
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
 
 
さて、国内でも新型コロナウイルスのワクチンの接種が、医療関係者から開始されたようです
 
欧米諸国では、昨年末からワクチン接種が開始されていましたので、まあ、やっと始まったのか・・・という印象でしょうか
 
重症化することを防ぐことが既に報告されていますので・・・
メデタシ、メデタシと考えていたのですが、ここまできて「ワクチンに対する不安」が消えない方が多いのだとか・・・ショボーン
 
 
私も知らなかったのですが、医療関係者の中にも「新型コロナウイルスに対するワクチンは、リスクが高い」などと情報発信をしている方もいらっしゃるそうで・・・ガーン
 
この類い(たぐい)の話は、専門家の方の情報で・・・と考えていたのですが・・・「新型コロナウイルスのワクチンに対する、正確な情報が少ない」という声も多いようです
 
新型コロナウイルスのワクチンに対する情報発信は、諸外国から日々、行われており、アップデートされているにもかかわらず・・・
なかなか、情報が届いていないのかもしれませんね
 
先日も医療情報サイトで、米国在住の日本人医療研究者である「紙谷 聡」先生からのワクチンに関するレポートがありました
 
勝手に写真をあげてしまうのはマズイかなあ〜なんて考えましたので、肩書きだけご紹介させて頂きますと・・・「エモリー大学 小児感染症科、米国アレルギーアレルギー感染症研究所 ワクチン治療評価部門」に在職されている方のようです
 
今回のレポートの目的は、新型コロナウイルスのワクチンの総合的な評価を行ってきた立場から、その情報を日本の医療関係者に提供するというのが趣旨(しゅし)であるようです

そこで、「紙谷 聡」先生からのレポート内でのスライドの内容に私自身の知識をプラスアルファする形で、皆さまにご紹介できたらと考えました
 
まず、新型コロナのRNAワクチンがどのようなものか?・・・ということからお話をしたいと思います
 
RNAとは遺伝子であるわけですが、すべての新型コロナウイルスウイルスの遺伝子を用いるわけではないのですね
ウイルスの表面の「スパイク(S)蛋白」にあたる部分のRNAのみを用いるわけです
 
「スパイク(S)蛋白」というと・・・そうですね、連日のように遺伝子の変異が生じている・・・と話題にされる部分ですね
このRNAを「リポイドナノ粒子」という脂質の膜に入れたものが、先日、国内に入ってきたファイザー製のワクチンということになります
 
 
 
このRNAワクチンの筋(肉)細胞のなかで、どのようにするかを示したものが、以下の図となります
 
リポイドナノ粒子+RNAを筋肉などの細胞内に投与すると・・・リパイドナノ粒子の膜が壊され、細胞質内にRNAが放り出される形となります
これがリボソームいう器官に結合すると・・・アミノ酸の結合が作成される形でタンパク質が合成されます
今回のタンパク質は、新型コロナウイルスの「スパイク(S)蛋白」ということになりますよねウインク
 
本来であれば、ヒトの身体(からだ)を構成する、さまざまな蛋白質が作られる時には、核のなかでRNAが作られ、核の表面の穴(核孔)をとおって、細胞質内に出てきます
そこに同様にリボソームいう器官に結合すして・・・アミノ酸の結合が作成され、タンパク質が合成されるのですね
 
話を戻しますと・・・細胞質内で作られた「スパイク(S)蛋白」がどうなるかというと・・・例えばですが、ヒトの筋肉細胞の表面に「スパイク(S)蛋白」を出現させます
この現象を「表出(ひょうしゅつ)」と呼びます
分子生物学的な言葉を用いれば・・・ヒトの細胞に「スパイク(S)蛋白」をコードする遺伝子の導入を行い、正常なヒトの細胞に新型コロナウイルスの「スパイク(S)蛋白」を発現(はつげん)させた・・・或いは、「表出(ひょうしゅつ)」させたということになりますね
 
 
なんだか、不思議な感じがすると思いますが・・・ね爆  笑
 
例えば、正常な筋肉の細胞を構成する蛋白(たんぱく)は、自分自身のものですから、それを免疫細胞が反応することはない・・・と言えます
しかしながら、筋肉の細胞が「スパイク(S)蛋白」を出したら・・・異常な細胞が出現したことになり、すぐに免疫系の細胞が動き出しますよね
この免疫反応が出現することを利用して、実際に新型コロナウイルスの感染が生じた時には、既にワクチンで獲得している免疫を利用しようというわけです
 
私が、これはよく科学的に矛盾のない形で、ワクチンの設計がされているな・・・と感じた点は、以下のような点ですね
実は・・・このポイントは、以前から知りたい情報でしたからねニコニコ
 
 
それは・・・上の図に示されているように
 
①核に対して、いかなる刺激を入れない・・・
つまり、「スパイク(S)蛋白」部分のRNAがあることが、結果として、核内にある別の遺伝子が産生される(転写)ことがないというわけです
 
②新たな遺伝子の合成などにより、DNAに組み込まれることがない・・・これは、ちょっと専門的なお話となるのですが・・・例えば、レトロウイルスというものは、「逆転写酵素」というものにより
相補的な遺伝子の配列が作製され、この結果、1本鎖(いっぽんさ)のRNAが、2本鎖(にほんさ)になることがあるのですね
 
この2本鎖(にほんさ)の状態になると・・・通常の細胞のDNAの配列内に組み込まれてしまう確率が高くなってしまうのです
 
これらの①や②がないように「スパイク(S)蛋白」部分のRNAが設計されているということを聞くと・・・かなりの確率で、安全と言えるのではないか・・・と考えます
 
実際の米国の治験のデータは、本物のワクチン接種したヒトと偽薬(プラセボ)を投与した場合に何が生じるのか?・・・を確か、2万人ずつの群に分けて、検討した各種のデータがあります
 
今回は、そのうちのひとつをご紹介しますと、以下のようになります
 
 
あなたは、このグラフを見て、どのように感じますか?
 
現在、国内で接種されているファイザー社のものを示しましたが、モデルナ社のものもあり、同様の傾向を示しています
(ちなみに私自身は、いかなる利益供与も受けておりませんのでね)
 
「紙谷 聡」先生からのレポート動画を拝見させて頂き、なるほどと納得することがありましたので、お話をした次第です
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ

 

<ブログ後記> 2月23日

七十二候(しちじゅうにこう)の「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」は、本日の天皇陛下誕生日の頃からということですね。

 

この頃の夜空に浮かぶ月は、ぼんやりと霞(かすみ)がかって見えることもあり、これを「朧月夜(おぼろづきよ)」というのでしょうか。

若い頃に年配の方に教えて頂いた話ですが・・・霞(かすみ)は、夜になると「朧(おぼろ)」と呼び名が変わるそうです。

 

なんとも風流なものだと考えておりましたが、実際には、気温が上がって地面から上空に向かって上昇気流が発生すると・・・

地上付近にあるほこりなどが巻き上げられて空気中に漂いやすくなることに関連しているようで、この空気中のホコリが、太陽や月の光を散乱させて白っぽく見えると聞いたことがあります。

 

今回は、国内に入ってきているファイザーの新型コロナウイルスワクチン、RNAワクチンについてのお話をさせて頂きました。本文では触れませんでしたが、このRNAには、何らかの遺伝子学的な修飾があるのかもしれません。それにもかかわらず、2〜3週間で分解されるのではないかと思います。3週間後に2回目のワクチン接種が必要なのは、この理由によるのですね。

このRNAを細胞内の導入することにより、疾患を治療しようという発想はあったのですが、実現せずにきました。しかし、新型コロナウイルス感染のパンデミックな感染により、新しい治療法がポピュラーなものになるかもしれないと考えたりもします。

 

この時期の霞(かすみ)が、地上から巻き上げられたものと知れば、それは風情(ふぜい)のない話ですが、その逆の考え方で混沌とした地上のホコリが上昇気流にのって天高く舞い上がれば、いずれ「霞(かすみ)」や「朧(おぼろ)」になると考えれば、それ風情(ふぜい)のある話となる可能性もありますよね。

 

「万事、塞翁が馬(ばんじ、さいおうがうま)」という言葉もありますが、新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの悲劇を生じてきたわけですが、長期的に見れば、遺伝子そのものを対象とする新しい医学が始まった時期なのだと皆が認識するようになる可能性があります。

 

新型コロナウイルスの世界的な蔓延は、各国の科学的な方法を徹底的の模索させ、最終的には「ワクチン投与により、集団免疫を獲得するのが唯一の方法」だというのが、共通の認識となっているのですが・・・あなたの考えはどうですか?

 

最後までお読み頂きまして

ありがとうございましたお願い

 

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(丸ビルから皇居方面:以前のphoto:筆者撮影)
 
 

  元 順天堂大学 膠原病リウマチ科 准教授

日本リウマチ学会 専門医

日本内科学会認定医

緩和ケア医療医 

 

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