春過ぎから準備しとった休眠会社の再起動準備が整いましてな。

 いよいよ都庁に届出を提出して活動を再開ですわ。

 ワテのもう一足の草鞋でのポジションは主任調査役。

 銀行でいう部長代理はんくらいやろか?

 でも部長はんは役員さんなんで、実質上の運営責任者という訳でして責任重大。


 折しも景気の低迷から、親会社の実績に翳りも見え始めとるしね。

 こちらの会社に期待するところが大きいようでして…


 再生会社は宅建免許を持つ会社。

 というても、町家の不動産会社もどきのことはしまへん。

 ワテらが扱うのは汚染地のみと誓いを立てましてな。

 世の中にある汚染地を片っ端から整理して加工し、市場に戻すのを社会的使命として、そこに産・官・学の最先端の力を注いでいくという趣向。

 つまりワテの持つ官界と学界の縁、そしてワテのお客さんである旧財閥の横のネットワークを総結集して矢を番えて市場に射かけるというイメージですな。

 折しも太陽電池の買電価格もキロワット当たり40円と閣議決定されとるし、数十ヘクタールの汚染地が幾つかあるんで電池を敷きつめようかしらと…

 それを数ロット、バルクにして小口証券化するかファンドに入れるかすれば、金融機関もCSR対策として買ってくれはるやろし。

 という訳で、アホな企みをしとります。


 人事計画も練らなあきませんでな。

 場合によったら新卒の採用なんてのも考えなアカンのやけど、地質土木系学部出身で宅建に合格できる程度のリーガルマインドを持ち合わせとるような人財がおったらエエんかなと。

 それにベンチャースピリットもいるのかねぇ?

 そやけど最近の就活スケジュールが読まれへんわ…

 ワテの時代は、研究室推薦が主で理系はあまり就職活動せんものやと聞いとったけど、今でもそうやとしたら探すのも一苦労なんやろなぁ。

 それに理系は春先には内定が出てるんちゃうかと社内の年寄は言っとるし。

 どうしたもんかねぇ?


 というても、経営者マインドで気張らなあきませんな!

 今の心境は…