今日は祖母が亡くなってから十年を迎えるということで、墓参と親族で食事会をしようということになりましてね。

 揉める気配がしていたんだけど、やっぱり揉めてしまいました…


 元々兄弟仲が良い訳ではなかったし、私と従兄の仲も悪いのでね。以前の法要の時には自分の勤務先が生産している真っ赤なスポーツカーで乗りつけて、大遅刻だしね…

 しかも野心家でねぇ!この従兄。私がもう一つの顔である宗教家をやっていることが許せないらしい…世襲で譲られるものがあることがおかしいとか、儲けて脱税しまくっているとか、年上だからって言いたい放題言ってくれてね!


 父も叔父とは似たり寄ったりのトラブルがあるらしく、向こうは噛んで来るし我等はトラブルを避けて近づかないようにしてる。こんな図式がずっと続いているんですよ。


 しかし、向こうは兄(私から言うと叔父)。食事をといわれると断れないのが辛いところ。墓参が終わってから中華料理で会食することに。
 向こうは女性陣が運転するらしく2人(叔父と従兄)は飲み始めて、こちらはノンアルコールビール。次第に親父対叔父と私対従兄の構図が!その一方で、女性陣は歓談している…


 親父達の会話は判らなかったし親父の癇癪玉が破裂(普段怒る事が滅多に無い冷静な人物)しそうなので踏み込んで聞いていないけど、私のほうが先に爆発してしまって食事会は散会してしまいましてね…


 『30代も過ぎれば、宗教家として一財産溜っただろ?』と先制パンチ。『会計的には私の懐には入らないんですよ。そんなんだったら会社勤めなんてやっていませんから』と応戦。

 『でも宗教を隠れ蓑にして、金を捻り出しているんでしょ?』と続けられましてね。『儲ける事に明け暮れていたら、人間浅ましくなりますからね。仕事の上ではお金にも拘らなくてはいけないシーンもありますけど、私の仕事ってどちらも一生懸命やって振り返ればお金が溜っている類のものですから。そんなに頓着無いですね。4月から給料下げられたところですし!』と応えたんです。

 その後も同じような感じでの応酬があって、向こうはアルコールが回ってきていてしつこさも増しているしね…

 こんな愚劣なやり取りがあって、素面の私にとってはいい加減疲れてきてしまって…ポロッと『下衆め』と小声で呟いてしまった。どうやら向こうに聞こえたらしく、顔にはかなり怒りの色が滲んでいる。

 そこで追い討ちをかけて爆発させてやろうと悪魔の囁きがあって、『持たざる者が持つ者の事を色々詮索しても詮無き事ですよ。世界が違うのだから分かり合う事など無いでしょうね。中身が知りたいなら私の神社に夏休みに来てくださいな。中身を見せて差し上げますから』と言ったら、『そんなんいらんわ!』とね。完璧に怒らせてしまったんですわ。

 この会話があった頃に親父達もハイライトを迎えたらしく『そろそろ帰ろうか』と声が上がり、自然解散へ…


 それにしてもイソップ童話じゃないけど、自分を飾りたい奴って沢山いるものですなぁ!飾った所で『器』や『格』が備わっていないと出入りできない場所はあるものなのに…

 昔は『分相応』なんて言葉があったけど、そういう言葉も古くなったような気がしますな!努力や(この言葉は大嫌いなんですが…)研鑽を積んだ者が道を拓くのは当然なんだけどね。
 努力もせずに人のものを羨むとか、自らは労せずして待っていれば当然に与えられるとか、機会ではなく結果が平等でなければならないとか…


 人とまみえて触れてみて自らを磨くことを是とする私にとって、利用するだけとか果実を賞味したいだけという考えはどうしてもねぇ!馴染みません。
 こんなことを考えるだけでも、古いんやろか?


 さて明日は伊勢を経由して、今日話題になった神社へ行って参ります。さてさて伊勢までの道は西名阪を通るべきか、名神の栗東から峠を越えるべきか…

 悩むところです。