今日。新たな建物が私のエリアコレクションに仲間入りしました。


 普段なら計画から施工まで、全てにタッチしているので建物ではなく『作品』なんだけど、これは気持ち的に『建物』なんです。


 というのも、建築を担当しているグループ会社の営業マンがねぇ!ヒドイ奴なんですわぁ…建物の計画前提でこちらがノーといったプランに対して私の上司に話を持ち込んで無理やり捩じ込んで契約してしまうし、お客さんに対して勝手に絵を描いてしまうから私が間で振り回されっぱなし…


 そして今日建物が完成して、嫌々ながらの引き受けだったんですわぁ…


 何も無いことを祈りながら建物へ。すると全てのシャッターが閉まり、人がいるかどうか判らない??車で乗り付けたら玄関が開いて営業が出てきた。そして


 『車が止められているとまずいので、近所のホームセンターの駐車場へ車を移動してください』


 不審に思いながらも、後任サンに車を回して貰うように依頼して建物内へ。やはり暗い…今度は工事監督が


 『隣にばれるとまずいので…』


 『??』


 これでは引き受け検査などできる訳も無く、ものの20分ほどで立会いは終了。そこで聞かされたのは覚書があるのに、境界がおかしいと隣が言ってきていること。そして状況がかなり切迫していて訴訟にまで発展しそうなこととか諸々…


 ちょい待て!! どういうことやねん!? 聞いてないやないの…



 こんな大事な話、後を引き継ぐ人間に伏せときます?普通??ましてや引き受ける以上はテナントを早く入れるべくと動いていたのに、こんな事故物件に入れる訳にはいかないやん…


 そして敷地をみると隣地所有の壁に、『境界を元に戻しなさい』との張り紙がしてある…

 ますますもってテナントなんか入れられへんやん…こんなもん!!


 そうこうしている内に隣の住人が帰ってきた。営業と監督は逃げるように退避、遅れて私と後任サンが営業と監督のいる所へ。営業は『隣地問題は所有者間の問題だから』とい言い放つ。


 その頃、施主と隣地所有者は壮絶な口論を行っていた。ものすごく醜い…そもそも建てる前に、こんな話って終わらせておくべきちゃうんかなぁ?

 後任サンも『売買では絶対にありえないし、イロハのイですよ!!』と不快感を顕にしている。


 暫くして口論も収まったと思ったが…隣地のバアさんがこちらに来た。営業マンに対して


 『あんたは今日で終わりなんやね…』


 『はい。』 (終わりだとぉ!! 冗談じゃない!)


 『内容証明郵便をお宅の社長に2通出したけど、あなたはご覧になられた?私の土地を取り返すのに、何故私がここまでしなければならないのか…情けなくなります』 (はぁ?? うそぉ!!)


 泥沼やん!これって!!


 熱出てきた…