イビキをやり過ごして爆睡、そんな状態から現実へと引き戻したのはチャイムの音。『ことこ』サンさんだ。朝食の用意をするので風呂へ行ってきて欲しいとのこと。

 時計は8時を回ろうとしていた。いつもの旅行では予定を詰めているので、9時には出立するから今時分だと既に服を着ているだろうなぁ!


 風呂も同じ感じで時間がかち合わないのか、またもや貸切状態。ホントにこれだけでも意味があるように思える。風呂にゆっくり浸かって、ワイドショーを見ながら朝食。あてのない旅だけに予定は何もない。

 とりあえず海を見たいというリクエストと、昼飯は『出石そば』を食べようということが漠然と決まっているくらいで他は何もなかった。

 9時半頃に宿を出て、とりあえず海岸を目指して車を北へ。さすがに山陰、朝は冷えてて20度を切っている。クーラーを切って窓を開け、風に当たりながら海へ。香住へ出てから海岸伝いに出石を目指して移動の傍ら、景色の良さそうな所を狙って車を止めては写真タイム。太平洋と違って日本海は海の色が濃いような気がする。


竹ノ内海岸


 そして出石へ到着。後からの調べによると、信州上田のお殿様が国替えになって、そば職人を伴ってこの地に来たのだとか!どおりで地域の人の言葉が関西弁ぽくないなと思った!!

 以前母が旅行に行ったおりに絶賛していたそば店の『如月』を今日のお昼の店に。小皿5枚で一人前なんやけど、そば好きにはたまらないコシ!結局8皿食べてそば湯も飲み干してね。

 そば湯にゆずの皮が入っているのも気が利いていて嬉しいもの。食通の母者が騒いでいたのも納得!


如月


 出石を出て、このまま帰るのは勿体無い!ということで天橋立へ。あんまり時間をかけることなく到着。お連れは橋立を歩いたことがないとのことだけど、全て歩くと戻れなくなる(2人ともオヤジだから!)とのことで、途中の清水が沸いている所までと歩き始めた。

 自然の織り成す特異な地形で観光資源としても貴重なものなはずだけど、ホント手入れがされておらずハコモノ(トイレ)が目立つ。海水浴ができそうだからそれ対策かもしれないけど、感心しないなぁ!

 もう少し雑草を引いたり倒木を片付けたり、痛んだ古木を助けるなどの『守る』努力をして欲しいとつくづく感じた。環境省って予算ないのかなぁ!


 そうこう歩いているうちに、向こうの陸地が近くに見える!?なんと、半分以上歩いてしまっていた!!

 こうなるといまさら戻るのも厳しい。結局意を決して歩いてしまうことに…芝生の上でクラブ片手なら造作もないこの距離だけど、砂地で散策となると妙にきつい。それに向こうに歩くと決めた途端に、いくら歩いても陸地が近づいてこない気がする。

 もともとの性格がいらちで完全にプライベイトモードだから冷静さも何もなくなっていて、友人からはちょいと呆れられている感じ。

 でも、『しんどいもんは、しんどいっちゅーねん!!』(別に怒ってはいないけど)


橋立


 帰りは連絡船で駐車場へ。船が出た途端、友人は居眠り(やっぱどっちもオッちゃんや!)。向こう岸に着いてからは、友人の奢りでココアを飲みながらホッと一息。緑色免許証の友人にハンドルを預けて一路大阪に向かったのでした。