
9月3日、Ginza Six地下にある観世能楽堂にて、笙演奏家であられる東野珠実先生がご出演なさるご公演が開催されました。東野先生は、今年の3月に家庭画報セブンアカデミー主催の蓮江先生によるお茶会にてご演奏くださいました(写真、今春3月3日 東京国立博物館「九条館」にて)。
ご公演のテーマは「現代の匠たち 〜藝能と工藝の饗宴 2025〜」これは元文化庁長官・近藤誠一氏、小鼓の人間国宝・大倉源次郎氏、そして蒔絵の人間国宝・室瀬和美氏の御三方が発案され、「伝統芸能」と「伝統工芸」の芸術家の方々の交流をはかり、ひいては日本の「匠」の素晴らしさを世界に向けて発信するために設立されたTakumi-Art du Japonの活動の一環として開催されたご公演です。伝統芸能と伝統工芸両分野のご専門家の方々による興味深いお話、狂言「因幡堂」、そして伶楽舎と女人舞楽原笙会による雅楽「玉樹後庭花」(文化勲章受章者・故芝 祐靖氏による復曲)、そのすべてに日本の歴史と文化の奥深さ、素晴らしさを感じました。
そしてなんといっても東野先生がソロで演奏された唯一無二な笙の音の美しさに胸を打たれました!
この日東野先生が奏でられたのは、大阪万博でお披露された「星筐~ほしがたみ~」です。
「星筐~ほしがたみ~」は、石川県輪島市の蒔絵作家であられる小西 紋野さんが、東野先生より依頼を受けられ製作された特別な笙です。
ブルーの「パール漆」を17本の竹管部分にまで塗る、という前代未聞の超絶技巧により完成された「星筐~ほしがたみ~」小西さんはFacebookに次のように書かれています。「意匠は、パールブルーの淡~濃紺へぼかし塗り上げた空・宇宙と、天上から光のように注ぐの音色を金粉で表現しています」と。
ブルー地の上に螺鈿で描かれた星座、そして金で描かれた雲唐草、それらは息を呑む美しさです!「伝統芸能」である笙と「伝統工芸」である蒔絵これらが出会い生み出された「星筐~ほしがたみ~」が奏でる至福の音色を、一人でも多くの方に聴いていただきたいと心から願います!
こちらには写真がございませんので、ぜひ東野珠実先生のFacebookアカウントで、その美しさをご覧くださいませ。(よしえ)