軒 軒先 軒下 軒天 きつつき

 

 

軒 軒先 軒下 軒天

家の端っこにあることは、確かだけど、詳しくはわからない。

 

なんでこんなことを言い出したか。

それは、自宅 軒に貼ってある板、軒天 これを調べたら色々出た訳

 

それは、去年のこと、

お休みの日、昼頃 「コンコン、コンコン」と、何かを叩く音が続く。

誰だ、こんな音出している休日の昼寝を邪魔をする奴は。

きっと、変人親父が自室で、何かを作っているんだ。

と、思っていた。

 

その音、休みの日の日中、よく響く。

ある日、変人親父がいない日にも、音が響く。

 

「ありゃ?音の出ところは、親父じゃない。外の玄関の上辺りからする。」

外に出て、玄関上を見ると軒天に10㎝くらいの穴が2つ。

 

1つの穴から鳥が顔を出して、その鳥と眼が合った。

鳥は、慌てて軒天の穴の中に隠れる。

 

音の正体は、変人親父ではなく、鳥。

穴をあけたのは、「きつつき」なんだろう。

きつつき、家の軒天に、穴開けて、巣作って住んでるし・・

参ったなぁ、穴空いてるよ、それも2つ。

 

変人親父に、穴塞ぎを頼むが、

屋根の一番高いところの軒天で、梯子が届かないと弱音を吐く。

「チェ、使えねえな。屋根に上るのに梯子が欲しいと、

            数年前梯子買ったくせによ。」と、心の声。

 

「困ったな」と、穴を眺めつつ日々を過ごす。

とある休日、外壁工事のセールスマン。

いつもは、「お金がないので、無理です。モニターなら、タダにして」

と、撃退して終わるのだが、「きつつき」の穴の相談をしてみる。

 

なんと、工事の人を呼んでくれ、穴を見てくれるとのこと。

意外と親切。

昼過ぎに工事のおじさんとセールスの二人がやってくる。

 

工事のおじさん 「早く直した方がいいよ。」

おいら     「いくらくらいかかります?」

工事のおじさん 「あんな高いところだろ、二人できて、2万だな」

おいらの心の声 「穴塞ぐだけで、2万は、ぼったくり過ぎだろう」

おいら     「えー、高いですねぇ」と、不満を漏らす。

工事のおじさん 「んー、2人で来るんだよ。…なら、1万円ならどう?」

おいらの心の声 「まだ、高い、長い梯子がありゃ、すぐ終わる仕事だろうが・・」

おいら     「もう少し、安くなりませんか?」

工事のおじさん 「なら、会社通さないで、職人に直で頼むってことで8000円でど  

う?」

おいら     「じゃあ、それで(8000円)お願いします。」

まあ、8000円、最初の2万円より随分下がったらよしとした。

 

数日後、おいらが仕事でいないときに工事の人が来て穴を塞いで帰った。

8000円は変人親父、支払い済。

白い板で、穴を塞いであった。ほっとした、嬉しかった。

 

ところが、この話はこれで終わりではなく続きが。

変人息子 「ねえ、穴塞いで行ってからさぁ、またコンコン音してたよ。」

おいら  「は?」

なんと、穴を塞いだのはいいけど、中に鳥がまだいたらしい。

出口を塞がれ、閉じ込められた鳥が、必死の脱出を図ったようで、次の日にはまた穴が開いてた。

 

 

昨日の8000円は、無駄となった。

ホイの穴を見上げる日々がまた、続くのである。